皆様、事件です。


こちらNHK出版より発売されている「女子会2.0 Girl talk 2.0」の内容が、事件なのです・・・!


女子会2.0/NHK出版
¥1,365
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心心心


先日、私も女子会に行きました。銀座の、おしゃれでキラキラした照明が吊るされ、ウェルカムシャンパンが出てくるようなところで。でも違うんです、この女子会はそんなんじゃない。


安室奈美恵さんの「girl talk」という歌があります。


「誰にも割り込めないgirl talk エスカレートするレディース達と・・・」という歌詞があるのですが、この歌を聞くと誰かのお部屋でお菓子とお酒片手に飲み明かすガールズ達が浮かぶのですが、実はこの歌詞はそのまま今回の「女子会2.0」にもピッタリ当てはまっています。でも内容が・・・全然違う・・・!


エスカレートするレディ達の・・・誰にも割り込めないgirl talkが繰り広げられているのです・・・!!


そんなレディ達の名は


千田有紀(45) 社会学者

水無田気流(43) 詩人・社会学者

西森路代(41) ライター               

石崎裕子(40) 独立行政法人国立女性教育館・専門職員

白河桃子(52) 少子化ジャーナリスト・作家

古市憲寿(29歳:一人だけメンズ・オブザーバー)


と、揃いも揃って婚活や女子の生き様のスペシャリスト・・・!白河さんは婚活関連の著書多数に加え、当ブログでもご紹介した「セレブ妻になれる人、なれない人」という素晴らしい本を発表するなど悩める現代女性の救世主。


その他の方々も圧倒的な知識を併せ持つインテリ系の方たちで、皆様それぞれ著書があり、正に、夢のメンバーで現代を生きる女子に鋭い「妖刀」で切り込んでくるのです・・・!


読んでいる途中に何度激しく頷いた事でしょう。周りをただ歩いている人でも誰でもいいから、この本の内容について激しく語り合いたい衝動に駆られました。


とにかく内容が濃すぎるので書評を4回に分けて書きたいくらいです。


いかに素晴らしい本かは本書を読んで頂ければわかるとして、モモスムはそんな暇などない方向けに簡単に内容のご紹介と洒落こませていただきたいと存じます。


心心心


本書は全3パートに分かれていて、それぞれ座談会と論考、コラムなどが織り込まれそのどれもが「あぁ・・・何となく思ってたけどそういう歴史があったのか」「私も常々思っていたことにござります」と叫びたい内容ばかり。


例えば第一章では、


結婚で幸せになれますか?/恋愛と結婚はつながっているのか?/憧れか、リスクか、専業主婦


など、香ばしすぎるタイトルラインナップ。あぁ、本当に現代女子が持つ素朴な疑問の明白過ぎる答えが全てこの本に書かれています。


実は、最近メッセージでいただくことの多い婚活相談。本当はじっくり個別に対応させていただきたいのですが、数が多すぎるので、この様に関連エントリでまとめてお返事・・・とさせていただきたいと思います。皆様にはまずこの本を買っていただきたい。それで大方の悩みは解決する気がします。それほど素晴らしい本なのです。


また、頂く相談の中でもとにかく多いのが、「自分は自然に恋愛をしてそして結婚をしたい」という意見。お見合いや婚活サイトは嫌だ、っていう方がビックリするほど多いんです。


これについては本書でも詳しく述べてありますが、世の中の女性は自然に出会い恋愛関係に発展して、その後結婚→出産というコースを何故か当たり前だと思っている方が多い。


モモスムはいつも思います。そんなの、誰が決めたんですか?誰かがそれ(自然に恋愛→結婚、出産)じゃなきゃダメっていったんでしょうか?まさか、まわりの無責任な誰かが「そのコースじゃなきゃ恥ずかしい」って口走ったのを、世の中の常識として頭にインプットしているのでしょうか・・・?


