みさこ「アイの世界」甘夏ゆず 故郷編 | SSのブログ

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数日後


みさこ「ところで、ゆずポンってさ何で盗賊になったの?」


ゆずポン「えっ?ま、まぁ色々だよ色々」


ぐみ「人の物とかも盗まないしね」


汐りん「落とし物も届けてるまる」


みゆちぃ「何でなの?」


ゆずポン「魔物からしか盗まないから」


大桃子「魔物だけ?何で?」


ゆずポン「…」


みさこ「ゆずポン?」


ゆずポン「色々だよ」


ぐみ「その色々が知りたい」


ゆずポン「…」


汐りん「知りたいなの」


みゆちぃ「も、もう詮索するの止めよ?ねっ?」


みさこ「だって、気になるじゃん」


ゆずポン「色々って言ったら色々なんだよ…」


ぐみ「ゆずポン?」


ゆずポン「色々って言ったら色々なんだよ!うるさいな!」


ぐみ「ご、ごめん」


ゆずポン「あっ…ごめんなさい」


大桃子「こっちこそごめん…」



ゆずポン「…」


みさこ「つ、次の村に着いたよ宿屋探そうか」


汐りん「そ、そうまるね」


宿屋


みさこ「ゆずポンに悪い事しちゃった」


みゆちぃ「部屋で塞ぎ混んでるね」


大桃子「皆で謝りに行こうよ」


汐りん「うん、そうするなの」


ぐみ「早く謝りたい」


ゆずポンの部屋


こんこん


ゆずポン「…」


みさこ「は、入るね」


ゆずポン「…」


みさこ「さっきはごめんなさい」


みゆちぃ「ごめんなさい」


大桃子「ごめんなさい」


ぐみ「ごめんなさい」


汐りん「ごめんなさい」


ゆずポン「…」


みさこ「本当にごめんなさい」


ゆずポン「私ね、道具屋の娘なんだ」


みゆちぃ「うん」


ゆずポン「私がまだ小さい時に魔物が村に攻めて来たんだ」



大桃子「…」


ゆずポン「皆、一生懸命闘ったけど負けちゃった」


ぐみ「酷い…」


ゆずポン「私は小さかったから地下で震えてるだけだった」


みさこ「小さかったなら仕方ないよ」


ゆずポン「外に出たらね、村は焼け野原で全部奪われた後だった」


みゆちぃ「そっか…」


ゆずポン「その時にね思ったの私達家族から全て奪い去った魔物の全てを奪ってやるって」


大桃子「それが盗賊になった理由…」


ゆずポン「うん、でもね」


汐りん「でも?」


ゆずポン「にゅー ごうくん アザラシ」


ゆずポン「そして、汐りんやこないだの悪魔神官達を見て魔物も悪い子ばかりじゃないのかなって思い始めてそれで…」


ゆずポン「つい、苛々しちゃったんだ」


汐りん「私?」


ゆずポン「うん、汐りんが魔物と人間が共存出来る世界って言い出した時に」


ゆずポン「皆と一緒に居ればいつか憎しみが解けるんじゃないかって思ったの」


みさこ「ゆずポンの家族は?」


みゆちぃ「ちょっと、みさこ」


みさこ「ご、ごめん聞いたら駄目だよね」


ゆずポン「生きてるよ、生きて故郷で道具屋してる」


大桃子「ここから遠いの?」


ゆずポン「すぐそこ」


ぐみ「会いに行かないの?」


ゆずポン「私、盗賊になる為に村を出たから今更…」


汐りん「ゆずポン…」


ぐみ「会いに行くべきだと思うよ」


ゆずポン「嫌がられないかな…」


大桃子「私達が全力で庇ってあげるって」


みゆちぃ「行こう、ゆずポンの故郷に」


ゆずポン「うん」


ラドロンの村


ゆずポン「…」


みさこ「ゆずポン行こう」


ゆずポン「う、うん」


りおポン「あれ?もしかしてゆずポン姉さん?」


ゆずポン「りおポン…」


りおポン「やっぱり、ゆずポン姉さんだ!」


ゆずポン「うん」


りおポン「みんなーゆずポン姉さんが帰って来たよー」


村人「ゆずポンだって?あの、道具屋の娘のゆずポンか?」


村人「お、おい直ぐ道具屋呼んでこい!」


村人「おーい、道具屋!ゆずポンが帰って来たぞー」


ゆずポン父「ゆずポン…」


ゆずポン「お父さん」


ゆずポン父「良く帰って来てくれたな」


ゆずポン「うん」


ゆずポン父「お母さんも妹も待ってるから」


ゆずポン「うん、わかった」


みさこ「今日は家族水入らずで過ごしなよ」


ゆずポン「いいの?」


みさこ「いいから」


ゆずポン「ありがとう、みさこ」



