②～
甘くて熱い夜から数日…
私は映画の撮影でひとりソウルへ旅立つ。
それから私は…
クロスのペンダント＆グレー長袖Tシャツのユナクさんが
｢10日も経てば僕も合流するからね。｣
ってやさしく頭をなでてくれたシーンを
頭の中で何度も再生して必死に寂しさに耐えたり
共演のソンジェさんが気を使ってくれてずいぶんと気が紛れたり
電話口でユナクさんにポロリとそのことを話してしまって
途端に不機嫌になったユナクさんに
｢ふぅんそうなんだあ｣って…気のない相づちを打たれたりします。
私は、こっちでソンジェさんがよくしてくれてるって言うと
ユナクさんが安心するかなあって思って言ってるのに
ユナクさんはますます不安になって行くんです…
ソンジェさんのことで…
そしてついに
｢予定より早く行けるよ明日行くからっ!!｣って
ユナクさんはもう我慢ができなくなって
釜山ロケからの合流が決まる。
やっとユナクさんに会えるという日
今日はなんだかうれしそうだね。ユナク兄さんが来るから？
ってソンジェさんから言われてて…
実はユナクさんも近づいてきているそのタイミングで
私はドッボーーンと海に転落してしまう。
…遠いどこかで誰かのくぐもった声がした。
温かい唇の感触に手繰り寄せられて
私は意識を取り戻す…
私の傍らには
心配そうなソンジェさんと二重に心配そうなユナクさん…
唇の主はソンジェさん。だからややこしいことになってしまう。
ホテルでシャワーを浴びたバスローブ姿の私を
抱きしめたままなかなか離してくれないユナクさんはとても苦しそう。
君が無事で本当によかった。
命を助けてくれたソンジェには感謝してる。
でも正直くやしかった。君を助けられなくて
君を助けたのが僕じゃなくて
それより何より…
唇を…
わかってる。
わかってるけど。
頭ではわかってるけど。
ああ嫉妬してなさけないよ。
わかってる
わかってるけど…
ソンジェと仲良くしてると苦しいんだ。
君がソンジェの話ばかりするから
気持ちが…その…
…傾いてるんじゃないかって
不安で不安でたまらないんだ…
信用されていないことがさみしかったから？
愛するあなたに届かないことが切なかったから？
｢疑ってるんですか？｣
その問いかけにあなたが答えてくれなかったから？
自分でもよくわからないまま
私はホテルを飛び出した
続く☆