BL妄想です
苦手な方はご注意くださいませ
Side O
「こぉら!」
「ひゃっ」
俺はがばっと起き上がると、ニノをころんとベッドに転がしてその上に覆いかぶさると、わざと怖い顔を作った。
「くすぐったいだろ」
「ふふっ…だって…おーのさんいい匂いだもん」
俺が本気で怒っていないことなんかお見通しなのか、ニノは面白そうに笑って、両手を広げて俺に伸ばした。
「ね、おーのさん、抱っこして?」
「え…」
抱っこって…
ベッドで抱っこなんかしたら…
腹の奥に熱が集まるような感覚を覚えて思わず首をぶんぶん振る。
「ね、抱っこ…」
「ちょ…」
甘えてくるニノは潤んだ瞳をとろんと鈍く光らせて、俺を見上げている。
ちょ…ちょっとだけなら、
我慢できっかな…
「ちょっとだけな」
「ふふ、やったぁ」
覆いかぶさったまま、ニノの首の後ろに腕を入れて、体重をかけた。
「おーのさんっ…ふふっ…重ーいっ」
「ニノが抱っこって言ったんだろ」
俺の体の下で柔らかくて温かいニノの体がジタバタ暴れた。
「んっ…やっ…」
体をよじるニノが、ポロリと漏らした声に、どきりとした。
この姿勢は…やっぱマズイ…
事故が起こりそうだ…
俺はベッドに身を投げ出すと、ニノを抱き寄せた。
「おいで」
「わーい、抱っこ」
ニノは嬉しそうに声をあげて、満面の笑みで抱きついてくる。胸に顔を埋めるニノの背中を俺はぽんぽんと撫でてやった。そのまま、ゆっくりと髪を撫でてやる。
「おーのさん…」
髪を撫でる手が気持ちいいのか、俺の名前を呼ぶニノの声はとろんと甘い。目を瞑って気持ちよさそうにしているのを見ると、だんだんドキドキが治まってきた。
よかった…
襲っちまうかと思った…
ほっと安心した時、ニノは身じろぎして小さな声をあげた。
「ね、おーのさん、おやすみのチュウして?」