君の瞳でつかまえて 11-3 & 12 | 妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

嵐のニノちゃん、大野さんをイケナイ目で愛でる妄想小説ブログです。

残念ながら、ちょっと腐な感じです。

あくまでも妄想なので、生温かく見守ってくださいませ。








Side O







視線の先にあるのは…


「ほくろ…」


王子は小さく呟いて、ニノの顎のほくろをそっと撫でた。


目をぎゅっと閉じていたニノは、目を開けて怪訝そうに潤王子を見上げた。


王子はしばらく考え込むように黙ってニノの顔を見つめていた。


「まさかな…」


小さく呟いて、王子はニノの顔から手を離した。くるりと俺に向き直る。


「大野隊長、よくやった。この後も引き続き、こいつの取り調べを続けてくれ」


「は…はいっ」


ほっとしたところに、王子の冷たい声が飛んできた。


「でも成果が出ないようなら、すぐ翔さんにお願いするからね」

















牢屋を出ようとした王子は、ドアのところで俺に目配せした。


「智さん、ちょっと…」


ニノや、見張りの兵士達には聞かせたくないのか、王子は廊下の端まで移動した。


「あいつへの取り調べ、あんまり痛めつけない方法でやって」


さっきまで冷たそうに見えた王子の眉が苦しげに歪んでいる。


もとよりそのつもりだった俺はこくこくと頷いた。


「場所も…ここは冷えるから、特別に智さんの寝所とか連れて行っていいよ」


「え…」


牢屋の収容者を自分の寝所に連れていくなんて、おそらく普通はないことだろう。


「ただし、さっき言ったことはホントだからね。成果が出ないようなら、あいつは翔さんに…託すから」


潤王子はギロリと俺を睨むようにしながら念を押した。


その瞳の強さに気圧されて、俺は「はい…」とかすれた声で応えた。


「ひとまずはさ…あいつの名前、ちゃんと聞き出して」


「それは『ニノ』と…」


王子はため息をついた。


「智さんも知ってると思うけど、西国も俺たちと同じ。苗字と名前ね。『ニノ』だけじゃ吐かせたことになんない」


王子は真剣な顔で、俺をじっと見た。


「特に、名前…下の名前を早く吐かせてほしい」


そう俺に命じたときの潤王子の顔は、なぜか苦しげで、俺は黙って深く頷いた。