2世代で号泣 「映画 八日目の蝉」

昨日は娘が昼寝している時に、義理のお母さんとなんとなくノンビリしていて、

一度見たことがあったのですが何となく心に残っていた「八日目の蝉」を視聴してみました。

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結論としては、3~4歳の女の子を育てているお母さんは見ない方が良いかも…と思ってしまいました。

私は終始号泣していて、今日は目が腫れぼったくなってしまっています。

涙を誘うなんてレベルではなく、翌日の社交や仕事に影響があるレベルなのです。

既に本作ご覧になった方はご存知でしょうが、制作当時2011年頃にも大ヒットの影響で、あらすじやら大体の作品イメージの世間的認知度は高い映画ですよね。

そう、不倫相手に中絶をさせ精神的に追い詰めた夫婦の赤ちゃんを、その不倫相手が誘拐してしまうー 

皮肉なことに、その不倫相手(映画版では永作博美)はその赤ちゃん(後の井上真央)を愛情たっぷりに育て、4歳で実の両親の元に無事保護されるも上手く適応出来ないほど。

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せっかく帰ってきたけれど、「ママ」に会いたくなって家から飛び出してしまう「かおるちゃん(誘拐犯が付けた名前、本当はえりな)」

※ここからネタバレあり

個人的に3歳の娘を育てている身として、胸がキリキリキリッと痛む感覚を覚える場面が何度もありました。

実は一度見たことのある映画だったのですが、子育てを経てから見返した今回、

娘の声と誘拐された少女の声・年齢が近かったこともあり感情移入し過ぎて大変でした…

母親の愛情ってなに

自分で産んだわけでもない、ましてや憎かった相手の子供を誘拐してきてしまった主人公ですが、

その後の育て方が余りにも愛情深く、娘側の懐き具合なども重なり、離れ離れになると分かっていながら2人の心の交流を描くシーンを見るのは辛いものでした。

「エンジェルホーム」と呼ばれる女性のみの施設に逃げ込み穏やかに暮らす2人。3歳まで守られて暮らしながらも、施設運営の問題から警察の介入を恐れまた別の場所で身を寄せる訳ですが…

私が特に悲しかったのは、その後の2人の心の交流があるシーンです。

赤ちゃんの時は、まださほど母娘という感じはしない。でも、3歳で施設を出る時に娘を慰めようと歌う「お星さまの歌」のシーン。

その辺りから、永作博美演じる主人公の「母親」の愛情が苦しいほど伝わってくるのです。

その歌を覚えている娘。新しい、というか本来のお母さんに「お星さまのうた歌って」と頼むも普通のキラキラ星の歌などを歌ってしまう母。違うよー、ほら、あの歌だよ…大好きなママが歌ってくれたやつ…
(坂本九の歌)

娘に愛情を与えれば与えるほど、誘拐犯の女の影響が見え隠れし精神を病む母親。取り乱しヒステリックになり、ごめんなさい!と涙する娘。

このシーンで私は、「この子が悪いわけでは無いんだからこの子に当たらないで欲しい」と思ってしまうわけですが、

幼い彼女にとって、全幅の信頼を寄せていた愛しい母親と引き離され知らないおじさんとおばさん(本当の両親)のもとギクシャク暮らすことは、絶対的に正しいことですが、幸せではありません。

子供を誘拐されてしまい、母としての日々を奪われた女性が、4年間赤の他人の手で育てられた子供と上手く生活することも難しいでしょう。

「母親ってなんだろう」

そんな想いで映画を見続けました。

さて、時系列は前後しながら、ホームを出て小豆島で暮らす「母娘」2人の幸せな生活の描写が続きます。

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子供にとって「良い母親」とは

ここでの生活が幸せで穏やか過ぎて、また永作博美演じる母親の「かおる」ちゃんに対する愛情のシーンの連続で私の涙腺は崩壊しました。

・2人で古いママチャリで買い物に行くシーン
・神社か何かにお参りして、「かおる」とずーっとおれますようにーとお願いしたよ、と話すシーン
・「かおる」が、男の人と結婚しない!ずっとママとおる!というシーン
・海が見渡せる原っぱに寝転びながら、幸せそうに2人で何気無く過ごすシーン

この小豆島で「かおる」ちゃんは、間違いなく幸せだったように描写されます。誘拐されたのに、惜しみない愛情を与えられ、運良く居候先も見つかり、素朴に幸せに暮らす。

でも、地元のお祭りに参加しアマチュアカメラマンにその様子を撮られ、全国紙にその写真が載ってしまったことから永作博美は島を出ようと決意します。

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カメラの存在を見て、一度は顔を隠すものの、

「キレイなものをいっぱいみよう!」と約束した2人。かおるに「ママ、綺麗だよー!!」と言われ、思わず段々畑に広がる灯火の美しさに目を奪われてしまう。

結果的にこの時の気の緩みで捕まってしまう訳ですが、親子で「キレイなものを見る」が叶ったシーンだったんですよね…悲しすぎます。

見たくない、母と娘が引き離されるシーン

そして2人は島を出ることに。その前に写真館に行き写真を撮る2人。捕まることを覚悟した永作博美の、「かおる」にかける言葉。

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その後フェリー乗り場の売店でメロンパンを選ぶ「かおる」ちゃん。自分の娘みたいなチョイスにここから既に号泣でした。店を出ると車から降りた私服警察官。逃げられない。終わりを悟る永作博美。

「先に行ってて」と促すも、ママと行く、とゴネるも、引き離される2人。「ママー、ママー!!」と叫び続ける「かおる」。

そして有名な、ご飯の心配をする永作博美のシーン。

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その子は、まだご飯を食べていません!

するとちょうど昼寝から起きた娘が私の後ろにやってきて画面を見て、

「お友達のママ、どこへ行っちゃうの?」

と聞いてきました。

義理ママと2人、「どこに行くんだろうね~…」と答えるも、刑務所とも言えず、答えきれずにいました。

3歳の子供的には「ママー!」と叫んでいるお友達がママと引き離されているのを見れば、そこにある複雑な事情なんてわからない。実は悪い人だから刑務所に行くのよ、お友達には優しかったんだけどね…とか説明出来ないしな、と思いながら、

4歳のかおるちゃんが直面した状況がよりリアルに感じられました。(いや、映画なんですけどね)

普通に子育て出来る幸せ

今回この映画を見ていて、フィクションですが、母と娘、親子ってなんだろうという初心に帰ることが出来た気がしました。

どんなにお母さんが忙しくても、一番大事なのは心の交流なんだろうな、愛情の深さなんだろうな、なんて思ったり。

目が腫れても構わない時に、是非ご覧になってみてはいかがでしょうか?