【完全妄想中継】魅せてやれ!讃岐ノ力(第1話) | がめがま。

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2018年12月15日。土曜日。

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あたしは忘年会を終え、駅の改札を出てタクシー乗り場へと足早に向かっていた。

明日は穏やかな天気になるというが、そんなことが信じられないくらい風が強い!そして冷たい!

そんなに遅い時間ではない。

正直に言えば、もう少しだけ飲みたかった(笑)。

それでも退却してきたのには訳があった。
明日、大事な用事ができたから…。


少し待ったが、程なくしてタクシーがやって来た。
タクシーに乗り込み、暖房に包まる。暖かさにホッとする。

運転手に行き先を告げると、運転手は

「はーい わかりましたぁ〜」

と軽やかに答えて車を動かし始めた。
なんとなく機嫌がいいのが伝わってくる。

適度に会話が弾む車内。

音符が浮かんでくるような運転手の受け答えに、こちらも自然と笑みがこぼれる。

すると、この上機嫌な運転手は こう切り出してきた。

「そりゃそうと お客さん知ってます?明日、サッカーの試合があるんですよ」

酔っていたからか…ちょっと からかうって訳じゃないけど、讃岐のことを思い切り語ってもらいたくて、敢えて知らないフリをした。

「え?でもJリーグって、もう終わったんでしょ?カマタマーレも今年は よく頑張ってたよねぇ」

ビミョーに知ってるフリ(笑)。

「えぇ、リーグ戦は終わりましたが、今年は天皇杯に残ってるんですよ。明日は天皇杯の準決勝。しかも瀬戸大橋ダービーなんですよっ!明日は忙しくなるでしょうねぇ。だけど、私は休みなんです。この試合を観に行けるんです!もう楽しみで楽しみで♪」



明らかにテンションの上がった運転手。

運転手さん、知らないフリなんかしてごめんよ。

ほんとは明日、あたしもそこに行くんだわ。
お詫びの印にこのまま行き先を居酒屋に変更して奢らせてほしい…(笑)。



☆三---………



遂に決戦の朝が来た。

あたしは朝食をのんびり食べながら、このシーズンを振り返っていた。

今年は讃岐も岡山もよく頑張った。

讃岐は序盤こそ勝ちきれない試合が続いたが、初勝利を4-0で掴むと一気に波に乗り、昨季記録した5連勝を上回る6連勝を達成。

この6連勝のおかげで、初めて残留争いに巻き込まれることなくシーズンを終えた。



一方の岡山も奮闘した。

相変わらず(?)こちらも勝ちきれない試合は多かったが、岡山も19戦無敗を記録し、クラブ記録を更新した。
そして最後の最後までプレーオフ争いを展開したのだった。



瀬戸大橋ダービーも今までで一番アツい年だったかもしれない。



第1戦はホームピカスタ。

奇策を用いてきたのは岡山だった。
いつもなら後半勝負の長澤監督だが、試合開始早々からパワーをかけてきた。

圧倒された讃岐は開始13分にコーナーキックの猛攻に耐え切れず喜山康平の古巣恩返し弾を食らってしまう。

その後も猛然と襲いかかる岡山だが、北野監督は(ここは辛抱…)と布陣を5-3-2に切り替えて追加点を許さない。

しかし讃岐も得点ができないまま試合が終わろうとする88分、麻田将吾が繰り出したロングフィード一発で抜け出した濱口草太がJ初ゴールとなる同点弾を叩き込んだ!
濱口は85分に投入されて即の一発回答だった。



AT5分、激しいカウンターの応酬となったが、高木和正の繰り出したスルーパスが木島徹也に繋がった!

鮮やかに抜け出してこのままシュート!



….かと思いきや、徹也は何とパスを選択!?



このパスを受けた蒼い弾丸が、冷静に、そして正確にゴールに流し込んだ…!?



あたしは思わず絶叫した!



そぉぉぉ…たあぁぁぁーーーッ!!



試合後、濱口草太は高らかに、少し声を上ずらせながら

「ダービー男になります!!」

そう絶叫してみせたのだった。

ちなみにこの敗戦で岡山は無敗記録を19で止められてしまう。



むせるような暑さのなか、8月のCスタで再戦した両軍。
この試合は まるで真夏の花火大会のようだった。

岡山は怒涛の花火連発!

