【総まとめ①】全通の条件と心得 | 全通しないけどBlog

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もう全通しないけど、アーバンギャルド全国ツアー2016
「昭和九十年、そして昭和九十一年」の交通手段をまとめるBlog。


最後の遠征、さっぽこも終わりましたので、

これから渋谷ファイナルに向けて、総まとめを書いていきます。



予定は全5回。


①全通の条件と心得

②全通予算と実際の経費

③遠征計画の立て方

④恋革ツアーの感想

⑤ブログを書いた理由













まず第1回は、


全通の条件と心得


という、ドヤ感全開のタイトル。











「何の仕事をしているのですか?」




ツアー中、何度かこの質問を受けました。


やっぱり社会人でこれだけスケジュールを寄せてくる、というのは

なかなか数奇なところがあるのでしょうかね。





アーバンに限らずバンドを追いかけるファンにとって、

全国ツアーの「全通」というのは、憧れの体験です。


私も病気ツアーのとき、そういう想いに駆られて行動を起こしました。

2012年4月15日の仙台ファイナルの達成感は忘れられません。






ただ、


それが特別な行動というわけではないというのが、

経験者の感想です。






一定の条件を備えれば、

誰でもできることです。












全通の条件 #とは










全通するにあたって、

しばしば口にしていることがあります。





それは、



1.お金


2.時間


3.体力


4.熱意




この4つが揃っていないと、

全通なんて絶対にできない、ということ。











1.お金


次回の総まとめで詳しく書きますが、

当然のことながら、まとまったお金が無いと全通は無理です。




2.時間


ピンポイントで特定日に時間を作ったり、集中して何日も家を空けたり。

そんなことをしても周りに迷惑をかけない生活も必須条件です。


ニート、フリーター、もしくは出席の厳しくない学生がこれに該当しますが、

社会人でも私のように、そこそこ時間の融通が利く仕事もあったりします。



仕事についても後述。




3.体力


お金が有り余っているなら、全ての移動を新幹線ですればいいと思います。

時間が有り余っているなら、移動日や休暇を設けてゆったりと追いかければいいと思います。


でも実際にはそうじゃない人がほとんどなので、鈍行列車で費用を抑えたり、

車中泊をして、遠征帰りでそのまま仕事に向かったりしなければなりません。


眠いとか疲れたとか、言ってる暇はありません。




4.熱意


あんなに愛したアーティストへの想いも、

お金も時間も体力も削がれ、次第に憎しみへと変わっていき、

遂にはダークサイドへ堕ちていく常連ファン。


全通にはそんな落とし穴が潜みます。


「熱意」と書きましたが、それは「こじらせ」と同義語ではありません。

損得勘定や妬み嫉みに支配されない、こころのゆとりも全通には必要です。



ハッキリ言えば全通なんてお金と時間の無駄。

だからこそ、下らないことを全力で楽しんじゃう遊び心がとても大事です。


















個人的には、


最後の「熱意」で書いていることが、


とても大きな比重を占めています。




お金とか時間とか、外的要因はいくらでもなるものです。


体力なんて、レッドブル飲んどきゃ翼は授かります。








全通は、


肉体的経済的に成し遂げられるかどうかよりも、


最後まで楽しめるか、が最も難しいのです。







じゃあ、どう心得て挑めば良いのか。













全通の心得 #とは










まず、



全国ツアーは地方のファンのための「巡業」です。



チケットは誰でも購入できるし、

お金を払っている以上、住所でファンが区別されることはありません。



それでも全国ツアーというのは、

普段来れない地方ファンのための、「巡業」だと思っています。


渋谷のライブを「巡業」とは呼びません。

そのスタンスの違いは、心得ておかなければなりません。




巡業なので、


いつも通りのライブが開かれる。


当然のことです。





巡業なので、


定番曲でまとめたセトリで行われる。


当然のことです。





巡業なので、


いつも渋谷のライブに来ているファンにとっては、物足りない。


当然の、ことです。






まれに、


「お金と時間をかけて来ているのだから、それに見合うライブが観たい」

