⑥私の彼は超新星ソンジェ☆トライアングルラブ | S.E.C.R.E.T超新星☆アリスタのブログ

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超新星大好き‼ソンジェ寄り寄りのオールペン、アリスタです。
「私の彼は超新星」のイベントストーリーを小説風にアレンジして記事にまとめてます♪☆ゲーストーリーに基本忠実に…いいカンジに盛ったり妄想が渦巻いたり、アリスタバージョンでお届けしてます\(^o^)/

⑥~

広い店内を抜けた奥の個室に通されると
既にグァンスが待っていて静かにビールを飲んでいた。


名古屋出張から5日
何事もなかったように表面上は淡々と過ぎている。
でももう限界だった。


きちんと話さない?
そうグァンスに持ちかけたのは俺の方から…
昼間思い切ってメールを送ると時間と場所だけが返信されて来た。



「普通、待ってない?」


案内してくれたスタッフにビールを注文しながらグァンスの向かい側に座る。


「しらふで話せる自信がなかったから」


「あっ?そういう感じなんだ」


どういう感じで話すつもりだったんだ?
そう言われて冗談めかして肩をすくめて返した。
グァンスの真剣な眼差しは諌めるように鋭く俺を捕らえる…


「悪いけど、いつものソンジェさんとは話すつもりないから。自分の本心を上手く隠して冗談ではぐらかすこの前みたいに…」


グァンスの言葉を聞きながら、たまらなくなって少し目を反らす。
ビールの力じゃないよ。そんな勢い借りなくてもだよ。
この恋はグァンスをこんなにも饒舌にさせてる…



「…この前みたいに、ソンジェさんに秘書だっていう建前抜きで話すつもりがないなら、俺は飯食って普通に帰るから」



…この前。

この前とは名古屋での夜のこと。


あの夜
3人でひつまぶしを食べに行った後、どうしてもふたりきりになりたくて抜けがけみたいに彼女を誘い出した。


高層ビルの最上階のラウンジで
ビールをカパカパ飲み干しながら
何とか気持ちを伝えたくて
気持ちを探りたくて


…きっと今の目の前のグァンスのように。
俺は饒舌だったに違いない。


君の笑顔とか泣き顔とか困った顔とか
全部俺だけに見せてほしい…とかすらすら言えた。


俺のこと好き?なんて幼稚園生みたいな質問もして、恋愛感情としてはわからないとか言われながらも
それじゃあ準備しててよ。俺を好きになる準備……なんてことも余裕で言えた。


途中、グァンスからの着信に気付いたけどそのままにもできたし
ホテルの彼女の部屋の前で帰りを待っていたグァンスにちょっぴり勝ち誇ったような気持ちにもなった。そのままの俺。
ギクシャクしたままの俺たち…


大切な仲間とひとりの人を取り合う恋は
彼女抜きだと調子が狂う。
居心地が悪くてさっきからただそわそわと落ち着かない…



「ソンジェさんて、案外単純だよな」


「なんで?」


「ソンジェさんの言うとおり、先に挑発したのは俺だ。あの時葉子と…」



…『葉子』

呼びすてに敏感に反応する。



「…葉子と名古屋城に行った時にチャンスだと思った。少しでも気持ちの上でリードしたかった。」


「グァンスこそ昔から単純だよね」


「なんでだよ」


「その前に挑発したのは俺だよ?俺が彼女をちょうだいって言わなければグァンスの気持ちを乱すこともなかった」


「でもそのおかげで葉子への気持ちに気づいた。秘書としてなんか見てないって…」


グラスを開けて、通りかかったスタッフを呼び止めビールをたのむ。
何が怖くて今夜はこんなに止めどなくなんだろう…


「たぶん最初から、最終面接の前に会った時から…」


「グァンス覚えてたの?葉子ちゃんが転んだ時助けたこと」


すぐにグァンスはそのことをなんで知ってるのか聞いて来て、半ば強引に聞き出したことを伝えた。


あいつは何でもソンジェさんに話すんだな」


グラスに残ったビールを飲み干した後
さみしそうにグァンスは言った。
ソンジェさんには心を許してんだよ…
そう言われて素直にうれしくて思わず笑みがこぼれる。



「ソンジェさん、そんな顔すんだな。」


見たことのないような優しい顔をしてるんだそう…


「ソンジェさんはどうして葉子だったんだ?」


それからお互い、なんで君じゃなきゃだめなのかを打ち明け合った。
共通してるところ…
理屈じゃないってこと。
直感で好きだということ揺るぎのないこと靡かないということ。


「恋なんて理屈で説明できるもんじゃないしな」


「おっ?言うねえ」


茶化すなよと咎めるグァンスが怒ってないことは表情でわかった。


笑い合うほどに辛くもなる…俺たちふたりはそれほどの長い付き合いだった。





そろそろ先送りにしていることに向き合わなきゃだな…


もう何杯目かの空のスリムグラスをテーブルに置き、深呼吸をした。大きく深く。

小さく何度も頷いて自分で自分を納得させながら


「ありがとう」


グァンスに名古屋から言いたかった感謝の気持ちをやっと伝えた。



「ありがとう。海外赴任のこと、葉子ちゃんに言わないでくれて」



「俺が言うことじゃないだろ。葉子のこと本気で好きなら話せよ」


言われなくてもわかってる…そんな言葉を飲み込んで、話すよちゃんと
そう答えた。


海外赴任の話もして、自分の気持ちも伝える。それはもう遠い未来の話じゃない。


「俺も気持ち、伝えようと思う。ソンジェさんとこれからもこうして酒飲みたいから…だから自分の気持ち、ごまかしたくない。」



「俺も同じ気持ちだよ。…っていうか
グァンスがいなくなったら俺、心開ける友だちいなくなっちゃうじゃん」


「ソンジェさんは難しいからなあ」


久しぶりにこうして笑い会えた気がした。


まさか親友が恋のライバルになるなんて思わなかった。


だけど、だからこそお互い本気で。


こればかりは
恋の神様も予測しなかったでしょ…





⑦に続く



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