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第1次補正予算成立から1カ月も経たない27日午後、政府は第2次補正予算を閣議決定した。
一般会計の歳出額は32兆円に迫り、1次補正予算の約26兆円を大きく上回っており、財政投融資を含めた財政支出は73兆円近く、民間への融資も含めた事業規模では117兆円を超える。

資金繰り支援、官民で94兆円超　2次補正予算案決定
日経　2020/5/27 17:54　
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59637610X20C20A5MM8000/

1次補正の108兆円と合わせると事業規模は225兆円にのぼるが、これは、麻生政権がリーマンショック対策として打ち出した75兆円規模のなんと３倍だ。
安倍総理が先日の会見で「空前絶後の規模」「世界最大の対策」と述べた通りである。

今回の財政政策がいかに思い切ったものであるかは、リーマンショック時の麻生政権や東日本大震災時の菅政権の経済対策と比較すればよく分かる。
一般会計の補正予算だけを比べても、今回は空前絶後の規模と言えるだろう。

1次、2次補正予算合計の82.6兆円という数字はやはりすごい。
いわゆる「真水」にこだわる人も、政府が本当にこれほどの額を決断するとは思わなかったのではないか。

「真水」を重視するのは、それがＧＤＰに直結すると考えるからだが、安倍政権の意図はそこにはないと考える。官邸が最も重視しているのは「事業と雇用は何としても守り抜く」ことで新型コロナ終息後のＶ字回復につなげることだ。

巨額の給付や資金繰り支援など緊急経済対策の大半はその為のものであり、目先のＧＤＰの数値にこだわっているわけではないだろう。真水より圧倒的に多い資金繰り支援の額がその考え方をはっきりと示している。

そして、これまで何度も指摘してきたように、今年度の補正予算はこれで終わりではないと考える。1次補正も2次補正もダメージを最小に抑えるためのものであり、コロナ終息後のＶ字回復を力強く後押しする要素はほとんど入っていない。

それが夏なのか秋なのか、もう少し先なのかはまだ分からないが、少なくとも今年度の第3次補正予算が組まれることは間違いないだろう。

一部の財政出動派から緊縮財政の元凶のように言われている麻生副総理は第2次補正予算案の閣議決定後の会見で次のように述べている。

「やらなければ結果としてもっと経済が落ち込むことになりかねないので、ここは覚悟を決めて財政出動をして、失業や倒産を防ぐ」
（ＮＨＫニュースより）
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200527/k10012447551000.html

これは”打出の小槌（国債発行）”を振り回す宣言だ。
麻生副総理を財政再建派、緊縮財政派と批判してきた人たちを裏切ったかたちだ。

疫病の影響で働きたいけど働けないで困っている人や落ち込んでいる人に手を差し伸べ、疫病が治まった後にまた頑張ってもらえるようにするのが国や自治体の役割だ。
そういう時のために国は”打出の小槌”を持っている。

国債発行という打出の小槌を振り回せば何でも解決みたいな考え方もあるようだが、今回のように「ここぞ！」という時に振り回すのが打出の小槌の本当の使い方なのである。

（以上）

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”打出の小槌”で空前絶後の経済対策