みさこ「皆、宿屋に行こうよ」


宿屋


みさこ「ねぇ、みんな聞いて欲しい事があるんだ」


みゆちぃ「何よ?深刻な顔して」


みさこ「もし、ゆずポンが村に残りたいって言ったらどうする?」


ぐみ「旅を続けないって事?」


みさこ「うん」


大桃子「それは、ゆずポンに任せるよ」


汐りん「家族は大切まる」


みさこ「みゆちぃとぐみは?」



ぐみ「私はゆずポンを責めない」


みゆちぃ「私も責めないよ」


みさこ「わかった」



ゆずポン家


ゆずポン父「ゆずポン、今まで何をしていたんだ?」


ゆずポン「魔王を倒す旅だよ」


ゆずポン母「ま、魔王って…」


ゆずポン「勇者や仲間と世界を平和にするんだよ」


ゆずポン父「立派になったんだな」


ゆずポン「そんなことないよ」


ゆずポン妹「お姉ちゃん、凄いね」


ゆずポン母「私はゆずポンに家に居て欲しいよ」


ゆずポン父「母さん、ゆずポンの人生なんだ」


ゆずポン母「ごほっごほっ」


ゆずポン「お母さん!」


ゆずポン妹「お母さん、もう休もうね」


ゆずポン母「ごめんね、妹…」


ゆずポン妹「いいから」


ゆずポン「お母さん…」


ゆずポン妹「お母さんね、お姉ちゃんが家を出て暫くして具合悪くしたんだ」


ゆずポン「そ、そんな私のせいで…」


ゆずポン父「お前のせいじゃないさ」


ゆずポン「でも…」


ゆずポン妹「お姉ちゃんの人生だから、お姉ちゃんが今後の事を決めてくれて構わないよ」


ゆずポン「…」


ゆずポン父「暫く、ゆっくりしていきなさい」


ゆずポン「うん…」



ゆずポン「でも、お母さんをお医者さんに診せないと」


ゆずポン父「診せたいのは山々なんだが…」


ゆずポン妹「魔物が攻めて来た時にお医者さんが全員殺されたんだ」


ゆずポン妹「お母さんを診せるには遠くの町まで行かなきゃいけないんだ」


ゆずポン妹「でも、お母さんの体力を考えたら遠くには…」


ゆずポン「そ、そんな…」


ゆずポン「そうだ、ちょっと待っててね!」


ゆずポン父「ゆずポン!」


宿屋


ゆずポン「汐りん!」


汐りん「び、びっくりしたなの」


ゆずポン「お願いがあるの!」


みゆちぃ「一体、どうしたの?」


ゆずポン「厚かましいかもしれないけど…」


ぐみ「言ってみなって」


ゆずポン「お母さんの病気を診てあげて欲しいんだ!」



ゆずポン「お願い汐りん、この通り!」土下座


みさこ「ち、ちょっと…」


大桃子「汐りん、診てあげて」


汐りん「お安いご用なのよ」


ゆずポン「い、いいの?」



汐りん「いいも悪いも、私は僧侶まる」


ゆずポン「あ、ありがとうありがとう…」


汐りん「頭を上げて欲しいなの」


再び ゆずポン家


汐りん「はわー」


みさこ「どう?治りそう?」


汐りん「大丈夫大丈夫なのまるよ」


汐りん「お腹に手を当てるまるよ?」


ゆずポン母「お、お願いします」


汐りん「はわー」パァァー


汐りんの手から優しく暖かい光が降りそそぐ


汐りん「これで、大丈夫なのよ」


ゆずポン母「ら、楽になってる…」


ゆずポン母「体が軽い…」


ゆずポン「お母さん、良かった…」


ゆずポン父「ありがとうございますありがとうございます何とお礼を言って良いやら…」


汐りん「全然、構わないなのよ」


汐りん「村人も集めて欲しいなの」


汐りん「私が治してあげるまるよ」


ゆずポン妹「は、はい!」



汐りん「はわー」パァァー


老人「ありがとうございます汐りん様」


汐りん「いえいえなのよ」




汐りん「これで終わったなのよ」


汐りん「ちょっと一休みするまる」





ゆずポン「汐りん、本当に本当にありがとう」


汐りん「どういたしましてなの」


みさこ「さっすが、僧侶だよね」


大桃子「うん、尊敬するよ」


ぐみ「汐りんは僧侶であり愛の戦士だね」


汐りん「照れるなのよ」


みさこ「いや、正にその通りだよ」


汐りん「私の右手は大切な人を守る為」


みゆちぃ「汐りん?」


汐りん「私の左手は大切な人を癒す為」


汐りん「私の口は皆を喜ばせる歌を歌う為にあるなのよ」


ゆずポン「汐りん…」


みゆちぃ「やっぱ、愛の戦士だよ汐りんはさ」


汐りん「ありがとうございまるのった」