君の瞳でつかまえて 32-2 | 妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

嵐のニノちゃん、大野さんをイケナイ目で愛でる妄想小説ブログです。

残念ながら、ちょっと腐な感じです。

あくまでも妄想なので、生温かく見守ってくださいませ。







Side O







「え…あの…」


「カズ…やっぱり俺を…もう覚えてない?」


王子は腕の中に抱いたニノの顔を心配そうに覗き込んだ。


「潤様」


そばに立っていた、白髪の老人が口を開く。確か、潤王子の身の周りの世話をしている爺やだ。


「和也様は幼少のみぎり、潤王子のお名前がうまく発音できなくて、別のお名前で呼ばれていましたよ」



和也様⁈



俺はぽかんとして、潤王子に抱きしめられているニノを見つめた。


「カズ…」


王子が、もう一度名前を呼んだ。ニノは記憶を手繰り寄せようとしているのか、遠い目になった。


「…ジェ…J ?」


ニノが小さく呟くと、また周りの者から「おお…」とため息が漏れた。潤王子は嬉しそうに微笑んで、またニノを抱きしめた。


「そうだよ…J って呼ぶの…カズだけだった…」


「はははっ…他の者は恐れ多くて到底呼ぶことはできませんよ」


先ほど口を開いた白髪の男が笑った。


「あなたが…J なの?どういうこと?」


ニノが目を丸くしたまま、潤王子を見上げて呟いた。


「ああそれは…ひとまず、この手錠を解こう…」


王子は話を始めようとして、ニノと俺を繋ぐ鎖に目を留めた。


「智さん、もう手錠は外してあげて?カズは…亡くなられた和宮様のお子…」



和宮様…もうだいぶ前に亡くなられた、王の側室様…



…え⁈



ってことは…



「カズは…すなわち、れっきとした…この国の王子なんだ」


「マジか…」


ニノが、「お、俺が ⁈ 」と声をあげるのを、俺は夢でも見ているかのようにぼうっと見ていた。



牢屋番と捕虜、だと思ってたら…



王子と牢屋番だった…ってこと⁈