伊藤大介のフリーキックを関戸健二が押し込んで先制すると、赤嶺真吾が競り合ったロングボールのこぼれ球を大竹洋平が拾ってドリブル突破から2点目を叩き込んでみせた。

しかし讃岐も終盤にようやく反撃。

永田亮太がまさかまさかの30m超のロングシュートを突き刺してスタジアムの雰囲気を変えると、渡邉大剛のパスに抜け出した佐々木匠が同点弾を奪い取る。

しかしその直後、伊藤大介のクロスに赤嶺真吾がヘッドを合わせて再び岡山が勝ち越す。

その後、もう一度追いつきたい讃岐は超攻撃的布陣で攻め込むが、なかなか同点に追いつけない。

そしてATに入ると、上田康太が直接フリーキックでゴールネットを揺らし、粘る讃岐にトドメを刺した。
瀬戸大橋ダービー初の4得点でリベンジを果たしてみせたのである。



激しい攻防。


今季1勝1敗。


通算成績は4勝4敗2分。

そんな名勝負数え唄に、サッカーの神様はアンコールの声をあげた。

史上初めて年3度目の瀬戸大橋ダービーを行うことになったのだ!



なんと讃岐も岡山も天皇杯を勝ち上がり、準決勝で闘うことになったのだ。



讃岐は若さが幸いした。
早めに残留圏内に到達したことも天皇杯へのテンションを上げる要因になった。

準々決勝の鹿島アントラーズ戦では清水健太が神ケンモード全開!何度も常勝軍団のシュートを跳ね除けていく。
さらに守備陣も身体を投げ出しシュートブロック。バーやポストも味方した。
試合は終盤、コーナーから森川裕基が強烈なヘッドを叩き込み、
大金星を奪ってみせた。



岡山は選手層の厚さが大きかった。
準々決勝では前年覇者で"因縁の相手"セレッソ大阪から初となる勝利をもぎ取り、準決勝へと駒を進めた。

この両クラブの奮闘は効いた。強烈に響いた。
既にファジアーノの楽しみ方を理解し始めた岡山県民の熱狂ぶりは凄まじいものがあった。

一方、"食わず嫌い"だった香川県民も、讃岐の快進撃をネットの記事や地元メディアが大々的に報じてくれたおかげで、讃岐に関心を持ち始めていった。

そして迎えたのが、この準決勝だった。



ピカスタ周辺では赤と蒼が入り乱れる。
赤も蒼もかつてない数!

時は来たっ!!

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試合開始2時間前となり、スタメンが発表となった。

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【ベンチスタート】

16  ソン ヨンミン
2  パク チャニョル
4   荒堀 謙次
23  西 弘則
11  森川 裕基
13  木島 徹也
19  重松 健太郎

讃岐は4-1-4-1の布陣。
アンカーには鈴木拳士郎を据え、高木和正を左SHに、永田亮太はインサイドハーフに配置。
重松健太郎を敢えてベンチに置いてきた。


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【ベンチスタート】

13  金山 隼樹
5  増田 繁人
11  三村 真
8  塚川 孝輝
2  澤口 雅彦
9  イ ヨンジェ
18  齊藤 和樹

岡山は3-4-2-1の布陣を採用。
ダブルボランチのコンビは上田康太と関戸健二。1トップ赤嶺真吾の2シャドウは大竹洋平と伊藤大介。
控えには塚川孝輝、イ ヨンジェ、齊藤和樹らが名を連ねていた。



1勝1敗で迎えた第3戦目の瀬戸大橋ダービー。



引き分けはない!



あるのは完全決着のみ!!



地元メディアもこの闘いを大きく取り上げ、あるTV局は勝ったクラブには決勝戦前日に2018年の総集編的な特番を放送すると発表した。

また、その他のTV局も夕方のニュースで勝ったチーム目線で試合を報道すると発表した。



燃えている…



瀬戸大橋が、そしてピカラスタジアムが燃えている!!



メディアに煽られたこともあり、ピカスタは史上初の満員御礼!

美しく二分された赤と蒼のコントラスト。

奇しくもファジアーノ岡山はアウェイユニではなく、「えんじ色の戦士」として入場してきた。

試合が始まる前から、既に選手も観客も「出来上がった」状態。

赤き岡山ノ魂か!?

蒼き讃岐ノ力か!?

耳をつんざく歓声とチャントにホイッスルはかき消された。

しかし…

確かに…確かに歴史を創る闘いが始まった!!



<つづく>

※第2話はウルトラの父様のブログ「
ウルトラライトサポーターが行く」にて、2月12日に更新です!


※読みやすさを考慮して選手名は敬称略、話は完全なフィクションです。勝手な妄想です。笑って許してやってください(笑)。


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