ということを言う、残念な遠征ファンの方を見受けます。


本人に悪意は無いのでしょうが、

遠方から来たあなたを中心にライブは開かれておりません。






地方ライブの9割は、いつも通りです。


残りの1割に、普段とは違うハコや客層、ご当地でしか聞けないMCなど、

地方ならではの面白さが詰まっています。




どれだけコストをかけたとしても、


遠征ファンが得る対価は、1割です。






その1割が、楽しいのです。










次に、



全国ツアーは、「ツアー全体でひとつの催し」です。



アーバンのライブは、何度行っても楽しいです。


それでもやっぱり短期間に何度も観ていれば、飽きます。

特に全国ツアーは同じ構成のライブを繰り返すので、気持ちが間延びします。



でもそれは、全国ツアーでは当たり前のこと。


お客さんの大半は、その1回の公演だけを観に来ている人ですし、

メンバー側だって、タイトなスケジュールで色々やれというほうが難しい。





しばしば、


「セトリが変わらなくてつまらない」とか「MCが同じネタで飽きた」とか、

ツアーを何か所も周るファンがこんな感想を口にします。


本人に悪意は無いのでしょうが、

何か所も周るあなたを中心にライブは開かれておりません。





ものは、見方です。


全体を眺めたり、各回ごとに違う演者に注目してみたり、

各回ごとの違いを探したり、逆にMCなんかは時系列の繋がりを見つけたりetc。


1回のライブを観るだけでは味わえないような楽しみ方ができるのが、

全国ツアーの醍醐味、全通の醍醐味です。






全国ツアーは、成長をします。





















最後に、







全通は自分自身の勲章であり、他者に誇るものではありません。



全通は、己の挑戦です。


「人生で一度は、初日の出を富士山の頂上で見たい!」

個人的には、そんなような感覚に近しいです。



ありがたいことに、労いの言葉をいただくこともしばしば。


しかし時に、他のファンとの比較に用いる論調に巻き込まれることがあります。

この場ではっきり書きますが、それは自分の本意とするところではありません。



「ライブにたくさん参加するファンが偉い」とか「バンドにお金を落とすファンが偉い」とか

そういった主張をナガナガと説かれたことがありますが、意味不明です。


本人に悪意は無いのでしょうが、

ファンが偉くなることを目的にライブは開かれておりません。




もしいま、このブログを読んでいるあなたが


アーバンのライブに一度も行ったことがなかったとしても、

アーバンが好きであれば、あなたと私は同じです。


つまり、ただの1ファンということです。









TOという単語が嫌いです。

そういう単語を発する人間も嫌いです。

自称している人間はもっと嫌いです。


あなたと話しているのは社交辞令です。

ご縁はありません。































最後になりましたが、私の仕事の話。




私は、サービス業の事務職で働いています。


一般的な仕事は月~金に働いて土日祝が休みですが、

サービス業は曜日に関わらず働きますので、平日ライブも苦になりません。


また販売職や営業職の場合は、土日こそ勝負!となってしまいますが、

事務職はその裏方なので、仕事さえ片付けていれば土日でも休みは取得できます。


そしてシフト勤務なので、同僚と調整がつくのであれば任意の日に休めます。



あ、正社員ですよ。新卒入社の。






ちなみに、あんまり働いていないと思われるのもイヤなので弁解しますが、

有給休暇はほぼ使わないので、これだけライブに通っていてもしゃかりき働いています。


去年も今年も、有給休暇を取ったのは夏休みに3日と、健康診断の日の午後休だけ。

常に有給休暇は30日以上も塩漬けでほったらかされています。



むしろ、


有給休暇も使わないし、

出勤すべき日はどれだけ過酷なスケジュールを組んでも遅刻せず出社するので、

その代わりシフト希望は懇意にオナシャス!という状況です。







バカみたいにライブに足を運んでいますが、


だからと言って、特に恵まれた環境にいるわけではありません。

仕事も一般的ですし、経済的にも世間のアラサーと大差はありません。


ただ、自分のやりたいことをやるために、

努力をしたり、我慢をしたり、代償を払ったりはしています。



全通は、そうした上に成り立っています。










ひとつだけ、恵まれていることを挙げれば、


上司が優しいことですね。