③~
「心配で来ちゃった」
ソンモくんは耳元でそう囁いた。
来てよかったよ~
他の男に…ブツブツ
見られるだけでもいやなのに…ブツブツ
「えっ?今何て言ったの?」
「いや何でもないよ。何でもないんだけどね…
そうだな…」
ひとりで大慌てのソンモくんは思い出したように私にダメ出しをした。
「ずっと見てたんだけどね」
…ずっと見てたんだ(*^^*)
「まだまだだな
僕から言わせると不合格」
大人の女性のふるまい方の特別レッスンが必要だとか言う…
明日ここに来てねとメモを渡されて。
翌日
ソンモくんと私はリムジンに乗って
夜景がきれいな貸切高級レストランへと向かった。
初めてのリムジンにはしゃぐ私をたしなめたり
シャンパンの蘊蓄を語ってしまったり
ハッとしたソンモくんは
「なんだかレッスンみたいになってごめんね」と言った。
「…でもレッスンなんでしょ?」って聞く。
「本当は違うんだ」
ほら男女が2人っきりで
こうやって特別な時間を共有していることを指す言葉があるでしょ…
答:デート
初めからそう言えばいいのにな(*^^*)
おいしい食事
甘いデザート
たくさん食べてとソンモくんは自分の分まで私にすすめた。
ずっとじっと見つめられて…照れくさいけど
私も見つめ返してみる。
少しおっ(*^^*)てなった後、ソンモくんは
「いや…とても素敵な女性になったなと思って」
としみじみ言った。
仄暗い照明と夜景の相乗効果と
その時ちょうどかかった曲の雰囲気で
差し出されたソンモくんの手をすっと取ってしまう。
ダンスなんてできないのに…
「安心して…僕に身を委ねてくれればいい」
「上手だよ」
耳元で囁くようにソンモくんが導く。
吐息が感じられるほどに
ダンスをしている私たちの距離はとても近かった。
この手をずっと離したくない…
同じ思いなの?
絡み合う視線に体温は高くなっていくばかり。
ずっと思ってた
「ソンモくんは魔法つかいだね」
「葉子ちゃんにかかっている魔法は永遠にとけないからね。ずっとキレイでいられる…
もう魔法つかいは必要ない」
最後の言葉が引っかかって、もう帰ろうかって言われても
…はいって言えないよ。
ソンモくん
どうして今日誘ってくれたの?
…ソンモくんの答えは私の質問とどう繋がるのだろう?
答:「明日で最後だからね」
⑤に続く☆