甘夏ゆず「ついてる!」 | SSのブログ

SSのブログ

バンもん ブスNYいきたい族などのSS書いてます
Twitterは @admtqjmwt0869 お気軽に感想お寄せ下さい。

幼い頃、何でかは覚えてないけど

過去に戻ろうと足掻いていた

現状が嫌だったのか?本当に覚えていない

でも、一つだけ覚えている言葉がある

ついてる!

何が?運がついてる?話がついてる?

わからない わからないからイライラする

最近、そこに理由のない焦りが加わる

ゆずポン「はぁ…」

ぐみてゃん「さっきからため息ばかりだね」

ゆずポン「ごめんね」

ぐみてゃん「何か悩み?」

ゆずポン「うん」

ぐみてゃん「私で良ければ聞くよ」

ゆずポン「大丈夫だから」

話そうにも上手く話せる訳がないんだ

理由がわからない焦燥感

ぐみてゃん「そっか、話したくなったら話してね」

ゆずポン「うん、ありがとう」

私は子供の時の記憶があやふやだ

全て覚えてない訳じゃない

ある一時期の記憶が抜け落ちている

楽しかった記憶 悲しい 辛い色々あった筈なのに…

抜け落ちた記憶の中に運命的な出会い

今の私を作り出す切欠になった出会いがあった筈なんだ

何だろう?一体誰なの?

モヤモヤしたまま仕事に行く

ここんとこ毎日だ

早くすっきりしたいな

スタジオ

みさこ「ぐみから聞いたよ、何かあったの?」

遂にリーダーに気づかれたか…

心配させちゃいけないから何とか誤魔化そう

ゆずポン「大丈夫だから、寝不足なだけだよ」

みさこ「…」

リーダーみさこは勘が鋭く気遣いやさん

これは観念するしかないか


ゆずポン「わかった、言うよ」

ゆずポン「実はね…」

私は今思ってる事 悩んでる事を全て伝えた

みさこ「わかった、皆にも話すよ?」

ゆずポン「うん、いいよ」

みさこ「皆で話せば何か良い解決策が出るかもしれないからさ」

本当は誰にも知られたくなかった

心配かけさせたくなかったから

でも、リーダーに知られた以上は隠し通せないもんね

ごめんね、みんな大事な時期なのに

みゆちぃ「いやいや、大事な時期だからこそだよ」

暫くの沈黙の後に口火を切ったのがみゆ

私の頼れるお姉さん

ぐみてゃん「これからは何でも言わなきゃ駄目だよ」

ぐみちゃんは然り気無くいつもフォローしてくれる

汐りん「1人で抱え込むのは相変わらずなのな」

はい、今度こそ反省します

ごめんなさい


大桃子「それにしても、何でだろうね」

ももちゃんはいつも自分の事より人の事を心配してくれるね

ここじゃ何だからと食事しながら話す事になった

皆に話してすっきりした部分もあり私の足取りは軽い

このまま良い方向に行けたらいいな

みさこ「あれ?泣いてる女の子が居るよ」

本当だ、公園で1人で泣いてる

どうしたんだろ?

迷子かな?

大桃子「行ってみようよ」


ゆずポン「こんにちは、何で泣いてるの?」

少女「…」

近くに行って気づいたけど、私に似ていて驚いた

警戒しているのか?なかなか話してくれない

ゆずポン「お姉さん達は怖くないよ?良かったら話して欲しいな」

少女「あのね…」

女の子はポツリポツリと話してくれた

両親に叱られてムシャクシャしてしまい

友達と些細な事で喧嘩した事

本当は謝りたいけど、怖くて謝れない事

どうしたら良いか分からず泣いていた事

何だかデジャブ

誰でも小さい頃は経験あるよね

少女「謝りたいけど、怖いの…」

ゆずポン「わかるよ」

少女「あっ…」

ゆずポン「うん?」

彼女が向いた方向を見るともう1人の少女が立っていた

どうやら、喧嘩相手のお友達みたい

二人とも困惑した表情でお互いを見ている

仲直りしたい気持ちが痛いほど伝わってくる

少女②「…」たった

少女「あっ…」

二人とも話すタイミングを失いもう1人の少女が逃げてしまった

ゆずポン「追いかけないの?」

少女「きっと、もう私の事なんか嫌いだもん」

ゆずポン「そんな事ないって」

少女「…」

ゆずポン「大丈夫だから、私も一緒に謝ってあげるからね」

再び考え込む少女

小さな体で大きな勇気を振り絞ろうとしているんだね

少女「お姉さん」

ゆずポン「うん?」

少女「何で大丈夫だってわかるのさ?」

ゆずポン「大丈夫、お友達も仲直りしたい筈だよ」

少女が決意した表情を浮かべた

いよいよ、謝る決意をしたようだ

少女「行く!」

少女は力強い足取りで歩を進めた

頑張れ、きっと出来るから

少女の足が止まった

やっぱりまだ怖いんだね

ゆずポン「大丈夫」ぎゅっ

少女「…」

ゆずポン「君にはポンがついてるから」

あれ?ついてる?

少女「さっきはごめんなさい本当にごめんなさい…」

少女②「…」

少女「許して下さい」

少女②「行こう、遊ぼうよ」

少女「いいの?」

少女②「うん、行こう」

みさこ「何だか小さい頃を思い出すね」

みゆちぃ「あるよね、こういうの」

汐りん「謝れて良かったなのよ」

ぐみてゃん「ゆず1人で解決したね」

大桃子「そうだね、流石ゆずだよ」

少女「お姉さん、ありがとう!」

うん、良かったね

これからは仲良くするんだよ

でも、何だろう?このすっきりした気持ちは?

確かに、解決したからすっきりしたんだけど

何か今までのモヤモヤや焦燥感が消えた


少女「じゃあね」すっ

みさこ「えっ?消えた」

みゆちぃ「ま、まさか幽霊?」

汐りん「何なの?わからないなの」

ぐみてゃん「ゆ、幽霊ではないと思うよ」

大桃子「じゃあ、幻?」

幻なわけない、私は触れたもん

手を握ったもん

暖かかったもん

私達は半信半疑ながら少女が消えた場所に行ってみた

みさこ「名札?ちょっと名前見て!」

みゆちぃ「1年2組…」

ぐみてゃん「甘夏ゆず…」

大桃子「嘘でしょう…」

あぁ、これでわかったよ

私なんだ

あの子は私なんだね

思い出したよ

私は小さい頃に確かに公園で泣いていた

その時にお姉さんに付いていて貰い謝ったんだ

最近の焦燥感やモヤモヤは伝えたかったんだ

1人じゃないんだって

過去に戻りたかったのはあの子と喧嘩する前に戻りたかったからなんだ

きっと、あの子も昔の自分に伝える日が来るんだね

ねぇ、君は何で泣いてるの?

嫌な事や悲しい事があったの?

でも、大丈夫だからね

君の傍にはいつだって

ポンがついてる!

終わり