小悪魔ちゃんの本気 hunt ☆ 6 | 妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

嵐のニノちゃん、大野さんをイケナイ目で愛でる妄想小説ブログです。

残念ながら、ちょっと腐な感じです。

あくまでも妄想なので、生温かく見守ってくださいませ。






Side O





ニノん家のチャイムを押したら、中島くんがモニタに映って、俺は自分がムカッとしたのがはっきりとわかった。



なんで、お前が出んだよ…



って、ニノは風邪だかんな…



しょうがないってわかってるけど、なんだろ、この敗北感…



「今、開けますね」


中島くんは、すぐにドアを解錠してくれた。


エレベーターの中で、何も考えず、とりあえず勢いでニノん家まで来てしまったことに思い至って、愕然とする。



何て…言やぁいいんだろ…



わかんね…



「思う通りにすればいい」と言う相葉ちゃんの言葉が蘇った。


部屋のドアも、中島くんが開けて、俺はさらに不安と敗北感に打ちのめされた。

だから、寝室のドアを開けてニノを見たとき、すごくほっとした。

つらそうだけど、いつものニノに見えた。


「大野さん…どしたの」


ニノは驚いた顔をしてボタンの全部開いたシャツの左右の襟を合わせた。



着替え中だったのかな…



おいら、間に合った?



だから、間に合ったって…何にって話…



「えと…お前、心配で」


「心配って何が?」


「えと…風邪、ひいてっから」


「でも、ナカジ来てくれたから」


背後のドアから中島くんの入ってくる気配がした。


「うん…わかってたけど…来たくて…ごめん」


肩を落とす俺を見て、ニノはふふっと笑った。


「メンバー想いだね…ありがと。そっか、大野さん、明日オフだったよね?」


本当はオフではないけれど、ニノの笑顔が「頷け」と言っている気がして、頷く。


「ナカジ、明日、前言ってた大事な収録あるんでしょ?もう遅いし、この、明日暇なおじさんに後はやってもらうから、お前、先帰んな?」


「二宮さん…」


中島くんは俺の後ろから一歩ニノの方へ近づいた。


「…もしかして、可愛いって言ったの…ホントは怒ってます?」



か、可愛いって…



お前ニノよりめっちゃ年下じゃん…



俺が思わず中島くんを見たら、彼は不安そうな顔でニノを見つめている。

その顔を見て、ニノは微笑んだ。


「ふふっ…だから、怒ってないって」


ニノはベッドの上で、中島くんに向かって両手を広げた。


「ナカジ、お土産、あげる」


中島くんはベッドのニノに近づいた。


「お土産は…俺の風邪菌でいい?」


くすくすと笑いながらニノがかがんだ中島くんを抱きしめた。


「イヤですよ…」


中島くんは言葉とは裏腹に、ニノの背中に腕を回した。



ズキン…って胸の奥がひきつるように痛んだ。



なんでだろ…





たぶん、だけど…



昼間、あんな風に薬飲ませてって言われて、


収録後も、ニノに甘えてるみたいに寄りかかられて、逆オンブしても大人しくしてて、


すげぇ…嬉しくて…




ニノは俺のこと、他の奴とは違う、一段近い存在に思ってくれてんのかなって思い始めてたから…



中島くんが身を離そうとしたら、ニノはその腕を掴んで、彼の顔を見上げながら囁いた。


「冗談だよ…また、遊びに来て…ユウト」


不意に名前で呼ばれて、中島くんは一瞬驚いた顔をしたけれど、すぐに微笑んだ。


「そっちのお土産なら、もらって帰ります」


「ふ…おかゆ、ありがと」


中島くんはニノから身を離すと、ドアのそばに置いてあった自分のカバンから何か取り出した。


「大野さん、これ熱あるときの冷却用のシート…貼ってあげてください」



うお、おいら、手ぶら…



最後まで、敗北感パネェわ…



頷きながら受け取ると、中島くんは微笑んで、廊下に出た。


「二宮さん、お大事に。失礼します」


ニノと俺にそれぞれ会釈をすると、中島くんは帰っていった。


パタンとドアが閉まる音がしんとした部屋に響いて、俺はニノとふたりになった。