Side ⁇
ほっそりした白い顔に、切れ長の、しかしくっきりとした二重の綺麗な瞳。
緩く、しかし毅然と結ばれた、意志を感じる唇はほんのりとピンク色で、そのカーブが美しい。
どうしよ、かわいい…
思わず首元に目をやる。
首筋へ続いていく肌の白は、雪のように曇りなく、なめらかそうだった。
西国やこの辺りで着られるユカタという名前の着物を身につけている。白地にいろいろな文様が書かれており、よく見ると確かに胸に花の文様が刺繍されている。
この文様は、西国の王室に縁がある者という意味だ。
こんな…か弱そうな奴が…
うちの国に何しに来たのか。
にわかには信じられないが、こいつが、城内を偵察しようとしていたんだろうか…
「おい」
なんて声をかけていいかわからず、とりあえず近づいて、呼びかけた。
そいつは俺の顔を見て、驚いたように目を見開いた。
どうしよ、かわいい…
思わず首元に目をやる。
首筋へ続いていく肌の白は、雪のように曇りなく、なめらかそうだった。
西国やこの辺りで着られるユカタという名前の着物を身につけている。白地にいろいろな文様が書かれており、よく見ると確かに胸に花の文様が刺繍されている。
この文様は、西国の王室に縁がある者という意味だ。
こんな…か弱そうな奴が…
うちの国に何しに来たのか。
にわかには信じられないが、こいつが、城内を偵察しようとしていたんだろうか…
「おい」
なんて声をかけていいかわからず、とりあえず近づいて、呼びかけた。
そいつは俺の顔を見て、驚いたように目を見開いた。
息をのむのがわかる。
なんでだろ…
おいらのこと、知ってる?
でも、おいらは、知らない…
こんな奴と出会ってたら、
なんでだろ…
おいらのこと、知ってる?
でも、おいらは、知らない…
こんな奴と出会ってたら、
絶対覚えてる。
でもそいつは、すぐに驚きの表情を消した。
「お前、西国の者か?」
「…見たら、わかるでしょ」
そいつは、ぷいっとそっぽを向いた。
でもそいつは、すぐに驚きの表情を消した。
「お前、西国の者か?」
「…見たら、わかるでしょ」
そいつは、ぷいっとそっぽを向いた。
「名前は?」
「素直に教えると思ってんの?」
そいつは、顔をこっちへ戻して、少し挑戦的に口角をあげて、俺をまっすぐ見た。
「おいらの名前教えたら、教えてくれる?」
そう言うと、「え」とかすかに声が漏れた。表情が柔らかくなる。
やっぱ、かわいい…
「おいらは、大野智」
そいつの目はまた見開かれる。唇がかすかに開いて、何か言おうとしているようにも見えなくない。
「えっと…ここの牢屋番の隊長ってことになってる。あと、この人は相葉ちゃん」
「俺のことも教えちゃうのね」
相葉ちゃんはふひゃひゃと笑った。見張り役の兵士が心配そうにこちらをうかがっている。
「お前は?なんていうの?」
そいつは、一瞬ためらうように口元を引き結ぶ。
ややあって、そいつはその形の良い唇を開いた。
「ニノ」
…心地のいい声だな…
「ニノ」
…心地のいい声だな…
もっと、
もっと…
聞いてみたい。