2014年9月20日/Side N
何の計算も打算もなく、
ただひたすらに
大切なものを想って、その想いが…こぼれ落ちたんだなって…
言葉にするには、大きすぎる、深すぎる想いが雫になって、溢れ出たように見えた。
俺は、きっとあんな風に泣けない。
あの人が、この世界に違和感を感じ続けていたこと、俺はずっとわかっていた。
だから、勇気づけたくて、そばにいた、なんてことじゃない。
ただ、そばにいたい。
ずっと、そんだけ。
そばにいたのは、
ずっと…それだけなんだ。
ライブ後の打ち上げは、身体が辛くて、早々に部屋に引き上げた。大野さんは一緒に引き上げたがっていたけれど、主役が3人になると打ち上げにならない、と皆に止められていた。
とりあえず、ライブが無事終わってよかった…
よく保ってくれた…と自分の腰をトントンと軽く叩く。
せっかくのハワイの夜だけど、大野さんもいないし、もう寝てしまおうかと思って、ベッドへ横たわる。
目を閉じると、耳にライブの歓声が聞こえる気がした。
高ぶったままの神経を無理矢理鎮めようとぎゅっと目を瞑る。
身体の疲れが俺を眠りに引きずり込んだ。
ピンポン、と部屋のチャイムが鳴って、俺はびくっと跳ね起きた。
ライトをつけて、ドアまで近づくと、「ニノ、起きてる?」って声が聞こえた。
あれ、潤くん…?
ドアスコープで、再度潤くんだと確認して、ドアを開けると、彼はぐったりした大野さんをお姫様抱っこの形で抱いて立っていた。
「ど…どした…の⁈ 」
「いや〜大変でしたよ、ホント。入っていい?」
「あ、どうぞどうぞ」
潤くんは大野さんを抱きかかえたまま部屋に入ってベッドに近づく。
ツインのベッドの両方を見比べて、俺の方を向いた。
「この人、どっちに寝かす?」
「えっと…ここ俺の部屋なんだけど…そこはいいんです…か?」
「つーか、この人がうるさくてさ…ニノの部屋行くニノの部屋行くって」
潤くんが呆れたように言って、俺の方を見て笑う。俺は顔が熱くなった。
「そう…だったんだ…じゃ…とりあえずこっちに寝かせて」
俺は自分の寝ていた方と逆の方のベッドを指差した。
後で、俺もそっちで一緒に寝ちゃおうかな…
「そっちでいーの?」
「え?」
自分の考えを読まれたのかと思って、曖昧に笑いながら聞き返す。
「どうせ、2人で寝んなら、こっちにしとくか。ホテルのベッドメイキングする人もその方が助かるだろうし」
潤くんはニヤリと意味ありげに笑って大野さんを俺が寝ていたベッドに寝かせる。
「えと…あの…」
「ん?」
ニヤニヤ笑いながら潤くんが俺を見ている。
「ありがと…その人、酔いつぶれちゃった?」
「うん。酔いつぶれて、ひたすら『帰る』って言うから、肩貸してリーダーの部屋まで行ったら、『違う、ここじゃない』って言い出して…」
ああ…
俺は自分の頰が最高に熱くなるのを感じた。
言葉にするには、大きすぎる、深すぎる想いが雫になって、溢れ出たように見えた。
俺は、きっとあんな風に泣けない。
あの人が、この世界に違和感を感じ続けていたこと、俺はずっとわかっていた。
だから、勇気づけたくて、そばにいた、なんてことじゃない。
ただ、そばにいたい。
ずっと、そんだけ。
そばにいたのは、
ずっと…それだけなんだ。
ライブ後の打ち上げは、身体が辛くて、早々に部屋に引き上げた。大野さんは一緒に引き上げたがっていたけれど、主役が3人になると打ち上げにならない、と皆に止められていた。
とりあえず、ライブが無事終わってよかった…
よく保ってくれた…と自分の腰をトントンと軽く叩く。
せっかくのハワイの夜だけど、大野さんもいないし、もう寝てしまおうかと思って、ベッドへ横たわる。
目を閉じると、耳にライブの歓声が聞こえる気がした。
高ぶったままの神経を無理矢理鎮めようとぎゅっと目を瞑る。
身体の疲れが俺を眠りに引きずり込んだ。
ピンポン、と部屋のチャイムが鳴って、俺はびくっと跳ね起きた。
ライトをつけて、ドアまで近づくと、「ニノ、起きてる?」って声が聞こえた。
あれ、潤くん…?
ドアスコープで、再度潤くんだと確認して、ドアを開けると、彼はぐったりした大野さんをお姫様抱っこの形で抱いて立っていた。
「ど…どした…の⁈ 」
「いや〜大変でしたよ、ホント。入っていい?」
「あ、どうぞどうぞ」
潤くんは大野さんを抱きかかえたまま部屋に入ってベッドに近づく。
ツインのベッドの両方を見比べて、俺の方を向いた。
「この人、どっちに寝かす?」
「えっと…ここ俺の部屋なんだけど…そこはいいんです…か?」
「つーか、この人がうるさくてさ…ニノの部屋行くニノの部屋行くって」
潤くんが呆れたように言って、俺の方を見て笑う。俺は顔が熱くなった。
「そう…だったんだ…じゃ…とりあえずこっちに寝かせて」
俺は自分の寝ていた方と逆の方のベッドを指差した。
後で、俺もそっちで一緒に寝ちゃおうかな…
「そっちでいーの?」
「え?」
自分の考えを読まれたのかと思って、曖昧に笑いながら聞き返す。
「どうせ、2人で寝んなら、こっちにしとくか。ホテルのベッドメイキングする人もその方が助かるだろうし」
潤くんはニヤリと意味ありげに笑って大野さんを俺が寝ていたベッドに寝かせる。
「えと…あの…」
「ん?」
ニヤニヤ笑いながら潤くんが俺を見ている。
「ありがと…その人、酔いつぶれちゃった?」
「うん。酔いつぶれて、ひたすら『帰る』って言うから、肩貸してリーダーの部屋まで行ったら、『違う、ここじゃない』って言い出して…」
ああ…
俺は自分の頰が最高に熱くなるのを感じた。