BL妄想です
苦手な方はご注意くださいませ
Side O
「抱っこ…して…」
ニノが昨夜と同じように両手を広げてねだるから、近づいた。ぎゅっと抱きしめると、ニノは腹にしがみついてきた。
あれ…
ニノ、耳真っ赤だな…
俺は首を少しひねって、俺の腹に顔を埋めるニノの頰を覗き込んだ。
ほっぺたも…真っ赤…
もしかして…これって…
「ニノ…もしかして…大人に戻った?」
「へ⁈ 」
俺が聞くと、ニノは途端に顔を上げて俺を見上げた。目が一瞬泳いだかと思うと、その顔がますます赤く染まっていく。
「ふふっ…大人でしょ?」
「な…んで…」
俺はベッドに座った。
「あ…」
ニノの顔を引き寄せて、人差し指と親指で耳をつまんで、そこへ顔を寄せる。
「ここ…真っ赤だもん…昨日はそんなことなかったのに」
「…ぁ…」
ふっと息を吹きかけると、ぴくり、と揺れる肩。
「もっかい言ってみ?」
「や…」
ニノの眉が寄って、瞳が潤む。弱々しく左右に揺れる顔を引き寄せる。
「いいの?しなくて?」
「なっ」
ニノは真っ赤になったまま、目を見開いて固まった後、唇を尖らせて小さな声で「いじわる…」と呟いた。
「いいんだ?抱っこしなくて」
もう一度言って体を離すと、ニノは慌てて俺に手を伸ばした。
「やっ…だっ…あの…」
俺の腕に置かれたニノの手がためらうようにいじいじと、何回か細かく動く。
「だ…抱っこ…してほし…」
ニノが言い終わるよりも早く、俺はニノの背中に腕を回した。そのまま腕の中に抱き寄せてぎゅっと抱きしめると、どちらからともなく安堵のため息が漏れた。
「大野さん…俺…戻った…」
ニノが俺の肩に顔を埋めたまま小さく呟いた。
ああ…よかった…
「うん…よかった…ホントに…」
ぎゅっと抱きしめると、ニノもぎゅっと抱きしめ返してくれる。その体温を噛みしめるように、しばらくじっとしていた。
「あれ…いつ戻ったの?今?」
俺が顔を上げてニノの顔を覗き込むように見ると、ニノは少し考えるように目を伏せた。
「あの…聞いても怒んない?」
小首を傾げるようにして、ニノが俺と目を合わせた。