1時間23分。

朝、何となく早く目覚めて友人に借りた「セシルのもくろみ」を読みはじめ、読み終わって気が付いたらそんな時間が経っていました。

娘のお弁当も作らず、夢中になってしまった…無事間に合ったので良かったけど、こんなにスイスイ読めてグイグイと引き込まれる小説も久しぶり。というか一日ぶり。

同じお友達に借りて昨日読み終わった堀江貴文さんの「成金」もそれと同じくらい面白かったから…

選ぶ本のテイストが似ている友達から借りる本は間違いないですね!

そして、今回の「セシルのもくろみ」はズバリ


「ごく普通の専業主婦が読者モデル→専属モデルになるまで」


が主な軸となるストーリー展開で、

まぁ~面白い。

世代はアラフォー、そしてSTORYという女性誌で実際に連載されていたというだけあって女性の心を掴んで離さないテンポの良い展開。

エグい戦いあり、ちょっとした妻・母の冒険あり、女のリアルな姿アリ…と言いたいところですがリアルに関しては☆☆☆かな?その理由は…

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~ここからネタバレ注意~

専業主婦の奈央は38歳。息子と夫と平凡に幸せに暮らしています。

で、読者モデル界に足を踏み入れてしまった事から平凡な幸せが壊れ不幸に…とはならない。


不倫までしますが何となく最後まで幸せ。他のキャラは結構奈落の底に突き落とされるレベルですが、奈央は妬まれたりするだけで基本スイスイ色んな物を手に入れていきます。

前述したリアルさが☆☆☆の理由は、奈央を蹴落とそうとするキャラ達のわざとらしいセリフや行動の数々。小説だからしょうがないけど今時絶対そんなあからさまに言う人いないよな~てな感じ。

それに、裕福なお嬢様タイプの奥さんが妬みから周りを蹴落とすために怪文書と写真を編集部に送りつけるエピソードも。裕福で恵まれてたらそんな事しないだろうなぁ、なんて。いくら嫉妬してても…そうでもいのかしら?

そもそも奈央が読モになるキッカケとなった友人、文香のわざとらし過ぎる嫉妬心もあり得ないかな?と…自分で読モに応募しておいて自分だけ落ちたら「そんな下品な事するなんて信じられない」とか牽制してみたり。

ですが、専業主婦・ワーママ・独身女性の溝や、平凡な女の心に宿り始める野心の芽生え方などの描写はとてもリアルだった気がします。

とかいいつつもそこまで過激に書いてくださるからこそのエンターテイメントなんですよね。だからこそ、死ぬほど面白かったですし…

アラフォー読モ界、VERYやSTORYなどはある程度裕福な奥様でなければ務まらないとは又聞きしていましたが、
これほどとは…!と小説で引用されるファッションアイテムの値段で知る事となりました。

奈央は、何となくVERYの専属モデル「タキマキ」さん風なのかな、と一瞬思いましたがタキマキさんの方がナチュラルにセレブなのかな?

奈央はタワマン妻とはいえ勤め人の妻ですし…なんですが、以前ソロモン流で「自分は普通が魅力」みたいな事を仰ってたタキマキさんを、本作を読みながら何度か思い出しました。

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