BL妄想です
苦手な方はご注意くださいませ
Side N
それをふたりで抱えてたんだってわかった途端
世界一易しい恋になる
ふたりでいれば
ふたりでゆけば
きっと大丈夫
周りの部屋は、みんな飲んだりして、まだ騒がしいんだろうか。
俺は、ホテルの部屋の窓から眼下に広がる夜景を眺めながら、大野さんを待っていた。
こんこん、とドアの方から音がして、俺はゆっくりとドアに近づいて相手を確認してそっと開ける。
大野さんはなぜか唇を尖らせて、部屋に入ってきた。
「なんで…むぅってしてんの?」
「や、だって…小瀧の奴…しゃべっちゃうんだもん…」
大野さんは手を喉にあててさすりながら、気まずそうに目を逸らして呟いた。
俺はふふ、と微笑んで、大野さんの手を軽く握った。
「座って?」
照明を落とした部屋の中央、ベッドを目で示すと、大人しく座った大野さんに、俺はまた微笑んだ。
「ね、今度はちゃんと演技指導するから…もっかい練習しよ…キスシーン」
大野さんの目が見開かれて、何かを言おうとしてるみたいに口を開けた。
あなたが使った、
ふたりの逃げ道みたいな言い訳を
今度は俺が
今度は俺が
使っても…いいよね?
俺がにこっと笑うと、大野さんもぷっと吹き出した。
「ニノ…当分キスシーンはねぇから」
「映画であるかもでしょ?最優秀の男の演技指導なんだから、ありがたく受けてよ」
「ふふっ…うん…じゃ、受ける…」
俺は隣に腰掛けた大野さんの方を向いた。
「どんなシーン?」
大野さんが聞きながら、俺の腕に触れた。
「キスシーンは、好きだって伝えるためにあるよね…」
俺の出した声はかすれていたかもしれない。
俺がにこっと笑うと、大野さんもぷっと吹き出した。
「ニノ…当分キスシーンはねぇから」
「映画であるかもでしょ?最優秀の男の演技指導なんだから、ありがたく受けてよ」
「ふふっ…うん…じゃ、受ける…」
俺は隣に腰掛けた大野さんの方を向いた。
「どんなシーン?」
大野さんが聞きながら、俺の腕に触れた。
「キスシーンは、好きだって伝えるためにあるよね…」
俺の出した声はかすれていたかもしれない。
大野さんは頷いた。
「どうすれば、相手に想いが伝わるか、考えてよ…」
「ニノ…」
大野さんの、俺の腕に触れていた手にぎゅっと力がこもる。その腕が俺の背中に回ったかと思うと、ぐいっと抱き寄せられた。
大野さんの、腕も、触れあっている体のあちこちも、全部温かくて、大野さんの香りがして、胸が騒ぐ。
大野さんは背中に回していない方の手で、俺の頰にそっと触れた。
「ニノ…」
まっすぐな大野さんの瞳が、「いいの?」って聞いている気がした。
ゆっくりと瞳を閉じると、頰に触れていた手が俺の顔を引き寄せる。すぐに、俺の唇に、大野さんの唇が重なった。
「…ん……」
押し付けられた唇はしばらくすると離れたけれど、またすぐに、俺の心を探るみたいに、遠慮がちにチュ…と重ねられる。
「どうすれば、相手に想いが伝わるか、考えてよ…」
「ニノ…」
大野さんの、俺の腕に触れていた手にぎゅっと力がこもる。その腕が俺の背中に回ったかと思うと、ぐいっと抱き寄せられた。
大野さんの、腕も、触れあっている体のあちこちも、全部温かくて、大野さんの香りがして、胸が騒ぐ。
大野さんは背中に回していない方の手で、俺の頰にそっと触れた。
「ニノ…」
まっすぐな大野さんの瞳が、「いいの?」って聞いている気がした。
ゆっくりと瞳を閉じると、頰に触れていた手が俺の顔を引き寄せる。すぐに、俺の唇に、大野さんの唇が重なった。
「…ん……」
押し付けられた唇はしばらくすると離れたけれど、またすぐに、俺の心を探るみたいに、遠慮がちにチュ…と重ねられる。