アイ・コンタクト 感想/ジュビロレディース・デフリンピック女子サッカー代表寺井名美さん舞台挨拶! | 映画時光 eigajikou

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世界の色々な国の映画を観るのがライフワーク。
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浜松シネマイーラの会報にイラスト&コラム連載中。
今は主にTwitterとFilmarksに投稿しています(eigajikou)

『アイ・コンタクト もう1つのなでしこジャパン ろう者女子サッカー』
5月10日(金)まで
見る とにかく見る!
どんな時でも顔を上げないと伝わらないから!

浜松シネマイーラで鑑賞
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ジュビロ磐田レディース所属、
2013年第22回夏季デフリンピック女子サッカー代表選手寺井名美さん


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予告はこちら↓



監督:中村和彦(第34回山路ふみ子映画福祉賞受賞)

'09年夏に台北で開催された第21回夏季デフリンピック Deaflympics
(ろう者のオリンピック
デフdeafとは英語で「ろう」、「聴覚障害」という意味。)
に初出場した、
ろう者女子サッカー日本代表チームを追ったスポーツ・ドキュメンタリー。
選手は高校生から社会人までのサッカー経験も豊富なさまざまなメンバー。
予選リーグの試合風景と共に、
選手たちの本音、両親の率直な意見を織り交ぜて、
カメラを意識しない自然な表情を映し出していく。
(ぴあ映画生活より)

5月3日(金)この映画の初日に今年の夏にブルガリアのソフィアで開催される、
第22回夏季デフリンピック競技大会ソフィア2013 のサッカー女子日本代表に選ばれた、
寺井名美さんの舞台挨拶がありました。
寺井さんと友人の女性と手話通訳の3人が登壇されて、
お話をしてくださいました。
映画は前回の第21回夏季デフリンピック台北のサッカー女子日本代表の様子が、
描かれています。寺井名美さんはキャプテンを務めていました。
寺井さんは、子どもたちに夢を与えたいと言われていました。
ソフィアでのデフリンピックでは、4位以内に入るのが目標だそうです。
(前回は初出場で7ヶ国中6位でした。)
寺井さんは生まれた時から音のない世界で育ち、
子どもの頃発音の教室に通われたり、
ピアノの音が出る時の震動を体で感じて、音を覚えたそうです。
5月10日(金)までの限定上映ですビックリマーク
­選手は10代から30代まで、高校生から社会人の女性たち。

この映画を観ることで初めて知ったことがたくさんありました。
まず、恥ずかしながら、デフリンピックを知りませんでした。
パラリンピック、スペシャルオリンピックスは知っていましたが...
そして、以前ろう学校での教育は、口話で健聴者と対等に話すことが、
何より大事なことであり、手話はみっともないことであるとされ、
使用が禁止されていたということ...(現在は取り入れられています)

デフリンピック

 身体障害者のオリンピック「パラリンピック」に対し
「デフリンピック(Deaflympics)」は、
ろう者のオリンピックとして、夏季大会は1924年にフランスで、
冬季大会は1949年にオーストリアで初めて開催されています。
障害当事者であるろう者自身が運営する、
ろう者のための国際的なスポーツ大会であり、
また参加者が国際手話によるコミュニケーションで
友好を深められるところに大きな特徴があります。

 なお、デフリンピックへの参加資格は、
補聴器をはずした裸耳状態での聴力損失が55デシベルを超えている者で、
各国のろう者スポーツ協会に登録している者とされています。
また、競技中に補聴器を装用することは禁止されています。
これは身体の安全を確保する観点によるものです。

 デフリンピックを運営する組織は、
国際ろう者スポーツ委員会(International Committee of Sports for the Deaf)で、
1924年の設立以来、デフリンピックやろう者世界選手権大会の開催、
そして各国のろう者スポーツの振興など、
着実な取り組みを続けています。現在の加盟国は104カ国です。

パラリンピックとデフリンピック

 国際パラリンピック委員会(International Paralympic Committee)が
1989年に発足した当時は、国際ろう者スポーツ委員会も加盟していましたが、
デフリンピックの独創性を追求するために、1995年に組織を離れました。
そのために、パラリンピックにろう者が参加できない状況が続いています。
なお、デフリンピックの独創性とは、
コミュニケーション全てが国際手話によって行われ、
競技はスタートの音や審判の声による合図を視覚的に工夫する以外、
オリンピックと同じルールで運営される点にあります。
また、パラリンピックがリハビリテーション重視の考えで始まったのに対し、
デフリンピックはろう者仲間での記録重視の考えで始まっています。
しかし、現在は両方とも障害の存在を認めた上で
競技における「卓越性」を追求する考えに転換しています。

デフリンピック啓発ウェブサイト:全日本ろうあ連盟 スポーツ委員会HP より
http://www.jfd.or.jp/deaflympics/ ←リンクあり。

聴覚障害の程度は、医学的にはデシベル(dB)で区分する。
デシベルとは音圧レベルの単位であり、
音の大きさが大きいほど高い値を示す。
これにより健康な場合に対しどれだけ聞こえが悪くなったか
(大きな音でないと聞こえないか)が示される。
① ささやき声まで.よく聞こえる=正常耳 (聴力レベル.10~30dB)
② 小声では.聞こえにくい=軽度難聴   (聴力レベル.30~50dB)
③ 普通の会話が.聞こえにくい=中等度難聴 (聴力レベル.50~70dB)
④ 大声の会話でも.聞こえにくい=高度難聴 (聴力レベル.70~100dB)
⑤ 耳元の叫び声やジェット機の音くらいには感じるが、
  日常の音は聞こえない=高高度難聴 (聴力レベル.100dB以上)
(ウィキペディアなどより)


