第2回 ORIGINE KOBE 講習会 2016 | ボヌール☆花粉 松本由紀子オフィシャルブログ



去る6月7日、2016年「第2回 ORIGINE KOBE 講習会」を開催させていただきました。

ご参加くださった皆さま、ありがとうございました。


2016年第2回目の講師を務められたのは、

MOTOMACHI CAKE kobe 1946の大西達也シェフと、ラヴニューの平井茂雄シェフ。


今回はプロ向けの講習会ということでパーツも多いので、

4時間内で終了するか心配をしていましたが・・・
そこはさすがプロ向けの講習会にも慣れてらっしゃるチャンピオンのお二人!

ほぼ時間内で、このように4品を完成させてくださいました。





大西シェフの1品目は「アールグレイショコラ」


実はこのお菓子は、大西シェフにとってとても想い入れのある一品。

修業時代、初めて自分で考えたこのお菓子がショーケースに並び、

お客様に美味しいという言葉をかけていただいたという想い出の一品なんです。


当時はティーカップの形をしていましたが・・・今回再現するにあたり、

昨年見事優勝を果たしたシャルルプルースト杯の賞品だった型を使い、

オシャレな2016年バージョンに仕上げてくださいました!


ビスキュイ ダックワーズ、ロイヤルティーヌ
ジュレ フワンボワーズ、フワンボワーズのクリームを
ムースショコラ・オ・テで包みこんで。

ホワイト&スイート2色のパータグラッセをマーブル状にしてかけ、
フランボワーズジャムなどでデコール。





フランボワーズのジュレとクリームの2層を重ねて。


ジュレは一部のみに熱を加え、加えないものと合わせることでフレッシュ感を残して。

クリームにはグルマンディーズフランボワーズ(濃縮果汁)を加えることで、

鮮やかな色に仕上げられています。





カカオバリー社のアルンガ(カカオ分41%)とプラリネアマンドを合わせた

ロイヤルティーヌを、ビスキュイ・ダックワーズに重ねて。





ムースショコラ・オ・テは、アールグレイの茶葉を5分間アンフュゼ。

アルンガ(カカオ分41%)に、さらっとした生クリームなどを加えた

ミルクチョコレートのクリームと合わせ、、シリコマート社の型に流していきます。







ムースショコラ・オ・テに、ジュレ&クリームフランボワーズを沈め、

再度ムースショコラ・オ・テを絞り、ビスキュイ・ダックワーズで

少しムースの縁が上がる位に蓋をして。

逆さに仕込んでいくわけですね。





固めると、このような雪見だいふくのような(?!)フォルムに。


でもこれで終わりではありません!






カカオバリー社のパータグラッセ イヴォワールに、

少しパータグラッセ ブリュンをマーブル状に混ぜ合わせて。


出来あがったムースを、上部が少し丸く残るようにパータグラッセの中に沈めて、

ゆっくりと引き上げ、ボウルの端で余分を落としていきます。

思わず息を止めて見つめてしまう、一発勝負の工程です!





一つずつパータグラッセのマーブル模様の表情が少しずつ異るのも可愛い、

このようなビジュアルに仕上がります。

断面も美しい層状に!


20年前にはまだなかった型を使い、初感動を与えてくれたお菓子が

オシャレな姿で見事に復元されました!

さらにデコールした完成形は後ほど。


このフォルム・・・オリジンコウベファンの皆さまは見覚えがありますよね!?

そうです!2015春夏コレクション「エレガンスで、

大西シェフが使われた型がこちらだったんです。

とってもキュートなフォルムで、私も大好きなんです♡





大西シェフの2品目は「ジンジャーフルーツ」

以前はお店の商品として販売されていたそうなんですが、
現在は販売しておらず、改良してまた販売されるかも!?

という幻のケークでした。

最近大西シェフは、このような改良版を沢山輩出してらっしゃる気がします。


シュガーバッター法で、全ての材料をあわせていくのですが、

最後にレーズンを加えた後はこのように手で混ぜ合わせて。

なぜなら、これでもか!っていうぐらいの量、レーズンが入るからなんです。

その量なんと・・・全量の1/3以上!

素材別で言うと、断トツで一番多いんですよ。


ブランデーで2~3ヶ月漬けこんだものを使用するので、

優しく潰さないように混ぜ合わせていきます。

あまりに量が多いので、カットが困難なほどなんだそう。






素材の中で特徴的なのが、新生姜!

普通の生姜ではなく、やはり新生姜がお薦めだそうです。


あと、私が気になったのがチーズ。

エダムチーズの粉末が入っているのですが、
コクと塩味のアクセントになるのかな?!

お砂糖に上白糖が使われているのも、

昔のルセットっぽいなぁ。。。





今回の試食分は、出来あがってから1週間寝かせたものを。

1週間でも、かなりしっとりとマイルドに渾然一体となっているんですが、

大西シェフのお薦めは2週間熟成させたものだそう。


今流行りの熟成スイーツが、昔にも存在したんですね!

お店で販売されるようになったら、絶対購入して2週間熟成させたいなぁ(*ˊૢᵕˋૢ*)


大西シェフって、普段はふんわりした雰囲気で、大声を出す方ではないので

講習会も緊張して、小声で早口になってしまうんですが...

去年よりも凄く聞きやすくなったと大好評でした!

説明も丁寧で分かりやすく、しかも全てにおいてきっちりと計量される姿が印象的。


オリジン講習会は、シェフの皆さんの新たな魅力を発見する場でもあるので、

私も毎回とっても楽しませていただいています(*´ `*)♡





平井シェフの1品目は、2016年春夏コレクションの「ピクニック」

えっ?!今販売中のこのお菓子を教えてくれちゃうんですか?

