「死ぬまでにしたい10のこと」主演のサラ・ポーリーによる監督作品、


「テイク・ディス・ワルツ」を見ました。


※思いっきりネタバレしておりますのでご了承ください。



新米ママの日記

映画全体の色使いがオシャレ過ぎて鼻血が出ます・・・!


この映画、優しくて自分を愛してくれる旦那様がいるのに勝手に運命を感じた男と駆け落ちするしょうもない人妻の話です。


結婚5年目(という設定)だから、そりゃお互いに飽きもくるし会話もなくなるでしょう。


でもいつまでも女として熱烈に愛されたい精神不安定な妙齢の女性。若すぎはないけれど、女を捨てるには早すぎる年齢。なのに夫は自分を激しく求めてこない。そんな時に運命的に現れたイケメン。グラつく人妻。


思い切って夫をポイ捨て、逃避行、エイやっ!晴れて刺激的なセックス三昧の日々。


でもしばらくすると相手にまた飽きてきて、冒頭と同じ倦怠感たっぷりの生活が続いていく。全然ハッピーエンドじゃない、ある意味で残酷な映画でした。


主人公マーゴたちが住む家、衣装、音楽、不倫デートの場所の全てが洗練されているしマーゴ演じるミシェル・ウィリアムズが可愛いからなんとか観れたものの、


これ、例えばセンスの欠片もないダサいアパートで全然可愛くもない人がこの状態で駆け落ちとかしてたらパンチが飛んできそうな内容です。



新米ママの日記
それにしても、「ラジオスターの悲劇」の名曲っぷりときたら・・・


映画を見ながら、最近読んだ本の帯に書いてあったこんな事を思い出していました。


人は「判断力の欠如」で結婚し、

「忍耐力の欠如」で離婚し、

「記憶力の欠如」で再婚する


-アルマン・サラクル-


主人公のマーゴは結婚していましたが、子供はいませんでした。


なので、ある意味そこで「忍耐」をする必要はないっちゃないと思います。


いくらしょうもなくても、本人が「女」として生きたい!と感じたらそうしても(夫を捨てても)いいんじゃないかな?と思いました。もちろん全て自己責任で。


元夫が成功しているのを目の当たりにして急に元夫のことが恋しくなっても、新恋人との刺激的な生活がマンネリ化しても、別に虚無感を抱き続けるのは彼女だけなんですから。


でも、


「どんなに新しいものもいつか古くなる」


それが真理だとも思いました。


これはこの映画の中で、年配のおばちゃんが全裸でマーゴ達に向かってシャワー室で呟いたセリフです。


あと、マーゴの親戚の女性、アルコール依存症で幼い娘がいる彼女は、ある映画評ではマーゴと同類の様に書かれていたし、映画の中でもマーゴの方がヒドイ!と本人はのたまっていましたが、


やっぱり自分の娘を不幸にしようとする人間が、マーゴよりもマシだとはどうしても思えませんでした。


人は、自分自身の為にはあまり忍耐ができない生き物なのかもしれません。


コンカツで妥協が出来ない人がいるのは、それが自分だけの為だからなのかも・・・と思ったり。


でも、愛する子供の幸せのためなら、


自我を殺す事も、自分を変える事も、厭わないのが母親だと最近は感じます。


私は母親になって日が浅く、子供を産み、育てる中で、


自分には母親としての覚悟や潔さが足りない、と思う事がしょっちゅうです。


子育て中はいくら恥ずかしい事や失敗をしたって、仮に側に穴があったって入れません。


何故ならもう子供は生まれていて、日々成長しているのです。穴にこもって恥ずかしさが消えるのなんて待ってくれません。


ゆっくり「完璧な母親」になるのを、待ってくれないんです。だから、自分が成長し形を柔軟に変えていくしかない。


母親になるという事は、本当に自己犠牲の精神をその都度試されている様な気がしてならない日々です。


心心心


ある時、とあるオーディションに呼ばれて、若い女の子達に混じって撮影をした事があります。

それも、十数人の若い子たち。当たり前ですがとてつもない違和感を感じました。


しかし実は、年齢は私と一緒の方もいて、年齢の差が私が感じた違和感の一番の理由とも言えず、


この不思議な居心地の悪さはなんだろう・・・と悶々と感じていました。


そして、すぐにハッと気がつきました。


彼女たちは「自分の為に生きている」と。自分のパワーを100%自分に使っている。自分に向ける事が出来る。


対して私は自分の子供に自分の人生を半ば捧げている。子供が風邪をひいたり怪我をしていたらこの場には絶対にいない。その差だ、その差っていうのはもの凄く大きいんだ・・・と。


その証拠に現場でいちばん会話が弾んだのは、小さな娘さんを連れていたプロデューサーさんの奥様でした。


心心心


だから、私は子供のいないマーゴが「女」として生きたいからと、旦那さんのもとを離れる事を批判したりはしません。


娘がいるくせにアルコール依存症になって娘をほったらかし警察に連行された義姉がいちばん嫌いです。


母と娘に関しては、この様な目に見える問題がなく、世間的には「良い母親」でも、「毒親」と呼ばれ


娘の心に重大な影を落とすケースもあるので、一概には言えないのですけどね。


(アル中の母親でも、底抜けに明るく暴力を振るわず適度に放任してくれたら素直な子が育つかも・・・しれないし・・・)


歪んだ心がいちばん問題なようです。


次回は「毒親」と、そのオススメ書籍について書いてみようと思います。