“試練”を乗り越えた三原舞依に米放送局が脚光!『みんな彼女に恋をした』関係者を虜にする苦労人の魅力とは?【全日本フィギュア】

 フィギュアスケートの全日本選手権が12月22日に開幕した。初日の女子シングルショートプログラム(SP)で2位につけたのは、先日のグランプリ(GP)ファイナルを制した三原舞依(シスメックス)だ

 

 初の日本一を目指す三原は『戦場のメリークリスマス』の曲に合わせて、冒頭のダブルアクセルを成功すると、3回転フリップも決めた。後半の3回転ルッツ+トウループは、2本目が回転不足をとられるも、しなやかな美しいスケーティングを披露した

 

 77.79点をマークし首位に立った坂本花織(シスメックス)に対し、3.09点差の2位につけた三原は、演技後には満足気な表情を見せていた。そんな彼女にスポットを当てたのは、米放送局『NBC Sports』だ。実は、2015年に関節が痛む難病『若年性特発性関節炎』と診断を受け、2週間ほど入院生活を送った苦労人なのだ

 

 当時の状況は、『痛みが酷く歩くことも困難で、病院内は車椅子で移動していた。大会に再び出場することは絶望的だった』 と同メディアは伝えている。そんな彼女をよく知るひとり、トリノ、バンクーバー五輪で活躍したジョニー・ウィアー氏は、『彼女は氷に向かう通路の近くに立ってみんなを応援していた。他のスケーターの演技を見て、できる限り多くを吸収する選手です』と称えている

 

 2016年には痛みと格闘しながら競技に復帰。それでも2019年に再び体調を崩し1シーズンを休養にあてている。その頃、カナダ人の振付師・デヴィッド・ウィルソン氏のもとに、彼女のコーチから1本の電話があったと同放送局は報じる

 

『彼女のコーチから1本の電話をいただいたんだ。一緒に仕事をしてほしいと。それは光栄なことだった』

 

 2週間トロントのクラブに滞在していた三原との想い出について、『子供たち皆、彼女に恋をしてしまった。彼女は15歳と同じくらいの女の子だ』と彼女の“情熱”について触れた

 

 そして『過去の選手やライバルたちと比較しても彼女は“持っている”。今までと違う形で成熟度として表れている』と称賛し、『彼女は健康面で苦労し、他の選手よりも大変な思いをした。だけど、彼女は困難に耐え続け、戻ってきた。本当に感動的です』と続けた

 

 幾多の困難を乗り越え、ようやく光が見えはじめた23歳。24日に実施されるフリースケーティング(FS)では、そんな熱きスケーターに注目だ