先日、私たち夫婦にとって、大切な存在の一人である旦那さま・ロンドさんのお母さんが亡くなられました。78歳でした。


昨日、近親者のみのお見送りを終えました。

お母さんに初めてお会いしたのは去年の夏。癌の闘病中と伺っていたのですが、治療の副作用の苦しみなどを見せることはなく、その表情はとてもおだやか。品があって、凛としていて、優しくて素敵。かっこいい!というのが第一印象でした。

私と妹が話している様子を眺めながら、「うちは男の子二人だったから、姉妹の会話っていいわね。小鳥がさえずってるみたい。可愛らしいわ。」と笑っていたお姿が今も鮮明に思い出されます。

ご自身がバリバリに働いてらしたキャリアウーマンだったこともあり、私の仕事も熱く応援!いつも励ましの言葉をかけてくださいました。

関東で地震があると、ロンドさんよりも先に、まず私に連絡をくださり、無事でいるか、一人で怖い思いをしていないか、気にかけてくれました。ロンドさんと一緒だと伝えると、よかったと安心されて…まだ三村家の一員になったばかりの私を、家族の一人として歓迎し、心の片隅にいつも居させて頂いていることを実感していました。


そんなお母さんたっての希望で、癌の化学治療を辞め、自宅療養を始めたのがひと月前。

それからは、ご自身で静かに幕を閉じるための細やかな作業を進められてきました。

ご自身も痛みがつらかったはずなのに、一番に心配していたことは遺していく家族のこと。とにかく生き甲斐として頑張っている仕事を優先させたい。息子たちに迷惑をかけたくない。そんな想いからか、電話口ではいつも明るくて。

私が最後にお話出来たのは、私の誕生日の夜でした。
「寒いから身体に気をつけて、楽しい夜を過ごしてね、またお会いするのを楽しみにしてるわ。」

その後、急激に容態が悪くなり…

少しでも元気づけよう!会いに行こう!
夫婦で会いにいくと決めていた12月12日の朝、お父さんとお姉さんもいらっしゃる中、息をひきとられました。初めて会った日を思い出す、おだやかなお顔でした。

葬儀はしない、お墓もいらない、ご香典は辞退する、仕事や先に入っていた用事を優先させて。全てお母さんご自身の希望です。自分で選んで自分で決めた幕引き。ロンドさんにしっかりと「私は幸せだったよ」の言葉を遺して。お母さん、かっこよすぎますよ。

ロンドさんの弟さんの奥さんも「こんなに優しいお母さんはいません…お母さんで幸せでした」そう話されていました。その姿をお手本に、これからたくさんのことを教わりたかった。とても、とても残念で、とても、とても寂しくて。


そして、旦那さまのロンドさんも。
お母さんのことをずっと心配しながらも、仕事では心の揺らぎを見せることなく。プライベートの不安を言い訳になどせず。いつも通りを貫き、関わってくださる人々の笑顔のために頑張っていました。

亡くなられてからも、お母さんの想いを汲んで、その事実を胸にしまい現場へ。

J1残留をかけた湘南ベルマーレ、昇格を狙う徳島ヴォルティスとの試合。湘南ベルマーレのスタジアムナビゲーターとして声を張り上げ、サポーターの皆さんと共に勝利を呼び込もうと励む姿を見守りに、私もスタジアムへ駆けつけました。

試合は引き分け、ベルマーレの残留が無事決定。



ベルマーレにとっても、ロンドさんにとっても辛かった今シーズン。そこから解放され、お母さんへの感謝もこみ上げてきて…辛い胸の内を周囲に悟られまいと張っていた気持ちの糸が緩んでしまい、泣けて泣けてしょうがなかったロンドさん。残留を決めた選手の皆さん、サポーターの皆さんを前にしても、その涙が止まることはありませんでした。

あの時のロンドさんは、スタジアムのどこかに、サポーターの皆さんのどこかに、お母さんの存在を強く感じていたのかもしれません。何せ、ベルマーレのことも応援し、心配されていたお母さんですから。マイクを通した声が涙で震えるたびに、心の中で何度も「最後まで頑張って!」とロンドさんにエールを送りました。


あなたはやっぱりお母さんの息子ですね。心根が優しくて、そして、かっこいいです。堪えようにも溢れた想いは決して無様ではありませんよ。お母さんはロンドさんの一番の応援団。そんな姿すら、誇りに思っていたことと思います。


急なお別れだったので、お母さんとの思い出の品を手にするたびに涙が出てきて…まだまだ心の整理はついていませんが…

お母さんのお心を決して忘れることなく、これからも夫婦で支え合いながら、家族、友人、仲間と、幸せの輪を広げ、最期には幸せだったと言えるように、日々を大事に歩んで行けたらと思っています。

どうか変わらぬあたたかな眼差しを、お空から家族に降り注いでいてくださいね。

お母さんに出会えて幸せでした。
ロンドさん、お母さんを私のお母さんにしてくれてありがとう。
お母さんのことが、これまでも、これからも、大好きです。