性善説の日本社会と性悪説の海外 | 太平洋戦争史と心霊世界

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海軍を中心とした15年戦争史、自衛隊、霊界通信『シルバーバーチの霊訓』、
自身の病気(炎症性乳がん)について書いています。


ひな祭り 


 以前から気になっていたんですが、日本では人の行為を何でも善意一辺倒に解釈する方が多くて、なんだか危なっかしくてハラハラしてしまう面があります。

 

 元外交官の佐藤優氏いわく、日本社会は性善説で社会が成り立っており、海外は性悪説の社会だと述べていましたが、さもありなん、的を得ていると思いました。

 

 一例をあげると、カナダは治安面では安全な国ですが、それでも油断していると手荷物、貴重品はあっという間に盗まれてしまいます。私も一度わずかな隙に置き引きに遭い、警戒心を怠っていたことを後悔したことがあります。

 

 貴重品がすぐさま盗まれるということは、路上を歩いているごく普通の市民が、機会あれば泥棒に豹変するということなのでしょうね。「人を見たら泥棒と思え」が見方としては基本なのだと思います。

 

 だから、たとえ誰かが善意で何かしてくれているように見えても、注意深く相手の真意を掴まないと騙されるんです。

 

物事の見方は、良い事をしているように見えるから良い人だと行為で判断すると、判断を誤るのではないでしょうか。

  良い事をしているが、当事者は何でそういう事をするのかと、その行為に対する目的や動機で見た方が、相手の核心により迫れると思うのですが。


空 

 

これは日本での出来事ですが、私の目の前で自転車に乗った女の子がなぜか転倒したことがありました。彼女はジッパーがないトートバッグを持っていたので、バッグの中身をぶちまけ様々な小物が路上に飛び散りました。

 

これで彼女を助けて携行品をバッグに収納してあげれば、日本では親切な人に見えますよね。

 

でも海外では荷物を拾ってあげるように見えて、どさくさに紛れて貴重品をこっそりポケットに隠す人も出てくるかもしれません。一見親切そうに見えても、実は悪意あるケースです。

 

つまり人の物を拾ってあげる行為自体は親切に見えても、それを行っている動機が本当に利他心から出ているのか、盗んでやろうという、よこしまな気持ちから出ているか分からないわけですね。

 

日本ではこのようなアコギな人は稀ですから、善意からやってくれている、ありがとうと無条件で思ってしまいがちです。

 

でも猜疑心の無い心理構造の中に安住すると、非常に騙されやすい人になってしまうと思います。多分性悪説の社会に放り込まれると、トラブルが発生するのではと懸念します。

 

そういう点では日本は廉直な人が多い奇跡的な社会ですが、時にはそうした居心地良い環境も、他人の真偽を見抜く目を養う環境としては不適となるのでしょう。