おばけのブログだってね、

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The 25th Anniversary of Formation

『きのこ尽くし2023』



①キノコソング ②胞子を飛ばせ ③小さな宇宙人 ④松茸ティーチャー⑤炎のカエンタケ ⑥かっぱのシイタケ販売 ⑦食べられません 

全7曲収録 ¥1000(税込・送料別途)


★2023年度版きのこCD★
妖怪プロジェクトのきのこの曲ばかり集めたCDです。昨年度版のラインナップに新曲「かっぱのシイタケ販売」を追加しました。
*こちらはCD-Rになります
*「かっぱのシイタケ販売」以外は2022年度版と同じトラックになります


その他ちび妖怪3匹Tシャツトートバッグかっぱ三助タオルなど

お求めはこちら↓


■イベント情報

深川お化け縁日2024春の陣

5月5日(日・祝)
資料館通り商店街(白河三好3丁目付近の路上)にてストリートライブ
11時~16時(小雨決行)

■キノコソング新曲『炎のカエンタケ』

炎のカエンタケ(YouTubeで観る)

■お風呂ぴかぴか『垢なめさんにご用心』

垢なめさんにご用心(YouTubeで観る)

■あの世へひとっ飛び♪『浮かれ小町がお連れします』

浮かれ小町がお連れします(YouTubeで観る)

■アマビコ、アマビエに続く第三の予言獣『アリエ』

アリエ(YouTubeで観る)

■キノコソング『食べられません』

食べられません(YouTubeで観る)

■ステイ・ホームの曲『ざしきわらしのお願い』

ざしきわらしのお願い(YouTubeで観る)

■『かっぱもやってるくねくね体操』

かっぱもやってるくねくね体操(YouTubeで観る)

■キノコソング『小さな宇宙人』

小さな宇宙人(YouTubeで観る)

■キノコソング『胞子を飛ばせ』

胞子を飛ばせ(YouTubeで観る)

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おばけのブログだってね、

2020年12月末に配信終了となった『携帯サイト新耳袋』。

11年間に亘り連載していた短編、『かっぱの妖怪べりまっち』は、第563回で終了となりました。

当時の掲載作を週1編ずつこちらのサイトへ転載しています。

※131~174話まで、43話から登場したオリジナル妖怪たちのエピソード続編となります※

 

妖怪も欲しがるパワーフード「万力豆」その後の話

以前、河童が相撲をとる前に食べる『万力豆』を紹介した。

茹でて食べればパワー全開、でも、にんげんが食べてもおならが出るばかりだから、みんなに勧められなくて残念だ。

 

この夏も『万力豆』のタネをかっぱ農園の隅に蒔いた。

日本酒とお塩をたっぷり掛けるとみるみる大きくなり、3日後には収穫可能になる。

ところが数日後、農園に行ってみるとつるは伸びているが肝心の豆が見当たらない。これはどういうことだ?

かっぱは『万力豆』の実を探して天高く伸びたツルを登っていった。

雲の上では、首の長い大入道が次々と『万力豆』をもぎとり、その横で奥さんのろくろ首が豆を茹でている。

無断で取るなんてひどい、かっぱは、茹でたての豆を口に放り込み、大入道の頭だけを抱えて地上へと飛び降りた。遅れて転げ降りてきた大入道の胴体を、かっぱは『万力豆』のパワーで軽々と投げ飛ばした。

 

大入道は、『万力豆』で豆腐を作り、孫の豆腐小僧に食べさせようと思ったそうだ。喧嘩が弱くて泣き虫の豆腐小僧、果たして『万力豆』豆腐で強くなれたのだろうか。

結果、力は出たけれど、気の弱いところはそのままなのでやっぱり負けて帰って来たそうだ。

2020年12月末に配信終了となった『携帯サイト新耳袋』。

11年間に亘り連載していた短編、『かっぱの妖怪べりまっち』は、第563回で終了となりました。

当時の掲載作を週1編ずつこちらのサイトへ転載しています。

※131~174話まで、43話から登場したオリジナル妖怪たちのエピソード続編となります※

 

