あの日吹いた風の色を僕は 1 | 妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

嵐のニノちゃん、大野さんをイケナイ目で愛でる妄想小説ブログです。

残念ながら、ちょっと腐な感じです。

あくまでも妄想なので、生温かく見守ってくださいませ。







2014年9月18日/Side O







ハワイの風は夜になっても暖かい。


頰を撫でる穏やかな風に髪が揺らされて、俺は一瞬目を細めた。


ベランダの手すりに寄っかかって、夜空を見上げる。





15年…か。





15年前、おいらはこの地にいた。



ここにいていいのかという不安と、



ここにいるのがホントの自分なのかという自問、



それでも、やんなきゃ、っていう無理矢理前を向く気持ち…




そんなのを全部胸に秘めて、大丈夫、大丈夫って自分に言い聞かせながらこの地に立っていた。




走り出してからも、迷いは消えなかった。





居場所を確立していく他のメンバーを見ながら、ずっと自分のいる意味を考えていた。


それは自由への渇望とあいまって「辞めたい」という思いへと変わっていく。






…でも、辞めなくてよかったって




今は心の底から思う。





おいらは部屋の中へちらっと目をやった。


ベッドですうすうと眠っているニノの顔が見える。






…いつも一緒にいたな…







辞めたいという気持ちが最高潮に高まったとき、辞めなかったのは、ニノがいるからじゃない。


でも、ニノがいなければ、とっくの昔に辞めていたかもしれない。




おいらが不安になるといつも、頼ってしまう横顔。




ニノが笑ってくれると安心した。




あいつがいないとどうにも落ち着かない。




ニノと違う道を選んでいた自分がいたかもしれないと思うと、その考えにびっくりする。






もう、離れられない。







嵐、からも、







ニノ、からも…









おいらは部屋に入った。


ニノの体の上にかかっていた、乱れたタオルケットをそっと直してやる。


窓を閉めようと近づいたら、南国の暖かい風が一陣、吹き込んできた。


その風を、閉じ込めるように、急いで窓を閉める。








ー明日はライブだ。