映画では、選手や選手の親御さんへのインタビューも豊富で、
心を打たれました。
選手の中には、子ども時代に石を投げられるなどのいじめを受けた人が、
何人もいます。
ご両親が聾者の場合と、健聴者の場合など、
育ってみえた環境が違っています。
選手のみなさんそれぞれのお話が人生ドラマで、
ジンときました。
皆さん、熱い思いでサッカーに取り組んでいます。
しかし、前回の台北大会では、世界との差を見せつけられます。
優勝したアメリカ、ドイツ、ロシアといった強豪チームのプレーは、
女子ワールドカップと同じレベルに見えます。
寺井さんのように健聴者の選手と同じチームでプレーしていたり、
ドイツチームは監督がサッカー協会から派遣されていました。
日本チームは実績もないということで、
渡航費用は全額選手個人持ちでした。
世界の壁は厚く参加7チーム中6位。
5位、6位決定戦でデンマークに敗れましたが、
最後のこの試合では、諦めないで強い気持ちを維持して、
戦い抜きました。
今まで負けてこれだけ悔しい思いをしたことはなく、
世界の舞台に立って確実に成長したと、
選手が語っています。
参加した各国の選手たちとの交流の様子もとても素敵でした。
今夏の代表選手が先日発表され、
5月3日(金)~5日(日)に合宿も行われるので、
寺井さんも舞台挨拶のあと合流されるとのことでした。
前回大会が終わり日本へ帰る選手たちには、
サッカーを続けていくこと、
仕事、結婚、出産など、
将来への悩みも抱えていました。
今回の代表選手の名簿をみると、
前回に続き出場する選手が半数以上です。
4年前の雪辱をきっと果たすことと思います。
心から応援したいです。

アイ・コンタクト とは、
代表的な非言語コミュニケーションの一種。
相互の目と目で意志や感情を確認し合うこと。
健聴者のサッカーにおいても極めて重要なコミュニケーション。
パスを出すタイミング等の意志疎通を図る。(パンフより)
選手が、普通の会話でも健聴者は相手の目を見て話さない人が多い。
と言われていました。
また、試合の時は、
下を向いてはいけない、常に顔を上げて前を向いて
アイコンタクトをしていくことが大切。
と話していました。

監督から(公式HPより)

私は前作「プライドinブルー」
(知的障害者サッカーのドキュメンタリー映画)
のエンディングで様々なサッカー日本代表のゴールシーンを並べた。
A代表のゴールもあれば、
ろう者(聴覚障害)・視覚障害者・電動車椅子・脳性麻痺などの
各障害者サッカーチームのゴールシーンも織り交ぜた。
それぞれ違いはあれどもサッカーに対する情熱は
何ら変わりがないというメッセージを込めた思い入れの深いシーンである。
その撮影の際にとりわけ興味を持ったのが、ろう者サッカーだった。
一見、障害の有無が分かりにくいという点は「プライドinブルー」
で取材した軽度の知的障害者と共通していて、
それが故に見えにくいものを映画という手法で掘り下げたいと思った。
女性がサッカーをする場がまだ少ない中、
ろう者サッカーには唯一の女子代表チームが存在した。
更にデフリンピックに初参戦するということも撮影したいと思った理由である。
産声をあげたばかりの女子チームを撮影しようと、
合宿に通い始めた私がまず感じたのは、
「何が何でも手話を覚えなければ話しにならない」ということだった。
手話を学び始め、ろう関連の書籍を読み漁り、彼女達と接していくうちに、
ろうの世界の多様性に気づかされていった。
彼http://kuchikomi.ameba.jp/user/listPr.do女達のいきいきとした姿をひとりでも多くの人に観てもらえたらと思っている。

中村和彦監督プロフィール

福岡県出身。高校時代の部活は野球部。
早稲田大学文学部在学中、映画に興味を持ち、シナリオの勉強をし、助監督を経験。映画の路に進み、大学を中退する。
2001年、奥田瑛二監督の映画『少女』で監督補。
02年に『棒-Bastoni-』で劇場用映画監督デビュー。
その後サッカー日本代表のドキュメンタリーDVDに携わりつつ、
07年に監督第二作目、知的障害者サッカーのワールドカップを描いた
『プライド in ブルー』を発表。
自他ともに認めるサッカー好き。
プライド in ブルー [DVD]/


『アイ・コンタクト』を観て、
選手のみなさんに心から拍手を送りたいと思いました。
そして、勿論、代表チームが結成されたときから、
資金の目途も立たない状況から、
彼女たちの姿を3年間追い続けた、中村和彦監督にも。

サッカー・ファンには勿論、
頑張る彼女たちの姿を、1人でも多くの方にご覧いただきたいです。

『アイ・コンタクト』公式HP←リンクあり。

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↑舞台挨拶の様子。手話通訳の方。寺井さんの友人。寺井さん。


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寺井名美さんにパンフにサインをもらいました。
カワイイサインでしょニコニコ


5月3、4、5日は浜松祭でした。
私は4、5日は用事があり、実家に帰っていて、
ブログの更新、ぺた返し、コメントのお返事が出来ませんでした。
ごめんなさい。
6日は映画『楽隊のうさぎ』撮影のエキストラに参加します。
井浦新、鈴木砂羽、宮﨑将などのキャストの皆さんに会えるかな~
楽しみです。ニコニコ


追記
『珈琲とエンピツ』

6月22日(土)~6月28日(金)浜松シネマイーラで公開ビックリマーク
うっかりしていてこの情報をかきそびれました。
ろう者である映画監督の今村彩子が、
湖西のサーフショップ&ハワイアン雑貨店で出会った、
同じくろう者の店長・太田辰郎の人柄や魅力を捉えたドキュメンタリー映画
(ぴあ映画生活より)
です。
次回記事にアップしますビックリマーク

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