あっという間の1時間でした!
夢中になって本を1冊読み切った~!!という感覚、本当に久しぶりです。
最近はノンフィクションの刑事モノやビジネス本が多かったのですが、
この「ストグレ!」の様に読みやすく、また読後も爽やかな気持ちにさせてくれる本に出会えた事で、
また新たに小説をたくさん読んでみよう!という気になったほど。
著者の小川智子さんは映画「イノセントワールド」やテレビドラマ「スカイハイ」などを手がけた超有名な脚本家。
娘さんが空手をされているというあるお父さんの企画でこの小説が出来上がったそうなんですが、(こちらの道場 がモデルとのこと)
とにかく、主人公・光希(小学校5年生)が本当に魅力的なんです!!
わたしの娘をこんな風に育てたい・・・!先の見えない日本社会で、こんな女の子になってくれたらお母さん、安心、本望っ!てな感じのスーパー素敵な小学5年生の空手ガールが主役のホントに爽快な小説です。
あらすじはこんな感じ。
↓
マイホームができて、都内から都下の稲城市に引っ越してきた小5の西島光希。4歳のときから空手を習い、空手が大好きな光希は、新たな道場として『大濱道場』を選ぶ。
気合を入れて訪ねたその道場は、自動車整備工場の2階で、看板もボロボロ。さらに道場主の大濱先生はジャージ姿で、まったくやる気がなさそうだ。
「思いっきり空手がしたい……」
そう願う光希は交流試合を申し出て、さらには「親子空手教室」も企画するが、がんばるほどに学校内で浮いた存在になってしまう。
ぜんそく持ちの翼、両親との関係に悩む玲奈、いじめられっ子の桃太郎、いつもいらだっている悠太……。それぞれに問題を抱えた道場生たちが、光希の思いに引きよせられるように空手に打ち込んでいく。
そして夏休み、5人で空手道大会の団体戦に出場することになった。
もうね、コレ読んだだけで興奮ですよね。
ハリウッドの三幕構成よろしく苦難アリ波乱アリ、友情物語もありーのクライマックスでハラハラドキドキしーの・・・
もちろん空手をベースに小説全体が進行していくので、いろいろと盛り込まれながらも全くうるさくなくサクサク読めて、
光希のお母さんの気持ちになってみたり、ちょっと意地悪なお姉ちゃん、桃子に感情移入してみたり、終始凛とした強さを貫く光希に将来の娘の姿を重ねたりして・・・(うちの子はまだまだ小さいけれど)
新米ママさんで、忙しく、目の前の育児に一生懸命でこんな子に育ってほしいな、あんな子に育ってほしいなと思っていても、
「子供」のロールモデルを探すのってなかなか大変だと思うんですよね。
それって本人が見つけるものだし、親の理想を押し付ける事は子供にとってもよくないですしね。
でも私はこの小説で、「こんな子に育ってくれたら、すごく誇らしいし、娘もきっと充実した人生が送れるんじゃないかな?」という一つの理想の我が子像を垣間見る事が出来たんです。
コレ、すごく新しい発見で、小説で子育てにつながるヒントが得られると思ってなかったからすごく嬉しい!
私は常々、性犯罪やひきこもり、イジメやDVなどの様々な社会問題をニュースで見るたびに、
母親として、どうにか子供がその被害者にも加害者にも当事者にもならないように育てたいなと感じてきました。
携帯やネットで魅惑的なワナはたくさん転がっているし、誘惑や危険もそこらじゅうに溢れている。
それら一つ一つに触れさせないように籠の鳥にしなくても、自分でそういう所に近づかない判断ができる、賢く強い子になってもらいたい。例えばお友達に万引きしようよって誘われてもキッパリ断れて、かつその相手からいじめられたりしないような凛とした強さを持って欲しい。
それって母親一人じゃ、ちょっと難しいですよね。やはり、限界がある。
それでも昨今の核家族が当たり前ベースな日本で、どうしたらそんな風に子育てが出来るんだろうって考えたときに、
私はこの小説の題材にもなった空手などの「武道」や「道場に入門する」って、とってもとってもいいと思います。
前から娘には、痴漢や変質者に付け入られる隙を作らせないよう、
合気道や柔道、空手をやらせてあげたいな・・・と思っていたのですが、
この小説を読んでさらにその気持ちが強くなりました。
一つの事に打ち込み、言い訳をせず目標に向かってまっすぐ努力していく。
そんな生活を積み重ねていく中では、やれメールの返信が遅いだの、だれだれちゃんに無視されただので落ち込むようなヤワな精神は嫌でも鍛えられ、
物事の本質をしっかりと見つめられる子になってくれるんじゃないか、
そう思わせてくれました。
子育て中のすべてのパパ・ママに読んでみて欲しいです!!
あっ、タイトル「ストグレ!」の意味は小説本文内で明かされます☆
帰ってきたら、パパにも読んでもらわないとw
オススメ度★★★★★
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