古い文学書を決して手放さない「本の虫」その後の話

家にあった古い本を売ることにした。

にぎわう商店街の裏路地に小さな看板が出ていて、そこに"ブック・バグ"とある。この古本屋は初めて来た。

中に入るとひどくホコリ臭い。棚を見ると古い本ばかりが並んでいる。店内は静かだが、どこからかカサカサ、という音がする。裏で本の整理でもしているのだろうか。

かっぱが入って行っても、店員さんは読書に夢中で顔も挙げない。小柄な店員さんはカウンターの向こうで涙ぐみ鼻をすすっている。本に夢中のようだ。

かっぱは、自宅から持ってきた本をカウンターに置き、買い取りを頼んだ。店員さんは渋々、読書を中断して本を値踏み始めた。

今回持参した中には某KH氏といった人気作家の話題作もあるので、きっと高値が付くはず。かっぱもお財布を開いてウキウキしながら店員さんの計算を待っていた。

するとその店員さんがおかしな事を言う。

こちらは新作なのでタダ同然になります、そのかわり、この古いグリム童話集は高値で買い取らせていただきます。

かっぱが小さい頃に買ってもらった童話集は、落書きだらけでボロボロ、値段が付きそうもなかったが一応持参したものだ。普通は新しいほど高値が付くのに、と思いながら受け取ったお金を財布にしまい、店を後にした。

数日後、古本屋の前を通りかかると店先に人がたかっている。狙いは100円均一ワゴンで、そこには新作や人気の話題作が無造作に投げ込まれていた。かっぱの売った某KH氏の最新作もそこにあった。

入り口と相反して静かな店内でかっぱは江戸川乱歩の名作を見つけ、カウンターに持っていくと先日の店員さんはちらりと本に目をやり、これは売りません,と言う。これまたおかしな話。なんで?と訊くと、売ってもいいけど100万円だよ、と怒った顔で言う。むちゃくちゃだ。

そんなお金ないよと言ってかっぱは店を出た。

 

以前、『本の虫』という妖怪を紹介した。

古い本に潜む妖怪で、読書好きな子供が化けたのだろうと言われている。『本の虫』は昔の純文学が好きで、図書館ではカサカサと音をたてながら古い本をかじっているのをときどき見かける。

果たして、このおかしな古本屋と『本の虫』と何か関係があるのかないのか、今度また調査に行ってみるつもりだ。

2020年12月末に配信終了となった『携帯サイト新耳袋』。

11年間に亘り連載していた短編、『かっぱの妖怪べりまっち』は、第563回で終了となりました。

当時の掲載作を週1編ずつこちらのサイトへ転載しています。

※131~174話まで、43話から登場したオリジナル妖怪たちのエピソード続編となります※

 

女子の新しいペット妖怪「へそさぐり」その後の話

へそにぶらさがって、少しずつ体温を奪う小さな妖怪『へそさぐり』。

この妖怪は甘えん坊で、誰かの体温を感じていたいからへそに潜り込むんだと説明したところ、可愛い!母性本能をくすぐられると女子人気が急上昇した。ぜひ『へそさぐり』に来て欲しいとおへそを出すファッションも流行する。

その反面、下痢気味の男子からは酷評だった。お腹が冷える、どうしたら離れるかと問い合わせがきた。

 

前回、トンビをお腹に乗せれば『へそさぐり』から解放されると言ったところ、あの大きな鳥がお腹に乗るもんか嘘つき河童め!という辛辣なご意見をちょうだいした。

確かにかっぱも人から聞いた話だし、自分で試してみないと、というわけでトンビの好物である油揚げをお腹に広げて農園のど真ん中で大の字になって待つと、裏山からピーヒョロロと声がする。油揚げを目指して急降下のトンビ、油でぬるぬるのかっぱのお腹の上でバリバリと数回足を滑らせ飛び去った。

渦中の『へそさぐり』はかっぱのへその奥ですやすや寝ていた。

 

ミミズ腫れのお腹を抱え、あれは迷信でしたと謝罪したところ、ふざけるな他に方法はないのか?と『へそさぐり』をぶら下げた男子から詰め寄られて苦し紛れに

「おへそにお灸をするといいかも」とデマカセを言ったところ、パタリと苦情が止んだ。

どうもそういうことだったようだ。