昨日のNHKのクローズアップ現代に、FacebookのCOO、シェリル・サンドバーグさんが出演されていましたね。

Googleや米財務省首席補佐官を歴任しながら2人の子供を出産。

彼女の著書であり、全米大ベストセラーの「LEAN IN」は、一歩踏み出せ、というメッセージ。

「怖がらなければ何が出来る?」という強烈に心に訴えかけてくるフレーズを壁に掲げているFacebookでCOOとして働く彼女が、

結婚、出産により社会の中で働く事が難しくなっている現代の女性のために、

タイトル通り一歩踏み出し、本書を出版したそうです。


(この手のトピックを公に語ることは、非常にリスキーなんだそう。批評も沢山ある様です。)

社長に借りて読んでいますが、余りにも共感する所が多く、この本は育児をしながら仕事をする、またはこれから仕事に復帰したいと思う全ての女性に読んで貰って、ぜひ皆で感想を話したり、

アメリカとは状況の違う日本では現実的にどのようにしてシェリル・サンドバーグさんの提唱している姿勢を貫いてみたらいいのか、という意見を一人一人から聞いてみたい、と思いました。


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ハーバード大卒、現在は世界的企業を率いるまさに地位の高い女性・・・しかし?

常々思っている事ですが、専業ママもワーキングマザーも、未婚も既婚も、

同じ女性として手を繋ぎ、未来の子供達の為に今、出来る事があればしていきたいと思っています。

シェリル・サンドバーグさんの様に特別といえるキャリアを持っていなくても、

無数の共通の想いがあれば何かが動くかもしれない。

そしてそれはほんのささいなきっかけかもしれないな、と感じたので

私も一歩踏み出してみようと思いました。

結婚して子供を産んで働いてみて、

もしくは仕事を失ってみて、

世の中の現実に直面した時の驚きと落胆や、

それを補ってくれるものやそれでも腑に落ちない部分について

これから育児と仕事の両立に悩む若い世代と

活発に語り合える場所ってないかな?と思っています。

それがオンラインでもリアルでも構わないですが、

ぜひ、やってみたいな…

追記①:その夜

妊婦になる、ママになる、仕方なく時短勤務をする、退職を受け入れる、・・・などしていると、それまでスイスイ泳いできたこの世界という水槽には、サメやウツボ、大鯨にイワシの大群がいて、自分が進みたい方向にスムーズに向かうことを妨げているのでは?という感覚に一度は陥ると思います。

経験する前の自分はイワシの大群にまみれて同一方向しか見ていなかったので、すぐそばで助けを求めている小魚の事なんて考えたこともなかったと記憶しています。


「女性」というだけで、人生でそんなに損をした経験がそれまでに無かったからでしょうか。


妊娠したら、ママになったら、みんなから優遇されるものだとすっかり勘違いしていました。


子供を連れていると席を譲ってくれる優しい方々、通りがかりに微笑みを返してくれ、声をかけて、娘と遊んでくれる優しい優しい人たち。


でもそれは、私がいかにも「専業主婦然」とした見かけをして、


ヨタヨタと重そうなベビーカーを押してる「弱者」の瞬間だけなのかもしれない・・・とこの本を読んで感じました。


私が皆が安心する「ほのぼのとした、子育て中心で頑張って、偉そうに自分の意見をまくしたてなそうな母親」に見えたから。


同じ私でも子供をフルフル保育園にあずけ、ビシッと質の良いスーツを着込みウルトラブックを取り出して男勝りに昇進を勝ち取りにいっていたら、


通りがかりに手を差し伸べてくれた優しいおじさまたちがもしそのときの上司、同僚だったら・・・


「母親のくせに家庭をおろそかにして、よっぽど昇進にご執心だな。」


なんて英語直訳風に陰口たたかれるのかしら・・・なんて思いました。


子供を差し置いて何かを勝ち取ろうとすると批判も犠牲もセットでついてくる。


アメリカでさえもそうだったなんてビックリしました。


子供を差し置いて何かを勝ち取る生き方を全面的に賞賛しているわけではないんです。


でも、


彼女の本で一番強く感じたことと、先日アンジェリーナジョリーさんの国連安全保障理事会の会合での発言がシンクロしたのですが、


「紛争地域でのレイプを被害を無くすには、コンゴの5歳の女の子が警察署前でレイプされ、多くの性犯罪の犯人が罪に問われない現実を変えるには」


という問いに、有識者の多くが


「もっと多くの女性が権力のある地位につくことだ」


という答えを導き出しているという事実を知ったことで、


小さな子供を差し置いて働く事の是非なんて議論する気ははなからゼロだったのですが、それがマイナス一億五千万くらいになりました。


とにかくそういった被害を受ける女性がひとりでも少なくなる様に。

5歳だったら、日本の女の子だったら夕方はアニメをみて幼稚園でお遊戯会をしてママが作った美味しいご飯を食べて。


夜8時にはママとパパに見守られながら眠りについていく、という様な毎日を、ささやかに幸せに暮らしていた女の子に、


地獄のような恥辱と苦しみを与えた犯罪者が罪に問われない世の中を変えるために、


もし出来る事がそれ(多数の女性が昇進し自身の地位向上に努めて発言権を得る)しかないなら、


世の中の母親たちはもっともっと貪欲に出世に向かって何かを勝ち取ってもいい、と思ったんです。


専業主婦とワーキングマザー、未婚だ既婚だなんていって境界線をひいてる場合じゃないと思ったんです。


お互いの立場を否定し合って自分の生き方を肯定して一時的に満足を得てもそれが何だって言うんでしょう。


そんな事していて、コンゴの5歳の女の子が受けてしまった被害を無くす事が出来るんでしょうか?


絶対そんな暇はないはずです。


多数の女性が責任ある地位についてもし仮にそういった事態が改善されるなら


自分の子供はもちろん大事です。大事ですが、その様な被害を受けている遠い国(遠い国だけではなく、日本でも沖縄で6歳の女の子が強姦されたのち殺害された事件がありました)の小さな少女たちを助けられるなら、


少しの批判も物怖じしない、少しなら犠牲も払ってもいい、と思ってくれる女性が、


日本には、世界にも、もっときっとたくさんたくさんいると思うんです。


今現在そんな地位についていなくてもこれからそうなるかもしれない女性一人でも多くに、


この問題の解決を委ねていくと同時に、


日々忙しく、ニュースの片隅で聞いたこの話が風化しつつある普通のママさんにも、


ずっとずっと覚えていて欲しいな・・・と思いました。


仮に自分の為だけに、自己顕示欲を満たす為だけに出世を求めていたとしたら批判され易いのかもしれません。


でも、その背景に立派な志があるのであれば、


皆の代わりに声を上げてくれ、その様な地位に就くためにガムシャラに頑張っている人たちがいたら、


猛烈に応援してあげよう・・・そう思いました。


シェリル・サンドバーグさんからはそんな意識を勝手に感じ取ったので、


一人でも多くの方に読んで欲しい、と思ったのでした。


LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲/日本経済新聞出版社



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