こんにちは、Yellow Heartオーナーの丸山(きいちゃん)です。

美容師をしている、どこにでもいる普通のママだった
わたしが何故、マルチママケープの販売を始めたのか?
あの東日本大震災から2年が経過した今、
改めて振り返ってみようと思います。

HPに掲載したものと内容は同じになりますが、
ブログには(恐らく)初めての掲載です。


長くなりますが、どうぞお付き合い下さいませ。





あの日

まだ1歳半の子供を連れて、
わたしは病床の知り合いを見舞うために東京を訪れていました。

見舞いが終わり、さぁ名古屋に帰ろうと
新幹線に乗る10分前のこと…その時に、あの大地震は起こったのでした。


突然の大地震


ご存知の通り、東京は帰宅難民で溢れかえっており、
物資を調達しようにも、お店にもコンビニにも物がありませんでした。

本当に、なにもない状態なのです。

子供と共に、避難場所になっていたホテルに移動し
そこで過ごしていたものの、

新幹線がいつ復旧するのかも分からず、
今何がどうなっているのか情報も中々伝わって来ず、
そのままホテルにいても泊まることはできないと言われ、

わたしは1歳だった息子のことを考え、
歩いて行けそうな知り合いの家に向かって、たった1人歩き出しました。

都内には長く住んでいたこともあり、知り合いはたくさんいましたが、
震災の影響で電話は繋がらず、また、無事でいる保障もありません。

けれどそうするより他なかったわたしは歩き続け、
幸運なことに無事
親子一緒に眠りにつく場所を確保することができたのでした。



役に立ったのは、手づくりのケープ

まだ3月で寒く、歩いていると冷たい風がとても身に沁みました。
日没と共に段々と辺りは暗くなっていき、不安も大きくなっていきます。

息子のことがとても心配でした。

寒くないように、自分で作って使っていたハンドメイドケープで
息子を包み込み、歩き続けました。


歩いているうちに温かくなったのか、
次第にうとうとし出し、その内に眠りについた息子の姿に
とてもホッとしたのを今でもよく覚えています。



名古屋にて…

名古屋に帰ってきて震災の規模や現況、放射能の事を知りました。

自分の息子と同じぐらいの歳の子供たちが
外に出ることを制限されている、そうせざるを得ない状況を見て、

こんなにも元気で暴れん坊な時期に、外に出られないなんて…

と悲しくなりました。


震度5強の地震はわたしにとっても初めての経験で、
あの瞬間、わたしは「死」を感じました。

普通の生活ができることの有難みを実感し、
できることをしようと募金や寄付に協力し、

けれど、他にも何か出来ることはないか?

そう考えた時に、あの日役に立ったハンドメイドのケープを思い出したのです。



始まりと、行動

悲しいことですが、放射能の問題は
まだこれからも長く続く問題かと思います。

これからの子供たちの事を思い、
室内でも子供たちが思いっきり身体を動かせる施設ができたら…

ただ単純にそう思ったことを形にしてみようと、それが始まりでした。


その後、ハンドメイドやオークションなどでつくった10万で、
たったそれだけの元ででしたが、縫製工場を探しました。

いくつもの工場に問い合わせをして、
すぐに返信をくれた工場は1ヶ所…。

その他は、

・個人であること
・ママケープという限定された品
・出資金額の限界


などもあり、どうしても後回しにされがちで、
返信すら頂けない工場もありました。



シャインクール
マルチママケープの誕生!


返信の頂けた工場とのやり取りの中で、
工場で取り扱われている「シャインクール」という素材を知りました。

シャインクールというのは、スポーツウェアなどに使用される素材で、
UVカット機能、太陽光で消臭効果、抗菌効果、
速乾性(ぬらすと涼しく感じます)、ケバ立ち、毛玉防止などの
多くの機能を備えた生地です。


その時はちょうどこれから夏場を迎えるという時期でしたので、
この生地を使うことでより便利なママケープが生まれるのではないか?
と、そう思いました。

わたしの自作していた、おんぶに抱っこに使えるママケープが
暑さ対策もできる機能性にも優れたマルチママケープへ…

こうして生まれたのが、
シャインクールマルチママケープです!!!




実用新案特許の取得

シャインクールをYellow Heartオリジナルの商品にするため、
実用新案特許を取るために取得の書類を書いて提出しました。

本来なら代行の方を依頼して書いてもらうところですが…
お金がなかったので、自分で(笑)

実用新案登録第3172225号
おんぶ抱っこ授乳兼用 紫外線防止冷感ケープ

として受理され、晴れて特許取得済み商品として認定されました。



きいちゃんの思い

募金や寄付金以外で、自分が自分なりに無理のない範囲で出来ること。

わたしにとっては、それがYellow Heartでした。

元となった資金の10万がまずは12万になれば、
何もしないよりも目標に近付く。

小さいことでも長く続けたらチャンスはあるかもしれない。

夢はどんどん変化もしていくし
どんどん
沸いて出てきます!
子供たちの室内場所をやイベントつくって
たくさんの子供たちの笑顔を見ること

そして
東北復興のお手伝いになることができること
など




Yellow Heartでは、商品発売以来ママの声を取り入れ続けています。
改良に改良を重ね、更に実用的になったママケープや、
その他ママや子供のお役立ち商品をどうぞ1度ご覧ください。
 
  Yellow Heart ホームページはこちら



長く続いたこの文章を読んで下さってありがとうございます。

これからもYellow Heartと、わたし丸山をどうぞよろしくお願い致します。


2013.10.15  丸山(きいちゃん)



その後
余談

当初は単に 福島に子供が遊べる室内施設ができたらいいな

とっさの思いだけでした
でも
商品を通し知り合ったたくさんのママ
たくさんのいろいろな子供達
そういったかかわりの中で 必要なこと必要なものはそのつど変化していると感じました

当時は子供のための室内施設も多くありませんでしたが
どんどん企業も参入してきたり
大きな室内施設も出てきました。
また
名古屋でも子供歓迎の親子カフェがぞくぞくOPENしたり
二年三年の間でもどんどん変化しています。

障害を持つ子供の将来の仕事のこと
入院を長くしている子供&親のこと
今まで知らなかった世界も見ていくと
他にも必要なのに今ないものなど
たくさんあることに気づきました

マルチママケープをゆっくりでも知ってもらい
そして資金になるような商品にすること

まずはそこから

そして
その後に
必要なものを 子供の笑顔につながるものをつくりだすこと

その時に必要と感じたものにつなげていけたらと思うようになりました。

いまは
小児病棟へのボランティア参加ほか
福島の子供達のキャンプなどの活動をしている
愛チカラさんの応援支援
子育て支援団体への協力など
そういったことを個人でも
できることからやっていきます。

当初の志向とは変わってきてはいますが
子供達の笑顔をつくりたい
の根本は同じです。

今後もいろんな変化もあるかもしれませんが
どうぞよろしくお願いします。丸山