日本橋三越。


元祖セレブ妻が通い詰めていそうな場所ナンバー1なのかしら・・・と“セレブ妻ウオッチャー”としても活動するモモスム、ふらりとその重厚な建物に吸い込まれるように入ってしまいました。


さすが、東京都選定歴史的建造物。隣接する三井住友銀行の重厚でレトロな感じ・・・この建物に出勤するエリート・サラリーマンの方々は、知らず知らずのうちに選民意識を育んでいそうです。モモスムの購入した、酒井順子氏の「下に見る人」を読むには絶好のロケーションなのではないでしょうか・・・!


下に見る人/角川書店(角川グループパブリッシング)
¥1,365
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酒井さんといえば「負け犬の遠吠え」(2003年に発表され、各賞を受賞、流行語大賞入りにも)をお書きになった事で余りにも有名です。あれから10年が過ぎました。あの頃、モモスムは少し弄れたティーンエイジャー。この本の存在で、「あら、30代で未婚で子無しっていうのは負け組なのかしら」と知らないうちに刷り込まれていたのかもしれません。


しかも、婚活学の神様白河桃子さんとの対談も!

スペシャル対談 「引退ラインがどんどん延びていく」


ところが実際にこの本を読んだことのない私は、著者がその実既婚+子持ち女性、目の下にクマを作り夜もロクに寝れずに子育てに励む友人たちを「子育て地獄にハマっている」「ああはなりたくない」などと思っていることも知りませんでした。


しかし本作、「下に見る人」ではそんな自身の心境もまた変化、現代日本において子供を持つことはもはや希少価値で「持っていると自慢できるもの」になったと記しています。


そしてかつて哀れんでいた友人達の子供も手を離れ、目の下のクマも消えキャリアも結婚も子供も自由も・・・と手にし始めると、子育て地獄も延々に続くものではないのね、と今度は哀れんでいた友人に逆に可哀想と思われ・・・と立場が逆転したとのこと。


しかしその後、40代に突入すると今度は彼女たちの子供が反抗期を迎えたりオタクになったりと、子育てもやはり苦行と悟りそこは素直に尊敬出来、お互いが歩み寄る時代になる・・・と書かれています。


この考察だけで「なるほどな~」と思うことが沢山ありますよね。


本作「下に見る人」は、そんな「結婚、出産」を基準にした「上、下」だけでなく、


女子高生

地方出身者

男尊女卑

素人・玄人

おばさん

ブス


など、とてもじゃないけれど立ち読みだけで済ませられるラインナップではなかったので、林真理子先生の新刊にも興味惹かれたのですがコチラを購入した次第であります。


帯にも書かれていた「人が集えば必ず生まれる序列に区別、差別にいじめ。なぜ人は、人を下に見てしまうのか。」という一文の答えをどうしても知りたかったというのもあるかもしれません。


現代人がfacebookや各種SNSで己の幸せをさらけ出すのは、「人よりも秀でていたい」という思い、そしてそれをみんなに分かってもらいたいという強烈な自己承認欲求の証、そして更に業が深いのは、そう気づいていてもやめられない事・・・


そんな無限ループの答えを自分なりに見つけてみたいと思っていた、というのも一つあります。


酒井順子氏の敬愛する「源氏物語」の作者である紫式部も、1000年も昔に同様の欲望を綴っており、現代語訳すると


「ブスを笑いたい」

「モテ男を不幸にしたい」

「専業主婦になりたい※紫式部は宮中に宮仕えする、現代で言うところのキャリア・ウーマン


などの生々しい感情を書く事で発散していたのではないか、と言われています。


ブスを笑いたい、ってアナタ・・・なんてリアルでナマナマしい感情なのでしょうか・・・!


