小塚崇彦選手

 

小塚崇彦選手

朝日新聞デジタルから(4月25日付)

https://www.asahi.com/articles/ASL4S469WL4SUTQP00X.html?iref=sp_spotop_feature1_list_n

 

4回転ジャンプに耐えるスケートの刃、小塚崇彦さん発表

 

 フィギュアスケート男子の2010バンクーバー五輪代表、小塚崇彦さん(29)が24日、名古屋市内で、金属加工メーカーとともに開発したブレード(刃)を発表した。製品名は『KOZUKA(コヅカ)BLADES((ブレード)』。小塚さんは『フィギュアスケート競技者、愛好者に幅広く使ってほしい。選手にはこのブレードを使って表彰台に乗ってもらえたら』と言う

 

■自ら企業に相談

 

 男子は今、4回転時代といわれる。ジャンプの着氷の衝撃にブレードが耐えきれず、折れ曲がったりして、2~1カ月で使えなくなることがあるという。小塚さんも現役時代、ブレードに悩まされてきた

 

 自ら開発に乗り出したのは、山一ハガネ(名古屋市)の寺西基治社長に相談したのがきっかけだった。12年、小塚さんは靴を作るため足のサイズを測ろうと、高精度の測定器を持つ同社を訪問。工場内を見て、『ブレードを作ることはできないか』と尋ねたという。ブレードは海外製を使うのが一般的で、両者にとって『ゼロからのスタート』。試合や練習で使っては作り直し、試行錯誤を続けた

 

■一つの金属から削り出す

 

 それまで小塚さんが使っていたブレードは三つのパーツを溶接して作られていた。同社では一つの金属の塊から削り出す製法を採用。さらに『しなり』のある材質にすることで、強度を高めた。『人の手で溶接すると「つぎはぎ」があるので、氷上の衝撃で折れてしまうことがある。試合では少しの不安でも演技に影響が出るので、安心感につながった』と小塚さんは言う

 

 開発に携わった同社技術開発センター長の藤井正法さんは『スケート界になくてはならない存在にしたい』と話す。小塚さんも『スケート技術の進歩に置いていかれないように、選手に寄り添ったブレードを作っていきたい』と意気込む