ニノは両手でベランダの手すりを握って、荒く息をしていた。上下する小さな肩をまた、抱きしめる。
「大野さん…もう、どうしてくれんの…こんな…なって」
ニノは汚れた甚平に目を落とした。
(んふふ…汚れたから、脱 ごうね)
「は?」
ニノの驚く声に構わず、短パンを少し下げる。ニノの 熱 をたっぷりと指にまとわりつかせて、甚平の長い裾に隠れたそこに触 れる。途端にニノが、小さいけれど、めちゃくちゃ焦った声を上げた。
(ちょ、待ってっ、ウソでしょ?…何すんの)
(何って…ナニ?)
「ばっ、か、こんなとこで…ダメだってば…」
(ここ、お前ん家じゃん、大丈夫)
(だから、ダメなんでしょうが…それに…花火終わっちゃうじゃん…クライマックス見たいよ)
(大丈夫、クライマックスには間に合うから)
俺の時間感覚的には、クライマックスが始まるまでまだ余裕がある。
指を何回か抜き差しして、慣らすと、熱くなったオ レを押し付けた。