共感、笑い、感動ー
この全てが詰まりに詰まった映画を、久々に見ました。
Netflixでも配信されている、今年7月に公開されたアメリカ映画「BADMOMS」。
<あらすじ>
主役のエイミーは、シカゴ郊外に子供2人と犬と夫と住むワーママ。
でも、アメリカだから通勤の前にまず送り迎えもあるんですよね。
朝は朝食作り、おバカな息子の宿題もカバーし、仕事をし、スーパーに寄り、美味しい夕飯も作る。
日本でも既視感のある、頑張りすぎちゃうワーキングマザー描写が続きます。
でも、もちろんそんな毎日で心も体も疲れないはずはなく、生活には限界がやってくる。夫はネットで女と浮気しているし、上司も部下も使えない。おまけにコワ〜イPTA会長から敵対視され無理難題を突きつけられるものだから、ついにエイミーはブチ切れてしまい…
※ここからネタバレと私見を含む感想が入ります。
こちら、とにかく面白い。死ぬほど面白い理由としては、監督と脚本があのハングオーバーを手がけたJon Lucas&Scott Mooreであるといえば納得してもらえるのではないでしょうか。
アメリカの女性が主役のコメディは下品な笑いが過ぎてあまり笑えない時も多いのですが、これは主役が小学生のママだからか日本人の私にも受け入れられるレベルの下品さで好感触。(どんなものかは本編をチェック!)
ダメダメな母(4人の子供を抱え引きこもるキキ、ビッチなシングルマザーカーラ、エイミー)達はふとしたきっかけから仲良くなり、バーで飲み倒し日頃の鬱憤を晴らすのですが…
その後スーパーに寄り、3人で暴れまくるシーンが本当に笑えました。非常にくだらないのですが、母親頑張りすぎてると、こうしたくなるよね〜という願望をうまく表したマザーフッド系映画史上に残る素晴らしいシーンだと私は勝手に思っています。
母親の大変さや夫婦の子育ての負担比率などの問題提起は、まともに構造批判をするよりも、こうしたコメディでラベリングすることが非常に有効であるとも感じました。
アメリカの働くお母さんが立ち向かわらければいけない、Bake Sale(お菓子バザー)というイベント。日本の例に例えると、キャラ弁作りとか、お遊戯会の衣装作りとか、絵本袋作りとかに該当するのでしょうか。市販のものではなく、手作りの方が推奨され、しかも禁止されている原料がいっぱい。
古くはシングルマザーと娘が主役のTVシリーズ「ギルモア・ガールズ」で、母役のローレライが勤め先のホテルのお抱えシェフにbakesale用のお菓子を作らせていたし、
サラ・ジェシカパーカー主演の「ケイト・レディが完璧な理由」でも投資銀行勤めのケイトは娘の幼稚園のbakesaleに市販のチェリーパイを持って行ってました。
こんなシーンばかりを目にするので、アメリカ人のお母さん達も「めんどくせ…」って思いながら良い母イメージを保つ為にこういうこと我慢してるのね、なんて思ったり。
また、文句や愚痴は言いながらも子供を愛しているとしんみり泣きながら語るエイミー達の姿には思わずうるっときてしまいますし、
エイミーが色々あってPTAミーティングでスピーチするシーンは、
この映画で一番伝えたいメッセージを喋らせているなぁなんて感じました。
多くを要求されすぎていると感じる。
だから、批判し合うのをやめよう。
児童虐待、ネグレクト、批判されるべき母親は確かにいるかもしれません。
ですが、ほら、bakesaleに市販のお菓子を持って行っても(アレルギーには気をつけて)
子供をお風呂に入れるのを少しばかりサボったって
それだけで、良い母親じゃない、なんていうのはやめようよってことですよね。
フランスでは良い母プレッシャー、少ないようですが(文化的背景もあり)
専業主婦がある一定期間国の構造を支えていた国では、
良い母プレッシャーが起こるのでしょうかね。
興味深いです。
ちなみにこちら、Netflixで視聴したのですが、
本当に最高の動画配信サービスだな…と改めて思い直したのでした。
おしまい
おまけ
私が大笑いしたシーンです