先生なんて呼ばないで 11-1 | 妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

嵐のニノちゃん、大野さんをイケナイ目で愛でる妄想小説ブログです。

残念ながら、ちょっと腐な感じです。

あくまでも妄想なので、生温かく見守ってくださいませ。








Side S







ニノの受験の終わる頃、俺は別のキャンパスの大教室で授業を受けていた。

さっきから、教授の話す内容がちっとも頭に入ってこない。

ぶるる…と手元でスマホが震えた。こっそりメッセージ画面を開く。


『終わったよ』


『どうだった?』


『疲れた』


『お疲れさん』


『英語に関して言うと、英訳問題で「嵐が来る」ってあったんだけど、『嵐』がわかんなくて、ARASHI is comingって書いちゃった…それ以外はだいたいいけたと思う』


名詞の単語がどうしてもわからないときは、日本語ローマ字表記しておけ、と言ったのを覚えていたようだ。


『大丈夫、単語一つわかんなくても、文型あってたら点くれることもあるよ』


『うん。翔ちゃんそう言ってたなあと思って。今、授業中だよね?疲れたからこのまま帰るね。今日はありがとう』


『うん、お疲れ。気をつけて帰れよ?』


チャットみたいにやり取りした後、少し、ニノからのメッセージが途切れた。ややあって、震えるスマホ。


『翔ちゃん…発表…一緒に見に行ってくんない?』


少し途切れた時間が、ニノのためらいを表しているみたいに感じた。


『いいよ。一緒に行こう』


『ありがとう』


メッセージはそこで終わった。











ジリリリリリリリ…



うっるせー…



ばんっと目覚まし時計を止める。



これで、もっかい寝られる…



………




ふと、覚醒して、がばっと起き上がった。



何時⁈



10時‼︎



目覚ましをかけた時刻から1時間経過している。



やっちまったーー‼︎



今日はニノの…



髪をかきむしりながら起き上がると、急いで顔を洗う。


合格発表は10時からだ。9時45分に正門でニノと待ち合わせしていたはずだ。


スマホを見ると、『着いたよ』とニノからメッセージが来ていて、すぐに『ごめん‼︎寝坊‼︎』と返信する。


身支度をマッハで整えて、家を飛び出した。









ママチャリを必死で漕ぐ。コートの裾がはためいた。春に近づいた太陽の光が、起き抜けの体に眩しい。



デジャブだな…



違うのは、ニノが乗ってない。ニノは…



会うのは入試の日以来だった。


正門前に姿を見つけて、胸がドキドキ鳴り始めた。


俯くニノの表情はわからなかった。



怒ってるかな…



約束したのに、寝坊なんて。



ってか、発表…



俺が緊張してきたぞ。



正門前に自転車を止める。あたりには受験生と思しき学生とその家族など、たくさんの往来があった。


正門の脇の樹の下でたたずむニノに近づく。ニノが気づいて顔を上げた。


その顔は放心したように力が抜けている。


「ニノ…ごめんっ…待たせた…」


「翔ちゃん…」


ニノは青白い顔のまま、俺を見上げて、ぼうっとした瞳で俺を見た。寒いのか、心なしか唇も青い。


「せっかく…家庭教師してくれたのに…怒らないでね…俺…俺ね…」


ニノが眉を寄せて小さな声でつぶやいた。



な…



まさか…