電車男・モテキ・宇宙兄弟・告白などの映画プロデュースを手掛け、
プロデュースだけではその才能を活かしきれず小説界にも進出、そして処女作「世界から猫が消えたなら」も70万部を突破し映画化も決定しているというトップクリエイター、川村元気さんの今売れに売れている話題作、
億男を読み終わりました~
電車の吊り広告を見かけたパパが読みたいと言っていたので、お土産に買っておいて私も先日読了しました。帯も豪華ですよね。大泉洋さんが帯をお書きになるのは初めてだそう。
こちらはよくある「お金持ちになる為のハウツー本」ではなく、
「急に宝くじで3億円を手にした男(借金あり)の、お金と幸せと人生の学びの旅にまつわる小説」です。
弟が残した数千万円の借金を肩代わりして、妻と娘の幸せな生活をぶち壊し昼と夜の仕事を掛け持ちしながらたった一人で働き続ける男に、突然3億円の宝くじが当選する・・・というお話。
ここまでの情報だと、「やったー!借金そっこー返してマンション買って子供の教育費残してちょっと海外旅行にでも行っちゃえー!Happily ever afterだー!!」
ってなると思うんですけど、そうじゃないのがこの小説の醍醐味であり、またわざわざこのテーマを小説にした意味もあるってもんです。
※ここからネタバレあり
主人公の一男はまず、女で妻で母の私からするとバカモンです。
弟の三千万円の借金を肩代わりしなくてはならなかった時、妻の両親から資金援助の話が出たのにそれを突っぱねる。ここでもうハァ?バカじゃないの?プライドで飯が食えるかよ!ってなってしまいます。(あっ、言葉遣い気をつけないと・・・)
その決断のせいで妻との間に決定的な溝ができ、大事な妻と娘と暮らす幸せを失う。3億円あっても買えない幸せがあることを悟る。
一男が3億円の宝くじを当ててからキーになっていくのは、大学時代共に落語研究会に所属していた九十九(つくも)という男。クセ毛で伏し目がちで猫背でどもっている天才肌。
「こういう人って天才なんだよね」みたいな描写で終始描かれる彼は、一男と親友として落語研究会でその才能を発揮するも、「人まね」をする才能を株取引にも活かしあっというまに億万長者になっていく。
そして平凡な一男とは疎遠になっていき、九十九は時価総額数百億の企業買収劇で信頼していた仲間を失い、だだっぴろい部屋でただ日々を暮らしているところに、
一男が3億円持って「お金と幸せの答えを教えてくれ」とやってくるという・・・
色々ピックアップすべき箇所は沢山ありましたが、私的に心に残ったのは
「お金が好き?好きなら一万円札の重さや大きさを知っているの?」と聞くシーン。
もちろん一男は知らない、と答えるんだけれども、九十九は本当に興味があるものだったらこんな情報知ってるはず。つまるところ、君はそんなにお金が好きじゃないんだと諭すところが興味深かったです。
その後九十九が意図して一男の三億円をどこかへ隠し失踪、その後九十九と会社を立ち上げたメンバー3人をたずねまわりお金と幸せについての話を聞いていくストーリーなのですが、
私的なこの小説での一番の学びはここでした。
子供の子育ての事、教育の事、しつけの事、家庭の事、妻としての事、母としての事、幸せの事、ママとして叶えたい仕事の事。
徹底的に、真剣に研究しよう~って、思えました。色々なものに、もっと真剣に向き合おう、と思えたんですね。お金が好きなら一万円札の重さや長さを熟知するべきなように、子育てに対してももっと真剣に向き合おう!って。クルーズ旅行にも笑
以前ほどではないけれど、今は娘が赤ちゃんのときに比べて圧倒的に独身時代の読書量が戻ってきていて、
やっぱり本が大好きだなぁと思い直すきっかけにもなり、そして、時代を象徴する今売れている本をリアルタイムで読むこともやっぱり大事だなぁと思うことが出来ました。
仕事と学びと遊び、そして家庭人としての役割の時間配分やその時間が子育てに与える相乗効果って本当に大事だなぁとも感じました。
子育てだって、教育だって、こうした自分への投資ではないですが学びの時間の中から得る気づきなども多いし、
昨日読んだ子育て本(女の子を伸ばす母親は、ここが違う→★ )だって単価はたったの500円程度、だけれども、私がその本を読んで得た知識をきちんと実践できれば娘にとっても親である私にとってもはその価値はお金では計り知れないわけで
やはり何事にも真剣に向き合いたいなぁと感じた次第であります