⑥私の彼は王子さま | S.E.C.R.E.T超新星☆アリスタのブログ

S.E.C.R.E.T超新星☆アリスタのブログ

超新星大好き‼ソンジェ寄り寄りのオールペン、アリスタです。
「私の彼は超新星」のイベントストーリーを小説風にアレンジして記事にまとめてます♪☆ゲーストーリーに基本忠実に…いいカンジに盛ったり妄想が渦巻いたり、アリスタバージョンでお届けしてます\(^o^)/

⑤~


「パーティ?」

「そう、パーティ」

休憩までずっと待っててソンジェさんはそう言った。


疲れたでしょ?とか
さっここに座って?とか
ジュース飲んだ方がいいよとか…
妙に甲斐甲斐しいなと思ってた後の
「一緒にパートナーとしてパーティに行ってくれないかな」だった。

王子さまとパーティなんて。

Tシャツとジーンズとスニーカーにエプロン、汗びっしょりな今だと全く想像できない。

「何か心配なことあるの?」

「心配なことだらけです。」

「俺がいるのに?」

そんなパーティで…ずっと私の隣に王子さまがいられるわけないし

そんな思いが見えちゃったのかソンジェさんは、ずっと側にいるから大丈夫だからねと言った。

「何着ていけばいいのか…」

「それは俺が全部用意する…はい、解決!」

それからあれこれ心配なことをあげるとソンジェさんはその度に次々と解決して行った。

「それだけ一緒に行ってほしいってこと」

断る理由を全部つぶしたソンジェさんは満足気にアイスコーヒーを飲み干した。
ふぅっと息を吐き出して続ける…

「…あのね。パーティに一緒に行くことになったからもう許してあげてもいいんだけどね」

「あの…一緒に行くって、まだ…」

ソンジェさんはこちらをキッと睨んでパンチみたいに拳を向けた。

「行きます。行きます。」

拳を受け止めた時に一瞬とろけた笑顔を見せてまたすぐに眉間にしわをよせる。

クルクル変わるこの表情が好き…
ソンジェさんの表情はいつも心そのものだった。

ホントはこれ言いに来たんだったってソンジェさんはこちらを向いて、私の肩に両手を置いて自分に向けた。

それは私のメールの返事がそっけなさすぎるということ。

『よかったです。次の講義に会えるのを楽しみにしています』

メールの私の返事を開いて差し出す。

何?これ…すぐに会いたいです!とかないのかなあ?って首を傾げる。


ソンジェさんの言いたいことはなんとなくわかった。
私はどちらかというとまだまだ受け身。
ソンジェさんの言うことを飛び越えたり逆らって気持ちを吐き出したり…
気持ちをぶつけ絡めることはしていなかった。

私はソンジェさんが好き。
その気持ちはもうすでにどうしようもなく膨らんでいた。でも…

ソンジェさんは?
ソンジェさんはどうなんだろう?

好意を持ってくれているのは感じるけれど…どこまでなんだろうって
確信が持てずにいた。

海辺への逃避行が見つかって、教授室での話の後で…ユナクさんがソンジェさんに言っていた「あの話」がすべての鍵を握っているんじゃないかな?

「『あの話』ってなんですか」ってソンジェさんに聞いた時に軽くかわされて…
それが一歩踏み込めない理由にもなっていた。

私たちはどこまで行くんだろう?
立場を越えてどこまでどうなっていいんだろう。

好きになればなるほど湧いてくる、ただ楽しいだけじゃない感情を持て余すたびに
期待してはいけないと自分自身でどこかブレーキをかけていたりもした。



そんな中迎えたソンジェさんの国の大使館のパーティーの日…

ソンジェさんプロデュースの私は、
シンプルな黒のドレスとシルバーで統一したアクセサリーに身を包み
ソンジェさんの腕に自分の腕を絡めて…
緊張でフラフラする身体を全面的に支えてもらって会場に足を踏み入れた。

息…ちゃんとしてる?って…
いつものやさしい眼差しで何度も私を見下ろすソンジェさんは王子の貴賓をたたえながら、キミが初めてのパートナー…なんて言う。

「あっ、パートナーを自分からお願いしたのは葉子ちゃんが初めてという意味です」

いつものからかうようなそぶりのない、そんな直球のひとことが胸を弾ませた。


…ユナクさんがソンジェさんを呼び出したのはパーティが終盤に差し掛かった頃

ひとりでゆったりできる場所に私を座らせると、すぐにもどるから…ってソンジェさんは階段を上がって行った。




同じ時間でも…

海辺の夕暮れ
看病をした夜
全快メールを受け取ったバイトの午後は、
ソンジェさんとの愛が育まれる時間だった。

ソンジェさんの隣で緊張しながらも誇らしかった私が会場を飛び出すまでの時間で
後悔することがあったとしたら
ソンジェさんにこっそり付いて行ったこと…

ユナクさんとソンジェさんの話を立ち聞きしたこと…


2階の奥の部屋の前で
くぐもった声の中から
私は『あの話』を必死で聞き取ろうとした。





⑦に続く






{6B1A5A97-0A67-4107-B65B-9F851D2350F6:01}