故立川談志師匠の落語を聞いていた。
人を食ったような軽快で毒気たっぷりの長ったらしい枕から、小火の始まりのような気だるい入りで、落語の途中に時代背景とはいえ茶々を入れ、あちこちそちこち筋は外さず飛び火させ、気付けば誰も手のつけられないような大火事に。
め組の出処も見つからない。
さぁさどうするんだ。広げに広げ切ったその大風呂敷。どうあっても綺麗な収まりなど想像もつかないところに、脳天を割るような勢いで、目の覚めるようなオチ。
枕での皮肉たっぷりの表情とは裏腹に、拍手喝采の幕引きへ、どこか小っ恥ずかし気に客席へ向けてよせやよせやと小さな手振りをする仕草があんまりにも可愛いもんで。
恋煩いだなぁ