本書は、実はそんなものは激しい思い込みで、しかもその思い込みに専門用語がついていることさえも教えてくれます。


そう、その専門用語の名は、「ロマンティック・ラブ・イデオロギー」


「一生に一度の運命の相手に出会って恋をして、結婚して子供を作ってその後も一生添い遂げること」を当たり前である、理想とする考え方のことを「ロマンティック・ラブ・イデオロギー(幻想)」と呼ぶのですが、


この考え方は以前は全く当たり前ではなく、近代以前の日本では結婚しない人も多かったそう。


ましてや現代日本で理想の相手に自然に巡り合って恋をして結婚することの何たる難しいことか・・・!ですよね。


婚活サイトやお見合いエージェント、家族のコネや積極的な婚活抜きにして理想の相手と自然に巡り会えると思っているのがそもそもの間違いだということと、


恋愛と結婚がいっしょくたになる前の結婚は政治的で、むしろ経済活動という位置づけでもあった事実の検証から派生して、


母性イデオロギーや家庭イデオロギーがぐちゃぐちゃに一緒になって現在私たちがよく知っている「理想の近代家族の形」ができあがったこと、などなど・・・


普通に女性誌パラパラめくってるだけじゃ考えもつかない色々な常識がこの本を読んでいると飛び出してきます。不意打ちに注意です。事実という名の知識の矢がグサグサと刺さります。


そしてこの知識達のいいところは、直接私たちの生き方に関わってくるということ。明日から即役に立ちます。「結婚」「婚活」に対する思い込みが外れるので、スルっとスムーズに人生のコマを進めていける事でしょう。


女として生きている以上、働きながら子供を育てるのが簡単じゃない国で頑張って婚活したり子育てしたりしてる以上、「ちょっとアナタもこれ知っておかないと・・・!」という、


「女」と「女の生き方」にまつわるふか~~~~い知識や考察がたくさん詰まっている。


さすが社会学者、専門家にライターが集まって「女子会」を開いただけのことはあります・・・!


これはもう、単なる知識でなく現代日本を生きる上で私たちが持っていなくてはならない必須の「知恵袋」なのではないでしょうか・・・?!


更にコチラの知恵袋にはこんな事も書いてあります。


専業主婦を選択するリスク/憧れとしての専業主婦/統計に現れた専業主婦志向


大卒女性の貧困層の増加、未だに強い「女は3歳までは家にいて子育てしてね、ただし俺の少ない給料で」「あっやっぱキツイから共働きプリーズ」「えっ保育園空きないの~?じゃ専業主婦でいいけど月々食費3万円でよろしく」などの世知辛い世の中・・・


だからか、ただ単に専業主婦ってだけでモモスムに講演のお話が舞い込んでくる時代です。さぁ、本当にそんないいものなのでしょうか専業主婦。So does ワーキングマザー。みなさんは、どう思いますか?この件に関しては別途、じっくり取り組んでいきたいと思いますよ。


そして本書の最後には、「バブル期のお母さんを見習わない」と金の文言が記されていますが正におっしゃるとおり。


自分たちのお母さん世代の「女としての勝ち組理論」はもはや現代では全く通用しないのに、


「お母さんが専業主婦で幸せそうだったし、私も専業主婦になりたい(なれるはず)」と考えるのは


単に思考を怠けているだけとしか思えません、


と一蹴するがの如く事実弾を連射してきます。


そして、


一度結婚して離婚した人は結婚願望とか結婚幻想とか全くなくなって凄く身軽になって、一人を満喫している


一回幻想(結婚・子供)を手に入れてそれを解き放ったとき、女性は一番身軽になる


そう、女性が真に解脱するのは、そのあとだ・・・という名文が飛び出すなど、全223ページ、1ページたりとも読みこぼしたくない濃い内容。


終わりに白河さんが提唱した恐ろしすぎるほど共感出来る現代日本にぴったりの子育てスタイルを読んだときは、


谷崎潤一郎の「痴人の愛」で、主人公のナオミが「おほほほほ」と不気味に笑う描写を読んで鳥肌が立った以来、文章でゾクゾクするという体験をしました。


その内容は、本書を読んでのお楽しみ、という事で・・・