小学生の頃の私は、いつも「(4歳の時別れた)母親に会いたい」そんな事ばかり考えていました。
何故なら、育ててくれていた父親側の祖母は、私が母(祖母にとっての元嫁)に会いたいと思っている私をとても嫌がり、
また孫を預かった以上、責任やプレッシャーもあったのでしょう、
私の顔を見れば、いつも何かにつけて小言が絶えませんでした。
理不尽なことで怒られてばかりの私は、
「今日はちゃんとするので、怒られませんように!」と毎日神様にお願いしながら小学校から帰る日々を送っていました。
祖母は、私が大人になってから一人暮らしをしても、仕送りや野菜を送って来る事など一切ありませんでした。
そして、時々会いに行っても私の顔を見ればピリピリしたオーラを放っていたので、なかなか甘えるような事が出来ませんでした。
しかし、何かプレゼントを送ると、いつも喜んで電話や、お礼の手紙やハガキを送ってくれました。
私が34歳の時、祖母は亡くなりましたが、
亡くなる前、ボケてしまった祖母は、ニコニコして今まで見せたことのない穏やかな笑顔を見せてくれた事を覚えています。
特に、祖母から手を握って来てくれた時は、初めて味わう優しさに、とても不思議な感動がありました。
調子に乗って、写真などを見せて記憶を思い出させると、急に怖い顔をして「早く帰りな!」とハッキリした口調になりました。
思い出してくれて嬉しいような、寂しいような気持ちになった事もありました。
その時私は思いました。
祖母は、私達兄弟(孫)を預かった時から、自分が先に死んだ後も孫達が強く生きていけるようにと厳しく育ててくれたのだと。
そして、ボケてしまってもなお、私には最後まで厳しく育ててくれたんだと。
私は祖母のおかげで、今では周りに助けてもらいながら、何とかぼちぼちやっていけてます。
だからもう、何も心配しなくても大丈夫だからね。
天国でゆっくり楽しんでください。
おばあちゃん、ありがとうございます。
出てきたハガキも久しぶりに読ませていただきました。本当に育ててくれてありがとうございました。
感謝しています。
由実子より。