Wherever you are | S.E.C.R.E.T超新星☆アリスタのブログ

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超新星大好き‼ソンジェ寄り寄りのオールペン、アリスタです。
「私の彼は超新星」のイベントストーリーを小説風にアレンジして記事にまとめてます♪☆ゲーストーリーに基本忠実に…いいカンジに盛ったり妄想が渦巻いたり、アリスタバージョンでお届けしてます\(^o^)/


小さい緑の葉が柔らかく揺れる木々の並木を走り抜ける。


ストップモーションで浮かぶ記憶を押し込めながら…飛ばし気味で


こんなタイミングでFMの地方局からは、そのままそっくりウェディングソングになりそうな曲が流れて来た。




Wherever you are, 
I'm always by your side

Whatever you say, 君を思う気持ち

I promise you"forever"right now…♪





思い出すとまだ少し苦い記憶たちは連想ゲームのように彼へと届く。

この木々は桜…

この先はスタバのドライブスルー…

この交差点では…

そう、この交差点ではいつも当たり前のように彼のお財布が私の膝の上に置かれた。

お金を用意して、開いた彼の手のひらにのせるのは私の役目。

注文するのはいつも彼だった。


「桜の新作…ホット、ラージでひとつ。
それとアメンカンのホット…トールサイズでひとつ」


で、いいよな  みたいにチラッとこちらを見る。

決まって聞かずに注文すること…
でもいつもピッタリなこと…
それらに必ず私はじゃれるように抵抗してみせた。

「えーーー」

「ん?違うのがよかったのか?」

「いや…それで…。それがいいです。」

「じゃあ、えーーーじゃねぇよ…ふふ」


こつんと軽く

額を弾く



いつも満面の笑み…というのではなかった彼の

その時の弾けるような笑顔が好きだった。

「葉子の…一口飲んでやる」なんて、スッと奪い取るいたずらっ子みたいな笑顔も大好きだった。



…ドライブスルーゾーンに入ろうとして、慌てて駐車スペースへと進む。

ひとりでも、今日だからこそあの席に座らなきゃ

身体はひとりでも心にはいつも彼がいる。

涙がひとすじ…

ひとりにはもう慣れたはずなのに

流したままにして車を降りる時についでみたいに素早く拭った。




思い出の席は一番奥の、ちょうど要のような立派な円柱の影


あれ?

席がない…?

あそこじゃないとダメなのに…






い。    …おい!


…葉子?


葉子‼︎




えっ?




「えっ?じゃねえよ。ほら」


「…グァンス⁉︎」


「…?」


ポケットから出したハンカチを私に渡そうとしたけど、グァンスは結局自分が私の頬にハンカチを当てた。


「ふつう、寝ながら泣くか?」


「えっ?寝てた?私が…?」


「ああ…」


ハンカチを畳み直して今度は私の右側の頬をやさしく辿る。


「疲れてるみたいだな…とは思ったけどな」


拭かれるままにしとく…


「今日はグァンスのお財布が膝の上にないからドライブスルーはやめた」


「なんだ?それは」


「でもグァンスの誕生日だからやっぱりスタバには行かなきゃでね…スタバはグァンスで、グァンスはスタバだからね…」


「うん…来てるよな」


ホントだ。


スタバのいつもの席…


小さな出窓から駐車場のグァンスの白い車と桜並木が見える、ふたりのお気に入りのいつもの席…


要の太い円柱は賑やかな音だけ届けて
私たちをいつものようにふたりきりにした。


夢と現実の狭間でキョロキョロ…


いったい今はいつ???


離れる前?


離れた後?


さっきの夢の中は離れた真っ最中だったはず


「今日は私の車で…ひとりで…」


「ああ」


半分寝ぼけた私の夢の話を聞き流しつつ
彼は下を向いてごそごそ…


ごそごそ…




Wherever you are, I'm always by your side

Whatever you say, 君を思う気持ち

I promise you"forever"right now…♪




目の前にいたって
いなくたって
どこにいても私はあなたが大好き


聴きながらぼんやり目の前の彼を見る。


顔を上げた彼と目が合う。


一旦目をそらして彼は軽く咳ばらいをした。


「本当は2年前に言いたかったんだけどな… …言えなかった」


「ちょ…ちょっと待って…今いつだっけ?」


「2018年4月22日」


伸びかけの髪に手をやりながら…


どうして今なのか
どうしてここでなのか
どうして私なのか


いつもの10倍しゃべって彼は小さな箱を差し出す。


そっと綺麗なリボンを解いて


蓋を開けて


彼は私の左手を取って薬指に指輪をはめた。


大きな手…


この手の感触が好きぬくもりが好き匂いも好き…


ポカンと口を開けたまま


私は大事な言葉を聞いた。


「俺のお嫁さんになってください」


スタバでプロポーズなんて…


もう円柱に隠れてKISSするしかない…


テーブルにもイスにもぶつかりながら
むりやり素早くグァンスの膝に向かい合わせでガバッと座った…







「2年前、葉子が俺に言ったこと…覚えてるか?」


帰りの車の中で私の左手はずっと彼の膝の上…


時折トントンと指輪に触れながら前を向いたままグァンスは入隊する前の話をした。


「覚えてるよ」


「今よりもっと…2年後は…何だったっけ?」


「『綺麗になってる』です。」


「うーん…まっ、なってるな。それと二つ目…今よりもっと?」


「『優しくなってる』……優しくなってるでしょ!」


「うん…なってる……かな?」


「なってないの?」


「なってるなってる。ふふ…最後のひとつは?大きい声で言って……2年後は?今よりもっと?」


「愛してる!」


「おお~大きすぎるぞ…」


「グァンスは?グァンスはどうなの??」


「俺か?…俺も…」


「待って!アレ言って。アレが好き…」


「アレかぁ?」


ちょうど赤信号


ちょうどKISS


赤信号でKISSする習慣は付き合ってからずっとそのままだった。


離れた彼の唇は頬をかすめて私の耳元へ…


青信号になるまで焦らされて…




とびきり甘い声がやっと届いた。




「昨日より もっと 愛してる」





END



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