また今日も君に夢中 シーズン2 #3 | 妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

嵐のニノちゃん、大野さんをイケナイ目で愛でる妄想小説ブログです。

残念ながら、ちょっと腐な感じです。

あくまでも妄想なので、生温かく見守ってくださいませ。


BL妄想です
苦手な方はお気をつけくださいませ






















Side O







「お先っす!」


全力で資料を仕上げた俺は、皆への挨拶もそこそこにオフィスを飛び出した。「さすが新婚さんだねぇ」と相葉ちゃんののんびりした声が背中で聞こえた。


電車に飛び乗って、やきもきしながら窓の外を眺める。スマホがないから手持ち無沙汰だ。でもカズに連絡していたら、カズはエプロン外しちゃってたかもしれない。それは困る。見たい。でも見せたくない。だから、電車、もっと急いでくれ…


最寄り駅に着いた途端、俺は猛然と家へ向かって走っていった。














Side N






「ふぅ」


大野さんが誕生日ディナーとしてリクエストしたクリームシチューの下ごしらえが一区切りついて、俺は安堵のため息をついた。後はルーを入れて煮込むだけ。



俺、エプロンつけるの早すぎたかな…



しんとした家で一人でこんな姿なのも恥ずかしくて、俺は内心身もだえた。



大野さん、まだかな…



早く帰ってきて、そんで…



俺は自分のエプロン姿を改めて観察した。大野さんがリクエストした姿だけど、やっぱり男がこんなの変だって、引いたりしないかな…



こんなので喜んでくれんのかな…



考えると急に不安になってきて、俺はふるふると首を振る。



やっぱり、早く帰ってきて欲しいな…



用意しておいた固形のルーを箱から取り出したとき、ピンポーン、とチャイムが鳴って、俺の心臓は飛び上がった。



な、なななななにっ…



慌ててインターホンのボタンを押して「は、はいっ」と応えると、「お荷物でーす」という声が聞こえてきた。



…荷物?また?



なんかあったっけ?



玄関へ向かおうとして小走りになったとき、エプロンの裾がしゃらん、と揺れて、俺はハッと気づいた。



こ、こんなカッコじゃ出られない…



どうしよう…















Side O






マンションに着くと、エントランス前に宅配業者の車が止まっていて俺は焦った。エントランスに飛び込むと運悪くエレベーターが上へ上がっていくところだった。いつもより強めにエレベーターのボタンを押して、やきもきしながらエレベーターがゆっくり下がってくるのを待つ。扉が開いた瞬間飛び乗って、やはり強めに「閉」ボタンを押す。エレベーターはゆっくり上昇していく。部屋は8階だ。扉が開くと同時に部屋を目指してダッシュする。マンションは中庭から吹き抜けになっている作りで、部屋はエレベーターの対角線上だ。廊下を駆け抜けて角を曲がると、自分の部屋の前に宅配業者が立っているのが見えた。



荷物は……持ってる!



間に合った……



「ご苦労様です!うち宛ですよね?」


声をかけると、宅配業者の男は振り向いた。


「あ…大野さんですか?お荷物です…今、おうちの方にお声がけしました」


「いいよいいよ、俺が受け取っちゃうから…ちょっと待っててください」


男から荷物を受け取ると、中から鍵を開けようとしている気配がした。


「カズ、中入ってていいよ」


部屋の鍵が遠慮がちに開けられた音がして俺は頰を緩ませた。扉をゆっくり開けると、カズが廊下から顔だけ出していた。ちらりと見えるむき出しの白い肩には、ピンクの肩紐が見えて、俺のテンションは一気に急上昇した。


「ふふ…ほら、中、入ってて」


俺が言うと、カズがたたっと小走りで廊下の先のリビングへ入っていく音がした。廊下との仕切りにあるリビングのドアが閉まるのを確認して俺は玄関に置いてあるハンコを取ると、男から受取票をもらってそこに押し、にこっと笑って返した。


「ありがとうございました」


「ありがとうございましたあ!」


男は明るく挨拶して去っていった。パタン、とドアを閉めた音を聞きつけたのか、リビングのドアが開いてカズが顔を出した。