Side O
それって、どういう…
「…最後まで」
さっきまでぼうっとしているように見えたニノの瞳は、いつのまにか強い光を宿していた。
「だっ…から、そうなんないように…頑張ってんだって」
ニノはすぐに眉を寄せて首を振った。
「やだ…」
「ニノ…」
ニノは、ふ、と一瞬、いたずらっぽい笑みをこぼした。
「体の中も、調べなきゃいけないんでしょ?」
あ…
潤王子に言われたやつか…
「あれは…」
俺が首を振ると、ニノは唇を尖らせた。
「あなたと…くっつきたいよ…これ以上ないくらい…」
「ニノ」
腕の中のニノを、またぎゅっと抱きしめて、顔を俺の肩にもたれ掛けさせる。
そんなん言われて…
顔が見えてっと…
気持ちが、おさえられなくなっちまう…
ニノは俺の腕の中で身をよじると、俺の首 筋に唇を寄せた。そのまま、あごに、頰に、軽く触れるだけのキ スをする。
「ニ…ノ…」
「一緒にいられんの…最後かもしんないでしょ?」
ニノは俺の頰に唇を寄せたまま苦しげにつぶやくと、俺の腕の檻から自分の両腕を出して、俺の後頭部を抱き寄せた。
「あなたと…もっかい…こんな風にできる日が…くるかどうか、わかんないもん…」
ニノは自分の頰を強く俺の頰に押し付けた。そのまま唇を俺の唇に移動させる。
「だから……あっ」
ニノの唇が俺の唇に重なった瞬間、俺はたまらなくなってニノをぎゅっと抱いたまま、寝台に倒れこんだ。