③~
バレンタインの一週間前にパジャマは売り出された。
私の作ったパジャマはセクシー素材大胆仕様…
ハートがいっぱいのキャミソールベース♪
胸元のロゴは、普段絶対に口では言えないような 言葉が英語で書かれていた。
「私を食べてダーリン」
仕上がったデザイン画を初めて見た時、
グァンス君は目を丸くしてたっけ(*^^*)
こんなの着たら世の中の男たちは大喜びだなって言って。
世の中の?
グァンス君は?
そこが気になって突っ込んだ私にすぐにこう答えてくれた。
「それは葉子がこれを着た時に答えるよ」
そして迎えた
バレンタイン当日
私たちは部屋でのんびり過ごした。
たくさん手料理を準備して…
グァンス君はおいしいおいしいってたくさん食べてくれて本当に幸せ*^^*
TVはバレンタインの様子を伝えている。
いつもの光景…でも今日は違った。
私がプロデュースしたパジャマが主役のように取り上げられて、
手にした女の子たちはキラキラした笑顔で彼への想いを語ってる。
諦めないでよかった…
あのパジャマで好きな人に想いを伝えられますように。
うれしさと支えてくれたグァンス君への感謝の気持ちが湧いてきて
グァンス君の肩にそっと寄り添った。
食後のデザートは
手作りのチョコレートケーキ
すげーなおいしそうだな
ひとりで作ったのかって
グァンス君は大騒ぎしてる(*^^*)
もうひとつあるの…
あげたいものが…
私は羽織っていたカーディガンを脱いだ。
グァンス君は参りましたって顔してる。
照れながら私を引き寄せて
「葉子らしくて少しだけ大胆で本当にかわいいな」
胸のロゴは特別仕様で
「毎日ギュッてしてね」
って書いてあって
気づいたグァンス君は私をギュッと抱きしめた。
グァンス君に喜んでほしくて作ったパジャマは
世の中のグァンス君も大喜びさせて
私は一番落ち着く場所にすっぽり収まってとっても幸せ…
ん?グァンス君
何かぶつぶつ言ってる?
毎日ギュッとするだけでいいのか?とか
それだけで足りるのか?とか
俺だったら足りないけどな~とか
俺はもうちょっと…
あっでも脱がしちゃったらダメなのか~とか
ぶつぶつ ぶつぶつ
もう真剣にぶつぶつ言ってるグァンス君
かわいい!!
いつものお返しに
今晩はグァンス君をたくさんたくさん抱きしめてあげたい。
あっ
抱・き・し・め・た・い
⑤(終)に続く☆