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フルチャージで★いざ参る♪

色々話題を変えながら最近は読書感想文

話が進むにつれて、タイトルが凄く効いてくる話だった


ずっと結衣子は何枚も積み重なった布団でも感じ取れる豆の違和感を抱きながら生きていた


その豆の存在が明確になっても、おとぎ話のお姫様のように幸せにはなれず深い疑問にかられる

『本ものって何ですか』


『本ものって何ですか』

これは結衣子以外の家族も自分自身に問うことはあったのだろうか

きっとあったと思う

そして、それぞれどんな答えを出してこのようなことになったのだろうか


失踪前の万佑子が広恵の話をすぐに信じ、広恵や奈美子とそして遥と過ごすことを受け入れその生活をよく続けていたな、という理解しがたい部分は、案外子どもってそうなのかな、そうなってしまうのかな、と思わなくも感じさせる流れは掴めた


私は本当の万佑子の方が理解しがたいかもしれない

度胸ありすぎでしょ!!

ここが本当の自分の居場所、疑われているのを感じていたからこそ証明したい!と強く思えたのだろうか、相応しい言葉かはわからないがとんだ子どもだ


やっぱりどうしても思ってしまうことは、一番家の中で結衣子が万佑子を疑ってたのはみんな知ってるはず、結衣子にこそ本当のことを話し「あなたの本当のお姉さんはこの万佑子ちゃんなのよ」って説明しなくてはならなかったのではないか


何故両親は黙っていた、いや隠し通そうとしたのか、結衣子を子ども扱いしすぎたのか

まぁだからこそのストーリー展開なわけなんだけれども


お母さんも、万佑子がいなくなり行動がおかしくなっていくほど大きな悲しみを背負って、そして実は8年暮らしていた娘だと思っていたのは我が子ではなかったとの事実をぶつけられ、相当処理出来ないことだったのではないか、しかも誘拐の動機も動機だし


これはお母さん目線での話も書いて欲しいな、と思った

不審者探しや猫探しあたりは深くいらないので、万佑子が見つかり岸田広恵が現れてからの話をメインにしたスピンオフ的なの書いてくれないかな〜

それほど広がる話じゃないのかなw




これも原作はまだ読んでない


この作品は好きな作品の上位にあがるかもしれない

リアルにありそうな所が事件そのものより事件を巡る周囲の人物がリアルで、面白い話ではないが人間心理を上手くついてて面白かった


赤星の薄っぺらさ加減、最後は秀逸だった

美姫のことを追いかけつつも本当に興味があったのは美姫ではない

Twitterの盛り上がりに調子に乗って、チャンスを逃したくないがためのそれだけの男


保身のために都合のいい嘘をつく奴、ここぞとばかりに首を突っ込む奴、自分の解釈でそれが正論のように無責任なことを言う奴、ネットで勝手に盛り上がるやつ………


私だったらどの立場に立ってしまうだろう

美姫や典子との関係性にもよるだろうけど、少しでも知ってる関係性があれば…


このリアルさがとても面白い作品だった






最後のテロップ

赤星雄治 無関係

に、わからない何かがグサッと刺さった





楽園・約束・太陽・絶唱の4章からなるこの小説


まず絶唱の章について話したい

内容ということではなく、これまでにこんなに小説を読んで共感したことはない!という位共感した箇所があった


土居千晴は湊かなえさん本人とも取れる人物

その土居千晴にとてつもなく共感した

ということは湊さんもそうなのか?それとも小説家としての想像力なのか?

私の胸はとてもざわついた

結構沢山の人が抱く感情なのかもしれないなとも思った


それはP298(教科書かw)

土居千晴は、所属するグループのメンバーはいつも最少三人

三人仲良くてもそのうちの二人は特に仲がいいという構図が出来てしまう

「泰代の親友は静香で、静香の親友は泰代

。わたしは+1でしかないのだ」(抜粋)

めちゃくちゃわかる

それ私もずーーーーっと長い年月思ってた

「親友になりたい人と出会い、仲良くなれても、その人はきっと、別の人を一番の友だちに選ぶに違いない。そう思い続けているうちに、傷つく前にこちらから一歩引いておくという安全策を無意識のうちに取るようになったのだ」(

抜粋)

何?何?これ書いたの私?笑


本当にそう思いたくなる位気持ちが高ぶり速攻でアンダーラインを引いた


私がもっとこの先を続けるならこうだ

「あなたはユカタロスさんと友だちですか?と聞かれたら『友だちというか、○○で一緒でした』とか『まぁ、知ってますね』みたいな答えを出す人が殆どではなかろうか。その中でも『はい』と答えてくれる人は何人かはいるだろう。しかし、『あなたの友だちは誰ですか?』と聞かれて私の名前が出てくる人は一人もいないのではないだろうか」


この小説から抜粋したことからここまでの流れは時折私の頭の中を巡ってきた


別にそんな自分をどうのこうのと語りあげるつもりはさらさらない


ただただ、自分の心のうちを活字で目にしてしまった衝撃が抑えきれなかった


さて、他の章含め絶唱の感想を改めて残せるかどうかはまた私の気分次第w