トップロープからニップレス(ツープラトン)

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愛犬とアロマテラピーとモンスターロシモフのお話

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ぎゅうぎゅうに客の乗ったアメリカからのお下がりのスクールバスの中で、
唯一の中国人(きっとそう思われていただろう)の俺は、
周りの客からの熱烈な視線と質問攻めを受け、
その気まずさを少しでも紛らわそうと外を眺めていた。とにかくいろんな意味でアツい。
うっかりバスの中に忘れ物をしてしまったったとき、わざわざバスから降りて走って届けに来てくれる若者、
人々の見せる絶え間ない笑顔。
どうやらこの国に対しても大きな誤解があったようだ。やたら優しい。

しかし、どうしてもこの国のイメージとして残ってしまう負の歴史。


長期にわたり続いた独裁政治、サンディニスタ民族解放戦線による輝かしい革命からその後の失脚。
アメリカによる経済制裁からの冷戦末期の代理戦争とも言えるコントラと革命政権によるニカラグア内戦、
停戦後も続く腐敗政治。
繰り返される歴史にいったいどれが正しいのかさえ解からなくなってくる。

未だに過去の傷を拭いきれず、中米最貧国と言われるニカラグア。
かつての10000%を超えるインフレ率のような狂った時代ではないが、
ツーリストがこぞって避けるマナグアなどの治安の悪さというものを考えると、
まだまだ国民の貧富の格差は深刻のようだ。
グラナダでは感じる事はなかったが、
マナグアではソレを象徴するような殺伐とした風景が広がっていたように感じる。



かといって、自分の目で見たニカラグアという国はそんな『負』の部分ではなかった。
おっちゃんたちは今日も玄関先でロッキングチェアでのんびりと揺られていた。
日本人の俺があれこれ考えるのは単なる余計なお世話なのかもしれない。