宇宙ネタです。
昨日のsankei bizのweb版に掲載されていたニュースを、今朝の通勤途中に読んで衝撃を受けました。

NASA(米航空宇宙局)が発表した報告書によると、2012年7月23日に、『地球の公転軌道上を秒速3000キロで駆け抜けた太陽風は、過去150年で最も強力だった』という。

※太陽風
太陽で大規模な太陽フレア(火炎=黒点付近が爆発的に明るさを増す現象)が発生する際に、放出される高速度の荷電微粒子流のことで、陽子と電子から成るもの

この太陽風が地球を直撃した場合、『電力網や通信網が地球規模で壊滅的なダメージを受け、スマホ、パソコン等の電子機器が破壊される』のだそう。

過去に発生した最大規模の太陽風は、1859年んに発生した、”キャリントン・イベント”と命名されたもので、この時は各地の発電所で火災が起き、普及し始めたばかりの電報用通信機器の回線がショートしたそうだが、当時から150年も経ち、比較にならない位に電力・通信網が発達している(そこに依存している)現代に同じことが起きたら、どれだけ被害が大きい事か。

アフリカの電波が及ばない未開の地なら影響はほとんどないかもしれないが、文明が発達した都市部では生活がまともに送れなくなる大損害になることは間違いない。


NASAは言う。

『もし、放出が一週間早かったら地球を直撃していた』

と。


そして、『何が起きているかを理解している人はほとんどいなかったが、私たちはとてつもない幸運で難を逃れた。太陽風の直撃を受けていれば、今でも後始末に追われ、復旧には何年もかかったであろう』


この、NASAの研究員で米コロラド大学・大気宇宙物理学研究所のダニエル・ベーカー教授の言葉が、いかに緊急事態であったか、またどれだけ際どい状態で地球が助けられたか、を伝えてくれる。


ちなみに、ピート・ライリー氏という物理学者が、今後10年以内に、キャリントン・イベントと同規模の強力な太陽風が地球を直撃する確率は、12%と分析しているとのこと。

高くはないが、決して低くは無い確率。


このニュースを読んで、何よりも強く感じたことは、我々は宇宙の中で生かされている、ということ。


自分たちの力の、遠く、遠く及ばない宇宙という場所の中で。

大気圏に守られて息を吸い、重力によって地面を歩くことができるのは奇跡の様なもの、ということすら、日常生活を送っていると忘れてしまう。



太陽系がある、天の川銀河(直径10万光年)の端から端までを光速で飛行して、10万年かかる。
この距離をスペースシャトルで旅すると、なんと、約38億年。

天の川銀河の中だけでも、太陽の様な恒星が2000個億個以上あり、そして宇宙には、そんな銀河が1000億個以上もあると言われている。


人知の力とはなんて小さなものなんだろう、と思うと同時に、この宇宙の中で奇跡の様に存在している小さな一個の惑星である地球とは、なんて愛しい存在なんだろう、と感じる。


万が一。

太陽光が地球を直撃したとしたら。

それもまた地球の宿命。

誰にも何をもっても動かせないこと。


動かせない、変えられないものは、受け入れるしかない。

人生に対しても同じ事が言える。


それは決して悲観的なことではなく、ただその事実、出来事を”受け入れる”ということ。
人知の及ばないものに関しては、”受け入れる”ことが、すなわち、平穏であること。

ニュースを読んでそんなことを思う今日。


★ニュース元
sankei biz
「最強の太陽風」あわや200億円損害。1週間の差で直撃回避していた!