①~
ソンジェさんは結局ややこしかった。
がっかりさせといて
喜ばせる…
一度落としといてふんわり抱き上げて包み込む…
みたいなことするんです
すっかり諦めていた
ホワイトデーの夜
仕事終わりの暗くて寒い駐車場に
メンバーと飲んでいるはずのソンジェさんが現れる…
水口さんのフリして運転席にふつうに座ってて
ふつうに乗り込んだ私が驚いたのと
ソンジェさんが
「おそいよ~待ちくたびれた」って言ったのはほとんど同時。
焦らして引き延ばして
どうしても私の口から
「ホワイトデーはソンジェさんと一緒にいたい」と
言わせたかったらしい。
「葉子はいつも本音をひとりの時にしか言わないから」
だから忘れたフリして不満を言わせようとしたんだけどな…ですって。
「いろいろ考えすぎて言えませんでした」
そう答えるとソンジェさんはとびきりやさしい笑顔で私を見つめた。
「だと思った」と小さく呟く。
たった小さなそのひとことで私はすっかり満たされて
ちょっぴり怒ってたけど許せてしまった。
「ちゃんとわがままも言えるようになりたい」
とかも言ってしまって
「ちゃんと言ってね」
とかも言われてChuっとKissされてもうめろめろで…
動けなかったからか
動かなかったからか
ソンジェさんからのKissは深くて甘くて熱くて長かった。
「とびきりの時間を葉子にあげるよ」
ソンジェさんの魔法の言葉に私の鼓動は激しい音を刻む。
私にとってあなたと一緒にいる時間はホントはいつだってとびきりの時間
心から今伝えたい
いつも隣にいてくれてありがとう
…サプライズは駐車場でのお迎えだけではなかった。
目を瞑ったまま手を引かれて連れて行かれた最高級ホテル。
夜景がスクリーンのように広がる最上階の部屋。
数え切れないほどのバラの花束が飾られている…
大好きなソンジェさんの香りとバラの華やかな香りが胸いっぱいに広がって
幸せすぎて声にならない …
ソンジェさんはそんな私の反応に満足したようで
うれしそうにただ私を見つめていた。
「もしかして泣いてる?」
「泣いてません…わかってるのに言わないでください」
「そんなに感動してくれてうれしくて俺のイジワルが発動したみたい」
「発動なんてロボットみたい」
ロボットはこんなKissしないでしょ…
ソンジェさんはそう囁いて
素早く強引なKissをした
③に続く☆