清少納言を「教養をひけらかしている」と批評していながら、自分も教養をアピールしたりと、自分が本当は自慢したくてしょうがないから他人の自慢がカチンとくる事を鋭く指摘する酒井さんの考察に、コチラの本も買わなければ・・・と買いたい本リストの山に悩むモモスムであります。


紫式部の欲望/集英社
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モモスムは、いち早くこの「上下ハッキリさせようよ戦争」から解脱したいので、己の心を「美輪明宏」「木村藤子」「沖縄のユタ」に近づけるべく日々「苦行」を受け入れようと僧侶のような心持ちで生活してみていますが、人生経験が少なすぎて悟りを開くにはほど遠く、その道のりは万里の長城に挑むがごとくであると恐れおののいております。


また本書で一番痺れた項目、


ブス 


において、キジカナ(木嶋佳苗)に憤る女性を通じて醜女の尋常でないパワーを論考する文章を読みアドレナリンが大量に分泌されてしまうなど、まだまだモモスムと俗世界との縁は切れそうにありません。


天上界で蓮の華の上を舞うような心持ちで生活したいとは思うものの、「人間」、特に業(カルマ)の深い「女子」に対する考察がやめられない・・・止まらない、もはやじゃがりこなのかかっぱえびせんなのか分からない・・・そんなものに心惹かれる年頃なのでございます。


木嶋佳苗被告の犯罪は皆様の記憶に新しいところだと思いますが、彼女が世間の女達の心を鷲掴みにしたのは、「美人でないのに美人がしでかしそうな犯罪を犯し、しかもふてぶてしい態度」だからだった、といいます。


わざわざ裁判を傍聴する追っかけまで存在し、その女性たちは「顔の造作がイマイチでも、男を虜にし結婚詐欺まで働ける女子力の高さの秘密が知りたい」と熱望していたそう。


私も関連本を購入したなかっただけで、キジカナに関しては並々ならぬ興味を抱いており、ネットで拾える情報はあらかた拾い尽くしました。


キジカナは容姿こそイケてなかったかものの(155cmで推定100㌔)、お菓子作りが趣味で、加えて声が大変可愛かったらしいのです。


そして様々な専門家の言葉を借りると、家庭的で優しいイメージを演出し、「美人」じゃないことで相手を安心させ、体を武器にした・・・などが結婚詐欺に成功した要因だと言われています。キジカナが尋常じゃないモテ方をした理由は一つだけじゃない、と。


しかしモモスム的には、キジカナの卓越したモテの理由はただ一つ、その「洗脳技術」じゃないかと思っているのです。


苫米地さんという、オウム真理教の信者を脱洗脳させた専門家の方がいるのですが、一時期モモスムも洗脳技術に興味をもって調べていた時期がありました。


モテ=演出≒洗脳なのではないか?との仮説に基づき、実行、検証してみようと思い立ったからです。


その研究の背景には、世の女性がキジカナに対してもった感情の様に、「どうしてあんな人がモテるのだろう?」という嫉妬にも近い感情を科学する為と、以前記事にした事のある凄腕ナンパ師のブログを熟読するうちに、ナンパをしてその日にお持ち帰りする技術はもはや洗脳と呼ぶに近い、と確信していたからでした。


やはりと言いましょうか、キジカナは相手の心を操り思い通りに動かすことに快感を感じるタイプだったようで、キジカナに騙された男性はお金を振り込んだあとも一切返金を求めなかったといいます。凄すぎますよね・・・騙された人の手記やインタビューなどを読み込むと、「これは、確信犯的に洗脳をしたとしか思えない」というエピソードがざくざく出てくるのです・・・


キジカナの手練手管に比べたら、合コンでその日のうちに女性をお持ち帰りする技術なんて、まるで簡単なように思えてくるからあら不思議。


私は人の心を操ることはもはや「神への冒涜」なのではないかと思ったのと、「(モテて)だから何なんだ」と思ったので実行には至りませんでしたが、世の中には洗脳の得意な人が大勢いるので気を付けようと、「攻撃に対して身を守る為の知識」を身につける為にこの分野は結構勉強しました。


そんな青春時代だったので、人生後半は解脱して、何も考えずにふわふわお花畑を散歩するように生きていきたいと熱望しているにも関わらず「女の業」ばかりに脳みそが反応してしまう・・・そんなモモスムの日記ですが、これからもひとつ、よろしくお願い致します。