苦手な方はご注意くださいませ
Side O
「ん……ぁ…」
ニノはかすかな吐息を漏らした。目を閉じて膝で立っているニノの左手は、Tシャツの裾をまくりあげて胸に這 わされ、右手はスウェットの中に突っ込まれている。
「っあ……ぁ…」
ニノの左手の親指と人さし指は、胸の飾りと思しき場所を摘んでいるようだった。同時に右手もゆっくりと上下し始めた。
「…あっ……はぁ…っは…ゃ…」
自分で「ひとりで…シてあげる」とか言ったくせに、ニノの耳は真っ赤になっていた。閉じられた目元もほんのり赤く染まって、見ていると無性に抱きしめたい気持ちになった。
…あぁ、なんてひどい仕打ちなんだろ…
器用なニノが縛った俺の手首のネクタイは、解こうとするとますます食い込んでいくようだった。手首の輪はビクともせず、ニノに近づこうとしても柵にしっかり結ばれていて体が引き戻されるだけだった。
「解きたいんだ。可愛いね…」
俺が解こうと身をよじっているのを見て、ニノは笑った。
「でも、解けないよ…俺が…縛ったんだもん…」
ニノはニヤリとした。
「ね…それより見て…俺のこと…」
「ヤダっ…」
「なんで…好きなんでしょ?俺がひとりでシてるの見るの」
「ヤダ…」
俺は首を振った。
…誕生日のキ スして、なんて言ったくせに。
自分からエロいチュウ…したくせに。
さ わらしてくんねぇなんて…
この小悪魔め…
ニノは、俺を見て目を細めた。
ぞくっとする程妖艶で、でも、やっぱり可愛かった。
「俺ね、可愛いなって思うと、いじめたくなるみたい…」
小悪魔じゃねぇな…ニノ…
悪魔かもしんない…
ニノの左手が再び、飾りを探してうごめくのを俺はなすすべもなく見ているしかなかった。