ピクニックのテーマは、チーズ・ハーブ・キャラメルです。


まずジェノワーズに、ブルーベリーのコンフィチュールを塗っていきます。

ラベンダーの蜂蜜が使われているので、同じ方向性の

ラベンダーのアロマがブルーベリーの香味を引き上げています。






クリームチーズと牛乳を合わせてパティシエール状に炊き上げ、

メレンゲと合わせ、スフレ・オ・フロマージュを作ります。

ふわっふわで美味しそう。


ブルーベリーのコンフィチュールを塗ったジェノワーズを敷いた型に、

このフロマージュ生地を流し入れ焼成していきます。





135℃のコンべクションオーブンで、ダンパーをあけて蒸し焼きにすると、 
このように焼き上がります。


端っこを味見してみたいな!







ブルーベリーのクリームは、クリームチーズにブルーベリーのピューレ&リキュールなどを

合わせたものに、バタークリームを加えて。

このバタークリームには、カカオバリー社のブラン サタン(ホワイトチョコレート)と

カカオバターが加えられています。


このブルーベリークリームをスフレ生地に絞り、ブルーベリーを縦5個、横2cmおきに並べ、

さらにクリームを絞り、もう1枚のスフレ生地を反転してのせます。


平井シェフの性格を体現するきっちりとしたお仕事ですね。





バタークリームを上下面にナッペしてクラックランをまぶし・・・






粉糖を振りカットすると・・・このように美しい断面に!


フィルムで巻いて、店名シールを貼ると、持ち運びしやすいラップサンドのよう。

商品名にふさわしく、ピクニックに持っていくのにもぴったりの
初夏らしい爽やかなビジュアルでしょ♪


でも平井シェフ曰く・・・あまり人気がないんだそう。

え~っ・・・こんなにも手間がかかっていて、こんなにも美味しいのに?!

ラベンダー風味のブルーベリーのコンフィチュールと、

スフレ&ブルーベリーのクリームと異なるチーズの食感をサンドし、

キャラメリゼしたアーモンドをまぶしたオシャレかつカジュアルな

ブルーベリーのチーズケーキ。


ショーケースに、他にも沢山のフォトジェニックなプティガトーが並ぶラヴニューさん

だからかもしれませんが・・・

このピクニックも、充分フォトジェニック!そしてもちろん超デリシャス!

作り方を知って、ますますファンになっちゃいました♡

9月末までの限定商品ですので、ぜひご賞味くださいね。






平井シェフの2品目は、2015年秋冬コレクションの「エサンス」

エサンスのテーマは、バニラ・ノワゼット・アグリューム。

久しぶりに食べられて嬉しい♡


こちらも想像していた以上に手間のかかる一品でした。


まずパータ・シューにクランブル・ノワゼットを重ねて焼成。

シュー生地にも、クランブル生地にもノワゼットパウダーが加えられています。





シュー生地を2つにスライスし、ノワゼットのヌガーを詰めておきます。


量は、美味しい量を!

食べる相手のことを考えて、仕上がりの味を自分で想像して!






シュー生地に、クレーム・レジェールを絞りいれます。
このクレーム・レジェールは、クレーム・パティシエールとクレーム・シトロン、

クレームシャンティ、リモンチェッロを合わせたもの。

かなりしっかりとレモンの爽やかな酸味と香りが広がります。


そこにプラックショコラをのせ、カカオバリー社のゼフィール(ホワイトチョコレート )と

マダガスカル産のヴァニラを使ったシャンティショコラを絞ります。





このプラックショコラは、クリームが滑り落ちないように
わざと穴を開けてあるんだそう。


食べる側の目線で言うと、ナイフでカットもしやすくなりますよね。






一見普通のダブルクリームのシュークリームに見えますが、

その実は、レモンの爽やかな香味とノワゼットのコク深い香ばしさが際立つ

ワンランク上のシューア・ラ・クレーム。

ヴァニラの甘く芳しいアロマが、全体をひとつにまとめ上げ、食感のコントラストも秀逸です!











今回も最後に素敵なプレゼンテーションを!


今回はプロ向けということもあり、工程も多いアイテムでしたが、

いずれも現在、過去、未来にお店で実際に販売されている商品。

工程を知り、そこに込められたシェフの想いを知ると、

またもう一度食べてみたいと心揺さぶられますね♡


今後の講習会は、下記のスケジュールを予定しています。

7月25日(月) 一般向け講習会 田中シェフ×奥田シェフ

8月30日(火) プロ向け講習会 林シェフ×未定


田中シェフは、本場アルザスから学んだアレ!や

本場バスクから学んだアレ!を講習予定とのこと。

またまた内容の充実した、アットホームで楽しい講習会になりそうです!


1ヶ月前ぐらいに、ORIGINE KOBEのオフィシャルFBで告知いたします。

現在様々なイベントの告知やお申込みは、

ORIGINE KOBEのオフィシャルFBからのみとなりますので、

まだいいね!をされていない方は、ぜひこの機会によろしくお願いします。

https://www.facebook.com/originekobe


 
ORIGINE KOBE 2016年度第2回目の講習会にご参加いただきました皆さま、
会場をご提供くださった日仏商事さま、本当にありがとうございました。

 
今回はプロ向きの内容ということで、若手のパティシエさんも

多数ご参加くださり、真剣なまなざしで見つめてくださっていました。

講習会後の会議では、ORIGINE KOBEとして今年の秋冬に

初チャレンジすることが色々決定し。。。

さらに今年の初めからずっと議題に上がっている案件が、

やっと決着しそうです。

個人的には早くこのことを発表したいなぁ(*ˊૢᵕˋૢ*)

 
2016年度後半も神戸から、“美味しい” “楽しい”スイーツを沢山発信していきますので、

ORIGINE KOBEをどうぞよろしくお願いいたします。