STAP細胞関連の報道について | 感謝!感激!ポリあらし!

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Perfumeに救われた人間もいます

小保方さんが論文の取り下げに(不本意ながら)同意したとの報道を受けて、この件について書かないと自分自身が気持悪いままになりそうなので今更ながら書く。
なにが腹立たしいと言って、記者会見の席に着いた報道の連中の無知さ加減。
あんな連中が報道で御座いとノタマワッテいられるのはナゼだろう?

まず始めに、STAP細胞・iPS細胞・ES細胞 それぞれどんなものか、おぼろげながらでも理解している方はどの程度いるだろうか?
いずれも幹細胞として『どんな臓器にもなりうる可能性のある細胞』を人の手で創られたものであるという事だ。
iPS細胞の中山教授が事あるごとに仰る『倫理的検証は済んでいない』との発言に、私は教授の良心を感じ安堵するものではある。
(この件だけで一晩語れるので今回はパス)

そもそも幹細胞とは何か?
簡単に言うと受精卵の状態とも言える。
学校で習った細胞分裂についてはオボロゲながら覚えている人も多いだろう。
「受精した卵は細胞分裂を始めて、1-2-4-8-16-32-64-128…と数を増やしていく」
この辺までは誰もが覚えていると思う。
では増えていった細胞はその後どのような振る舞いをするのか?
・ドーナツ状に丸くなる
・ミミズのように管になる
・そのうちそれぞれの細胞が臓器や器官に変化してゆく
この時、細胞はそれぞれ話し合いを行っているがごとく振る舞うそうだ。
・君は心臓かい?じゃ僕は肺になるよ。
・俺はなる!世界一の脳になる!
そして一度その臓器になった細胞は増殖を停止して固定化される。
その時間をさかのぼって『どうな臓器にでもなれる細胞』として作られたのがES細胞でありiPS細胞でありSTAP細胞である。
創り方の過程が違うだけで基本的に同じ幹細胞である。

ちなみにガン細胞は遺伝情報にキズが入り、固定されているはずの場所で幹細胞がごとく細胞分裂を始めてしまった厄介な細胞。
いわば体内で自然発生したiPS細胞である。
厄介なのは自分の細胞だけに免疫系はなかなか攻撃してくれない。
初期の抗がん剤はこの細胞分裂を止めるクスリである。
副作用として毛が抜け落ちる。
いや、それは正作用であって副作用ではない。
ガン細胞だけを止めるクスリは出来なかったのである。
結果、ガン細胞に効くクスリは毛根にも効く。

胃や腸といった消化器官は身体の「外」にあるって知っているだろうか?
口と肛門を出入口にしたホースと見ればの胃や腸の内は「外」。

ひざの関節が痛い?
「サメ軟骨コンドロイチンのサプリメントを呑むと治る」?
『エセ科学』だ
コンドロイチンはタンパク質だから遺伝情報を持ってる。
人がそのまま吸収するとサメの遺伝子情報を取り込むことになる。
友達の遺伝子ですら取り込めば困った事成るのにサメの遺伝子?

タンパク質はおよそ22000種類。
すべてはアミノ酸の組み合わせで出来ている。
そもそも、遺伝情報とはアミノ酸の組み合わせ方法を書いた(=タンパク質の)設計図
のっちの得意技「全部言える必須アミノ酸」のアミノ酸
自然界にはおよそ500種類のアミノ酸が存在しているがヒト生命の維持に必要とされるのは基本的に20種類。

その為、タンパク質は遺伝情報を持たないアミノ酸に分解されてから吸収される。
この現象を「消化」と呼ぶ。
これを例えると・・・
レゴブロックで作られた「ガンダム(=タンパク質)」をジオン軍が捕獲してもそのままは使えないという事。ジオン軍としては、ブロックをバラバラにして「赤いブロック(=アミノ酸)」だけで「シャアザク」を作れば3倍速で動けるってなんだけど・・・かえって判りづらいか(^_^;)
アミノ酸として吸収されたコンドロイチンが体内で軟骨になるかどうかは別の話し。
そもそも、軟骨に必要なアミノ酸は普通の食事で必要にして充分な量を摂取できる。

いずれにせよ、大学も出ていない整備士あがりの私さえ、狂牛病(BSE)問題が世間を騒がせた時に興味を持ち、関連書籍を5~6冊まとめて読んだだけでもこの程度の知識は得られるという事が言いたかった。

先にも書いたが、一連のSTAP細胞関連の報道の中で一番腹立たしいのは、記者会見の席での無知な記者からの発言。
「素人にも判るように説明してくれませんか?」

お前はバ〇か?

サッカーの記者会見
ハットトリックを達成した選手に向かって
「ルールを知らないのでハットトリックの何が凄いのか教えてください」
と質問できるのか?

野球の記者会見
完全試合を達成した投手に向かって
「完全試合ってなんですか?」
と質問できるのか?

どんな分野でも、最低限の基礎知識を前提に話しは進んでゆく。
分子生物学には分子生物学の基礎知識の上で成り立つ会話がある。
記者会見に臨んだ専門家には
「素人に判るように説明する義務は無い」
と私は断言する。
そもそも『素人に判るように説明する』のが「報道の役目」ではないのか?

私は みのもんた が大嫌いだ。
なぜなら彼は報道を芸能化してしまった。
朝ズバのでなんど耳にした言葉か。
「素人にも判るように説明してくださいよ!(怒)」

そもそも、科学論文というものは「仮定の証明」に他ならない。
なにしろ科学はいまだに自然現象のごく一部を証明しているに過ぎない。
判らない事ながら『きっとこうに違いない』と立てた「仮説」に基づいて実験を重ねる。
仮説通りの結果が得られたら論文を書く。
だがここに大きな落とし穴がある。
多くの科学者は、出た結果を「仮説通り」と思いたいのだ。
結果に対してバイアスのかかった目で見てしまうことが多い。
そのため科学誌や学会で論文を発表して、第三者の目に晒されて理論の正しさを証明してもらう。
その結果、その論文は間違いだったと証明されることがどれほど多い事か。

今回のSTAP細胞論文にしても本来過程は同じはずだった。
それを「芸能マスコミの〇カども」が芸能ネタに仕立て上げた結果がこれだ。
iPS細胞の時もそうだった。
「いつ実用化されますか?」
バ〇かおまえは?
新薬だって相当な治験を行って何年もかけて認可されるのを知らないのか?
その程度の知識で取材して報道とは恐れ入る。
そんなのは新聞部の小学生でも出来る。

小保方さんへの批判を、近しい人からもいくつか見ている。
今更ながらも私は言いたい。
せめて『iPS細胞はガン細胞と紙一重である』事を「素人にも説明できる」程度の知識を持ってから批判してくれ。

ちなみに私は臓器移植には同意しない。
その理由をここでは説明しない。
それは私の倫理観。
科学には倫理観(思想と言い換えてもいい)がsetで付いてくる。