どうして今日
「ここ」なんだろう???
なんだかジヒョク君はとてもうれしそうにニコニコしてる。
浅草寺…
仲見世通りとか独特の雰囲気とか
好きなんだけど
「好きなんだけどね
どうしてホワイトデーのデートがここなの?」
そう聞きたい気持ちをぐーっと抑えて
私はしばらくジヒョク君の本心を探る。
おみくじの大吉に大喜びしたり
ハンカチを拾ってお年寄りにお礼を言われて
…ほら、あんなに何度も頭下げたり
かっこいいね~って
ジヒョク君はおばあさんたちにすごくモテてる。
ジヒョク君ひとりでも
きっと同じくらい楽しいよね…
一回そう思ったら
もうそうとしか思えなくなってきた。
それはどうやら表に出てしまったみたいで
「ん?どうしたの?今日元気ないよ~」
ってジヒョク君が心配そうに私の顔を覗き込む。
「思っていることがあるならちゃんと言って」
それはジヒョク君がいつもしてくれること。
ふたりの約束…
「なんだかひとりで楽しんでるように見えたから。
私は一緒にいなくてもいいのかなって…」
ふと
もっとやさしい笑顔になって
葉子と一緒にいるから楽しいんだとジヒョク君は言った。
「浅草寺に来たのだって理由があるし…」
私の目をまっすぐ見つめて。
何か見透かされているようでくすぐったかったけど、じっと
次の言葉を待つ。
「ふたりの関係がずっと続くようにお願いしようと思って」
友だちから縁結びだと聞いたらしい。
ホワイトデーにぴったりでしょ(*^^*)
ってジヒョク君は繋いだ私の手をぶんぶん振って
すっかり照れてる。
「あのね…」
言いにくいなあ
「ジヒョク君、ここは神様じゃないんだよ」
縁結びの神様がここにはいないと知って
もっとラブラブになりたいから来たのに…って
ジヒョク君はしょんぼりしてる。
そんな愛しい愛しいジヒョク君を
ぎゅっと私から抱きしめた。
ありがとう…大丈夫
神様にお願いしなくても
ずっとずっと一緒にいるからね。
…
水上バス
デッキで風にあたったり
ずっと向こうの水平線を眺めたり
ラブラブデートしようってジヒョク君の
ホワイトデーデートプランは浅草寺だけじゃなかった。
水上バスが横付けされたのは観覧車聳えるお台場…
浜辺を手を繋いで海辺のレストランへと向かう。
「葉子を喜ばせるプロだからね。俺は…」
ジヒョク君は得意げに
そう言った。
続く☆